夜に抱かれて
人から遠く離れて
闇を飛ぶ心も今夜はお休み
己の小ささに震える
黄砂が海を渡るように
思念は自由を飢え
一夜にして千里を往く麒麟を愛した幼少に泣く
せめてあなたを信じたかった
瞳を見て手を握りたかった
遠い昔
友情を箸にして
夏のおそうめんのように
虹を掬うような感じ方の子供でした
大人になって
大きな豚のロース肉の端の
脂身の道を
男の2人乗りバイクで往く悪夢から目が覚めません
私は男の腰を掴み
風に嬲られ
私の首からゆるゆると流血して
それが赤いネッカチーフのように見えます
この失意と無念は私を助けず
私の腐った沼に溺れ
水しぶきが、もう語るな、と囁きます
病室なのか、洞穴なのか
黴が匂います
私は壁に詩を書き
助けて、と言う代わりに
ナケナシの尊厳クーポンを手に入れます
作品データ
コメント数 : 25
P V 数 : 1397.6
お気に入り数: 2
投票数 : 7
ポイント数 : 0
作成日時 2024-12-21
コメント日時 2025-01-10
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2025/01/18現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1397.6
2025/01/18 16時50分22秒現在
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情景描写が意外とバラバラなんだよな……これ。一見するとまとまっているように見えるけれど、AOIさんの詩みたいに連ごとの世界観がバラバラにも見える。それなのに、どこか一つの作品としてまとまっているのがすごい。 あと、本筋からはずれるけれど、『男の2人乗りバイクで』って『男の二人乗りバイクで』ではだめだったのだろうか。縦書きだとアラビア数字って微妙な違和感があるというか……意図的なのかどうかが気になる。
0コメントを下さりありがとうございます! AOIさんは難解だし耽美と不快感が混ざったような、詩の印象ですが、似てるところが有るのかも知れません。テーマが実人生をぶつけているのでまとまりが感じられるのではないでしょうか? 数字は横書きしているせいで発生しているミスです。油断で印象が悪くなり悔しいです。詩には誤字脱字は許しがたいですよね。
0多くの業を抱え込むと、夜の時間が悪夢のように恐ろしく感じられる感覚は、私にも当事者として伝わってきました。助けを求める代わりに詩を書くことで、なんとか自尊心を保とうとする姿勢も、決して他人事ではありません。地獄の空から垂らされた蜘蛛の糸、それが詩なのかもしれません。僅かな希望を象徴しているという意味に於いて。
0詩で、飛躍した文章で新しいイメージを切り開かれていますね。湖湖さんの詩には、期待を 裏切られたことが、一度もありません。
0共感して頂き嬉しいです。持病を持っている、という弱みが人生の足を引っ張る事も多いです。詩を杖にする、というような感じ方も有ります。芥川龍之介の蜘蛛の糸、善行は伴えば足元を照らすのかもと感じます。
0あなたの感想は私を元気にします!ダイナミズムのある詩を書きたいものです。ありがとうございます!
0麒麟は今では実在の動物の名称ともなっていますが、嘗ては幻の、実在しない存在だったのですね。幻想に溺れることは悪いことではないと思うのですが、詩を浄化する契機は、外在性の揚棄に有ると思うのです。この詩で出て来る「悪夢」が揚棄の結果であるのかどうかは分かりませんが、内省が働いていることは確かだと思うのです。
0すみません!エイクピアさん 不勉強で意味が分かりませんでした。外在性の揚棄って、???詩を浄化する必要があると詩論的に確定しているのですね?それは感覚的にわかる感じですが。
0>私は男の腰を掴み >風に嬲られ >私の首からゆるゆると流血して >それが赤いネッカチーフのように見えます わお、かっこよし。だれかすぐに絵師さんを紹介してあげて。出来れば楽曲と歌い手さんも。私にはなんのツテもなくてすみません、ゼッケンです。湖湖さん、こんにちは。 >私は壁に詩を書き >助けて、と言う代わりに >ナケナシの尊厳クーポンを手に入れます 自分を表現することが人間としての尊厳を担保する。自然なことのように思えて、説明しようとすると実はすごく不思議です。表現することは人間の本能に組み込まれていて、詩を書いていると自分が人間であることを思い出せる? これが芸術の力というやつか。湖湖さんの作品が力強いのはラスコーの洞窟壁画を見る感じと似てるのかなと思った。
0ゼッケンさんにこんなお褒めの言葉を賜りすごく嬉しいです。 こんばんは!ゼッケンさん。 詩を書く事で人間性を担保する、という心の作用はありますね。病気の人のための芸術療法は万人性がありますね。芸術が人々を国を超えて団結させて世界を良くする夢があります。又、感想を下されば幸いです。
0カッコいい。実人生をぶつけたということで、その熱が伝わってきました。 他の方が大体言いたいこと言ってしまってますが…… やはり、ナンセンスさといいますか。それによって逆にロマンチックを演出できているといいますか。 「闇を飛ぶ心」や、 「黄砂が海を渡るように/思念は自由を飢え」 というように、心は自由に動ける一方で、 「大人になって 大きな豚のロース肉の端の 脂身の道を 男の2人乗りバイクで往く悪夢」 悪夢、というよりまさにこれが現実で、現実は泥臭くしょうもないことが多い。しかし、血のネッカチーフを靡かせ、バイクはあの「海」を目指しているはずで。そう考えると段々カッコよく見えてきてしまう。 そういう読みができそうかな、と思ったので、最後の三連分、もっとこの流れのままカッコつけてもいいのかなとは思いました。「尊厳クーポン」はダサカッコよくて、好きです。 良い詩でした。
0かっこいい、と評価されるとは思っていなかったので、意外ですが、嬉しいです。旅先のインド人のバイクの後ろに乗ったことはあるのですが、あちらの男女は女が後ろに女座りして、ドレスのストールが風に靡いているのが印象的だったんですね。ロマンチックでいてストールが風に絡まり事故も多そうでした。それを普遍的な男女の姿に書きました。海にたどり着きたい欲は生きたいと感じるビビッドさですかね。仰る通りです。感想をくださりありがとうございます!良いお年を。
1失恋ですか?
0明けましておめでとうございます。さあ、どうなるでしょうね。笑
0悲鳴の代わりにこの詩は書かれたのかもしれない。 パックリ割れた傷跡、そんな心の叫びと痛々しさと苦しみと救いを求める声を感じる。
0良い詩だけど、どんどん良コメがついてハードルが高くなってる。 今書き込むべき...? LEONは超高級品と特別なアイテムだけで構成されたページを披露しつつ「必要なのはお金じゃなくてセンスです」と名高い一節でわれわれを煽ってきます。 あいすみませんでした。ハイ、本当に必要なのはお金です。すみずみまで雑誌化した世界で、太古の文明に現代人が遭遇します。それが詩の本領なのかもしれないです。 >大人になって >大きな豚のロース肉の端の >脂身の道を >男の2人乗りバイクで往く悪夢から目が覚めません >私は男の腰を掴み >風に嬲られ >私の首からゆるゆると流血して >それが赤いネッカチーフのように見えます 詩は異性が描けなくてもいちおうは成立するもので、 (小説の場合、異性が描けなければ成立不可)そこらへんが参入のハードルを下げている一因なのですけど、 ここでは濃密に「異性」の匂いがしますね。ヴィンテージワインさながらの。 かっこいいポエムを読めて、 元旦早々縁起のいい気持になりました。
0秋乃さん、人情のある理解をくださりありがとうございます。悲鳴を出すことを耐えて言葉に変えるのは闘うようかもしれませんね。
1仰ること、自分でも身にしみます。真善美を理想に美しい詩を書きたいものですし、残念な現実に牙を立てるのも疲れます。率直で素敵な感想をありがとうございます。
0湖湖さん、そうですね。 悲鳴を出すことを耐えて言葉に変えるのは闘うようなものなのかもしれませんね。
1はじめましてですが、この作品にコメントを記してよいものか、と、思いましたけれども、かなしい事柄への共感ということは人間にはあり得るので、共感しかできないのですが、その意味での投票であります かなしい
0偉そうなコメントで恐縮ですが、一つひとつの言葉にキレと強さがあって最短距離で感情を表していると思いました。湖湖さんにとって詩がなくてはならないものであることが伝わってきました。
0悲しみは書くに値する、そう思っています。醜い現実や心情は詩にふさわしくない、そういう葛藤がありますが、読むに耐えるレベルでありたいと願うものです。共感して頂き嬉しいです。
0偉そうには感じない私は批評に無神経なのかしら?褒めて頂き嬉しいです。理解をありがとうございます。
0何らかの後悔が、詩を覆い、詩情を構成していると思いました。「悪夢」は詩情を彩ると言うよりは、詩の起点になっているのかもしれません。もう語るなと言う戒め。匂う黴。尊厳クーポンとは何か、それが解かると言うことがこの詩が解かると言う事なのかもしれません。
0エイクピアさん、再度コメントをくださりありがとうございます! 確かに悪夢が起点かな。余り説明できないですが、後悔は淋しいですね。詩を味わって頂き嬉しいです。明けましておめでとうございます。
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