ひろがりのぼりながらふれていた - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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ひろがりのぼりながらふれていた    

 ネグリジェの客は三日目だった (どこから)名を叫びながら 取り落とした、風は また途切れてしまうよぅ。震え声は燃えていた (落ち着いて)あれは乏しくて、役者やったって。低い声になり 芯を揺らし文句をいいながら私を消した。同室の机にひとは滑り込んで見たけれど、数えるまでもない。  喫煙室の古い雪のほころびの掛け時計、赤く破れてゆく。暗いまんなかに閉まらないはなしを抱きしめていい。といえば、うすいべにやこがねや焦香こがれこう  慌てたひかりの烟が何かを探っていたようだった。頬杖をつき 打ち明けないで。もしかしたら 殆どは消えた水菓子と無限に引き換えして、物珍しさに潰れ、安穏と手招いてしまうから  翌日をさらす しかけや。どやどやとよぎない ための 結び。しゃがんで 背負う幻。それはうたかたで咲くや 意味する 「水素9.5%、炭素18.5%、窒素3.2%、酸素65.0%、ナトリウム0.2%、マグネシウム0.1%、リン1.0%、イオウ0.3%、塩素0.2%、カリウム0.4%、カルシウム1.5%、鉄0.005%、その他1.7%」  ひろがりのぼりながらふれていた ひかりを、遮ることによって壊れたものの一篇なり。くろいふくの、指で 未練や思慕が。ひけたのか、バスは、波が 手放さなかった  また似たようなこれからを考えた。滅びたトランクの隙間に。私はとっさに、冷えたベージュの習慣と、水を張った口を(ひらいた ための ふじゆうに)垂れ込める空気 壊れた朱鷺が、巻き上げられる  あなたが膝を崩さないで、街燈を消して  かわいた石でできていることを知った  倦怠を躰に埋めた おそらく、さめはじめている  またとすべての眠たげな 夜の色に別れてから、見分けもつかず。無理にわらうとどうかいってのけて。おおつごもりと稿本する、メッキの被写体をうつす月の光が「またここにいてもいいか」  辯舌のひどく身分の乱雑で、呆け。たてつづけの銀砂で呼吸は天使にも明度。外は牡丹雪が舞うように黙って、やや暫くのあいだ大きく手を振りました (どうして)聞いてない素振りをした。穏やかな表情ですぐには火をつけず、脹れた氷雨と薄い少女にやさしいほかげが 倦怠と腰を掛けているだけで  もうすぐ/もうちょっと/またそのさまは。まだ或るモノに白けない硝化綿の華に。しかし熱して融かすまで惨んでいる  うしろからみれば胚となって ただ黙って口にしないだけで、それでなにがかわるの。東に没しようとしている フロアランプの延長線に。だれも踏み入れることのない明後日へ  宇宙ソラをとぶゆめをみるよ。おおくのものの中で、それでは包んだものの。(砂とじゃりと水。)おおかた灰、千尋とちらつくゆきとしよっか。こんな夜中にさ 知音の肌ざわりで、赤銅色の 枯葉蛾の転覆した星辰が 脳裏をやわく産み付ける、ホゾだから惚れた  でしゃばりな挿花など、そのおもさは腫れ物に障るなぁ。口元から反響する空洞が、うつ伏せに倒れ 濁った熱意で失う荷物が今に育てられ、瞬きを繰り返すけれど  影絵のフィルターが拝と漠然として ずっと前から隔たる、畳まれた時間と目をやるに。金の鍵の文字盤はからっぽ。ただ座するように空いて庇と為すだった  駆け込むように入ってきた風が体重のすべてで。真鍮の窓の吹き曝しは まいります、フザケた拍子に歌い出すと まいりますから。


ひろがりのぼりながらふれていた ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 707.9
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2025-02-16
コメント日時 2025-03-05
#現代詩
項目全期間(2025/04/12現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
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叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
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閲覧指数:707.9
2025/04/12 15時22分14秒現在
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    作品に書かれた推薦文

ひろがりのぼりながらふれていた コメントセクション

コメント数(8)
トビラ
作品へ
(2025-03-02)

「素数ソース」 不幸せだと思う? 演者は幕間で何をしていると思う? 食べかけのピザが冷める 固くなったチーズ 八百万の神様なら ピザの神様だっていたっていい あるいはピザ職人の神様 だらしないって言わないでよ 夕陽はさみしいね トマトソースが多めだからかな 照明が明るいのは 昨日、月をかじったから 胃のなかで発光する月明かり 吐き出すくらいなら ちゃんと産みたかった 星空の海のなかで コップから宇宙をこぼすみたいに 三年かな、 体組成が歌いだすまでは *返詩です

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エイクピア
作品へ
(2025-03-02)

「水素9.5%、炭素18.5%、窒素3.2%、酸素65.0%、ナトリウム0.2%、マグネシウム0.1%、リン1.0%、イオウ0.3%、塩素0.2%、カリウム0.4%、カルシウム1.5%、鉄0.005%、その他1.7%」 これは何の成分だろうか。気分の成分だろうか。詩の成分にしては、リアリティーが有るような無い様な。

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三明十種
作品へ
(2025-03-04)

やっとひとつ感じれたことがあってですねーAoiさんの作品は言葉言葉がうようよ増殖していってるのだなぁーと…だからつかみようがないのだね(掴まろうとしないともいへるけど)

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レモン
レモン
作品へ
(2025-03-04)

こんにちは。 イメージの乱反射が、 柔らかなひかりのミラーボールみたいに廻っている印象。 しかも、 文章を読んで掴まろうとした言葉が、スカッとすっぱ抜けて、 あちこちでよろけそうになる。 で、結局、男女の恋ばなを描いて(セックス臭くはあるが、たぶんしてない)いるのだと思いました。 ありがとうございます。

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A・O・I
トビラさんへ
(2025-03-05)

生まれなかったもの、のイメージで読んでくださったのかなと。返詩をみておもいました。それで三年という月日もあって、ふと、そんなこともあったかなーと懐かしく思いましたね。もしかしたらソレもこの作品に書かれているのかもしれないですね、これのちょっと前に書いたものにカケラはいたので。と考えていくとどこまでも紐付いてしまうんですけどね。そういうきっかけと偶然で生きて行くんじゃないかなと、日々感じています。返詩ありがとうございました

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A・O・I
エイクピアさんへ
(2025-03-05)

>これは何の成分だろうか。気分の成分だろうか。詩の成分にしては、リアリティーが有るような無い様な。 なんでしょうね。気分的に何か出会って、何かしら思うことが、そうやって形になっていくのかもしれませんね。信じれば、それが真実になるのが、詩の優しくておおらかなところです。コメントありがとうございました

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A・O・I
三明十種さんへ
(2025-03-05)

>Aoiさんの作品は言葉言葉がうようよ増殖していってるのだなぁーと…だからつかみようがないのだね(掴まろうとしないともいへるけど) そうですね。増殖ですかね、とめどない。一考えたら3ぐらいは分岐する感じですから。ソレを一篇に編み上げていくので、どの選択をとっても全体を見れば ある/いる、そういう感じに仕上げたいとは思ってますけど、掴めないでしょう、その瞬間ももぞもぞしてるので、制止することもできないのかなと、気味悪いですし、詩自体も逃げていくのかもしれないです。私自身も読めば読んだぶんだけ違うものであると、感じるので。まあ何かしら楽しんでくれれば嬉しいものです。コメントありがとうございました

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A・O・I
レモンさんへ
(2025-03-05)

コメントありがとうございます。 >結局、男女の恋ばなを描いて(セックス臭くはあるが、たぶんしてない)いるのだと思いました。 レモンさんの読みは、「喫煙室の古い雪のほころびの掛け時計、赤く破れてゆく。暗いまんなかに閉まらないはなしを抱きしめていい。といえば、うすいべにやこがねや焦香」ここをフックにしたのかなと、だいぶ真っ直ぐな読みだなと感じました。 >イメージの乱反射が、柔らかなひかりのミラーボールみたいに廻っている印象。 きっと、キラキラしてるとも思います、でもぐるぐるしてますよね。なにかしら感じてもらえれば有り難いものです。 >しかも、文章を読んで掴まろうとした言葉が、スカッとすっぱ抜けて、あちこちでよろけそうになる。 時間も記憶もヒトも土地も思いも全部、途切れていますから。忘れたいことも忘れたくないことも、おぼえていないことも知らないことも、言葉として表されたこと、自体が、なぜ?なのか。わからないのですから、ふらふらしているんですよね、きっと。そういうものですこれは。

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