かわいい黴ちゃん
黒く歩く黴ちゃん
ちら見えする生命がかわいいよ
星に根を張る黴ちゃん
赤くきらめいて 私の腐った体を照らしてよ
目覚めよ? 体 あたためて
かわいい黴ちゃん
無限に光る硝子をはあはあ曇らす黴ちゃん
素直で綺麗な雨たちを
あおげるほどに濁らせて おねがい
やさしく この空を 覆おう?
かわいいよ 黴ちゃん
消えて現れて消える黴ちゃん
消えて現れて消えて消える黴ちゃん
子守唄の中にも放り込まれちゃって
おちゃめ
でも幸せなフリをして泣いちゃだめ
かわいいよ? 黴ちゃん
とても笑顔が上手い黴ちゃん
血のシミを一滴吸い込むと
迷子のように震えて隙間を探した
シンクの底からにっこり覗いてた
苦しい黴
誰からも忘れ去られる黴
そんなことない
そんなことないよ黴ちゃん
今日生ぬるい鼻唄を君に宛てたよ
ぼんやり光る部屋に届くはず
明日届くかもね
息をしよう 黴ちゃん
浅くても深くても
渇いた傷口に見え出した
一つの生粒に意味があるよ
霧の気配が漂う小屋で
君に似た赤ちゃんが産まれる前に
錆びた窓硝子に
ぼくらが土のようにこびりつく前に
黴ちゃん ね
黴ちゃん
作品データ
コメント数 : 15
P V 数 : 809.7
お気に入り数: 0
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2024-12-03
コメント日時 2024-12-28
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2025/01/18現在) | 投稿後10日間 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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前衛性 | 0 | 0 |
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閲覧指数:809.7
2025/01/18 17時05分24秒現在
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かわいいよハアハア(*´Д`)ハアハアかわいいよ萌え萌え変態系の展開になるのかなーなんて思いながら読んでいきましたが(な、なんか思い違いしてるよーだぞ!)(いったいこれは何???)掴みどころない故に掴めないまま今ここにコメント書いておりますことご容赦くださいませよー黴チャンハアハア(*´Д`)黴チャンハアハア
1黴への偏執的な愛が描かれていますよね。 確かに大きな引っ掛かりはないですが、何故か泥々と引き込まれていく、最終的に全体が引っ掛かる詩かな、と自分でも思います。
0面白かったです。黴を反対に読むと美化になりますね。言葉遊びの中にユーモアが潜んでおります。それは単なる軽妙な冗談ではなく、むしろ作者の中にある否定的な精神から生まれたものなのかもしれません。一見、茶化しているようにも見えますが、その背後には深い洞察が感じられます。腐敗するものを愛おしみ、崩れゆくものに価値を見出すような皮肉めいたユーモア。それこそが、この作品における本質的な光(闇?)ではないかと存じます。
1おおお!やっぱし偏執的でありましたか!僕の感性もまだまだ捨てたもんじゃねーなと少し自信を取り戻しましたよー(ビーレビに出入りするよーになってからみなさんの熱量力量に圧倒されて、自身の矮小さを痛感しておった故) >泥々と引き込まれていく、 うんうん、この感覚なんすよねー
1「黴を反対に読むと美化に」 この指摘、面白いですね。 「腐敗するものを愛おしみ、崩れゆくものに価値を見出すような皮肉めいたユーモア」 皮肉といいますか、水墨画などに美を見出だす意識といいますか。その真剣さを「ちゃん」で緩和した部分はありますね。 黴をモチーフとして選んだのも、人間の身体を蝕めるものだから、というのが大きいです。 詩の流れとして、前半から後半にかけて黴が身体性を帯びるように変化していくのが、作者としてのポイントでしょうか。 コメントありがとうございます。
0黴が可愛く見えてくる不思議な作品ですね(✿^‿^) 黴を敢えて綺麗な感じに表現する部分に愛を感じました★
1「黴」って漢字、本当に「カビ」としか思えない、いやらしい形をしてますね。 よりにもよって、そんなモノを詩にしてしまうなんて! でも、面白い。
1「黴」が何度も繰り返される詩で、可愛げあると言うよりは、何か思い入れの深さを感じました。俳句では黴は夏の季語なのですが、実際は年がら年中と言う感じはあるでしょう。詩作をするために、自分の外部を見つめなおして、更新的な手続きを整えたのかもしれません。
1大晦日は大掃除の季節なので、汚れについて考えることも多くなり、黴というテーマはぴったりですね。 可愛いカビちゃん。自然界にある汚れを愛おしむ気持ちがよく出た良い詩だと思いました。
1「生粒」って何だろうと思っていたら、お米の未熟粒のことなんですね。 そうしたら何だか日本酒の仕込みの詩に思えてきました。 そうするとこの語り手のテンションもごく自然なものとして響いてきました。 全然違うかもしれません。
1黴という字を、初めて見ました。詩の方は、なかなかうまいと思いました。ただ、何か一本 メッセージや独自の見解があるといいなと思いました。
1コメントありがとうございます。 「生粒」って、そうなんですか…! 調べてみたんですが、ネットには出てこないですね、マイナーな用語なのでしょうか。 「渇いた」というイメージと対比的に、「生(なま)」という少し新鮮さがある言葉を置いてみたく、「生粒」と書きました。 「渇き」と「潤い」、両方を持ち合わせる存在に見えてくるなあ、と当時は書いてました
0コメントありがとうございます。 メッセージは、単に「黴が好きだ」という私のフェチズム、それでも独自の見解は、確かに今回は薄いですね。 後々、もっと黴を深く調べて、続編のような作品を書きたいとは思っています。ありがとうございます。
1黴(カビ)を愛でる詩は、もしかしたら初めて読んだかもしれません。読んでいくうちに、黴って可愛いかもと思わせてしまう文章力が素敵です。語り手は、黴ちゃんに対して偏執的ではありますが、愛するものに対する気持ちが溢れていてそれもまた可愛いですね。
1黴、ですね… 黴がかわいいとはわたしにはどうしても思えませんが、黴をかわいいと思っている作者がかわいいと思わせる作品だと思いました。 例えはおかしいかもですが、ドラえもんが白い猫に恋するみたいな笑
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