太陽の季節 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。

硬派な作品

萩原朔太郎や中原中也のエッセンスを感じます。

千治

体験記『呆気ない宣告』

それはあなたの現実かもしれない。

大概のことは呆気なくドラマティックではない。そうした現実の丁寧な模写が作品に厚みを増している。

ほば

世界は自由だ━不死━

わかるということ

あなたにとっては何が、その理解が起きるピースになるだろうか?

ほば

ふたつの鐘がなるころは

鐘は明くる日に鳴る! いつでもそうだ!

運営在任中に出会った多くの作品の中のベスト。決して忘れない。

yasu.na

良い

シンプルに好き

あっす

パパの日曜日

パパの日曜日

いい

明林

終着点

生きる、その先に死地はない!

美しくさわやか、そして深い意味が込められたシーン、均衡の取れた心情と思想、強い意志で最終連へと迫る引き締まった展開、我が胸にこの詩文を抱いて!

yasu.na

九月の終わりを生きる

呼び覚ます声

夏の名残の暑さが去ろうとする頃、九月の終わりになると必ずこの作品のことを思い出す。

afterglow

こっちにおいで

たれかある

たそがれに たれかある さくらのかおりがする

るる

詩人の生きざま

言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

羽田恭

喘息の少年の世界

酔おう。この言葉に。

正直意味は判然としない。 だが、じんわりあぶり出される情景は、良い! 言葉に酔おう!

羽田恭

誰かがドアをノックしたから

久しぶりにビーレビ来たんだけどさ

この作品、私はとても良いと思うんだけど、まさかの無反応で勿体ない。文にスピードとパワーがある。押してくる感じが良いね。そしてコミカル。面白いってそうそう出来ないじゃん。この画面見てるおまえとか、そこんとこ足りないから読んどけ。

カオティクルConverge!!貴音さん

あなたへ

最高です^ ^ありがとうございます!

この詩は心に響きました。とても美しく清らかな作品ですね。素晴らしいと思いました。心から感謝申し上げます。これからも良い詩を書いて下さい。私も良い詩が書ける様に頑張りたいと思います。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

これ大好き♡

読み込むと味が出ます。素晴らしいと思います。

きょこち(久遠恭子)

輝き

海の中を照らしているのですね。素晴らしいと思います☆

きょこち(久遠恭子)

アオゾラの約束

憧れ

こんなに良い詩を書いているのに、気付かなくてごめんね。北斗七星は君だよ。いつも見守ってくれてありがとう。

きょこち(久遠恭子)

紫の香り

少し歩くと川の音が大きくなる、からがこの作品の醍醐味かと思います。むせかえる藤の花の匂い。落ちた花や枝が足に絡みつく。素敵ですね。

きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

暖かくて、心から感謝申し上げます。 この詩は誰にでも開かれています。読んでいるあなたにも、ほら、あなたにも、 そうして、私自身にも。 素晴らしいと思います。 ありがとうございます。みんなに読んでもらいたいです。

きょこち(久遠恭子)

カッパは黄色いのだから

良く目立ちます。 尻尾だけ見えているという事ですが、カッパには手足を出す穴がありますよね。 フードは、普通は顔が見えなくなるのであまり被せません。 それを見て、僕はきっと嬉しかったのでしょう。健気な可愛い姿に。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

永訣の詩

あなたが出発していく 光あれ

羽田恭

あなたには「十月」が足りていますか?

もし、あなたが「今年は、十月が足りてない」と お感じでしたら、それは『十月の質』が原因です。 詩の中に身を置くことで『短時間で十分な十月』を得ることができます。この十月の主成分は、百パーセント自然由

るる

だれのせいですか

どんな身体でも

どんな自分であっても愛してくれるか、抱きしめてくれるか、生きてくれるか SNSできらきらした自分だけを見せてそんな見た目や上辺で物事を判断しやすいこんな世の中だからこそ響くものがありました。例えばの例も斬新でとても魅力的です。

sorano

衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

二酸化窒素

ずっと待っていた

渇いた心を満たす雨に満たされていく

afterglow



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太陽の季節    

島があった。日本では魚釣島と呼ばれている。荒涼たる海が広がっている。ざわめく、怒りやすい海であった。 ざわめいているのは海ばかりではない。この島をめぐって日本と中国は緊張をたかめていた。 火蓋を切ったのは中国だった。2010年9月に、一隻の漁船に扮した中国軍の船が、島の付近の日本領海を侵した。日本巡視船が警告を発して防衛にあたったところ、この中国軍の船は巡視船に突撃した。これは明らかな、中国の軍事的挑発であった。 東京都知事の石摩羅珍太郎はこれに我慢ならなかった。間もなく「中国は救いがたく邪だ。あの島は私が若い時から目掛けてきたのだから、当然私の、そして日本のものになるべき島だ」といって、島の購入を発表した。 日本人は、満腔の賛意を表した。あっという間に、石摩羅のもとに数十億の寄付金が集まった。そこで石摩羅は弱腰の日本政府を相手にしないことにした。「もう我慢できない。義援金(都への寄付金)もあることだし、3つの自治体が力を合わせるのだ」といって、勝手に島へ上陸することにした。 国家戦略担当相の前原誠司、周章狼狽の極みであった。ふだんから曲がった口をさらにゴニョゴニョさせながらいった。 「なにが”おれのシマ”だよ、あのキチガイめが!極道でも気取っているのか、、いやあいつは極道よりも極道だ。なにせハッタリ稼業なんだから!」 しかしいくら前原が被害者ぶって糾弾しても、誰も彼のことなんか、はなから相手にしていないのであった。 石摩羅はこの一件以来、マスコミに引っ張りだこになって、ゴキゲンなのであった。 やれ「国民の国防意識を根底から揺るがせた」だの「中国とも戦争辞さず」だの、例の華々しい石摩羅節に愚民は酔いしれた。日本人の好む一種の向う見ずというのもあいまって、威勢のいいことこの上なし!日本一調子に乗っていたのである。 島めぐる争いはというと。 水面下のところで、戦いはだんだんヤバい。あまりにヤバいことになってきた。 ひと月も経った頃には、海には片時も静かな時は訪れず。 海上自衛隊と中国軍の巡視船、戦闘機、のみならず政治団体の活動家が乗り込んだ漁船、なんでもござれ。雑誌「丸」の読者垂涎の軍事パレード状態となった。 これを見て石摩羅、「おれのたった一度の会見で、こんな大変な事態を作り上げたのだ」とみずからヒロイズムに悦に入っていた。 「この国は右も馬鹿、左も馬鹿、そもそも無関心のその他大勢はもっと馬鹿。このくらいの花火を打ち上げんと、効き目がないだろう。ガハッ」 民主党、もはやこの事態の収拾する手はなく、都が島を購買する前に「国有化」を発表した。日本と中国の船が島に吸い寄せられてきた。その様子が、衛星からリアルタイム映像として送られてくる。石摩羅はじっと見ていた。 無数の船が、海に白い尾をえがいてぐるぐると渦を巻いていた。 その光景を目にすると石摩羅はワクワクして、日頃の退屈な気分は自然どこかへといってしまった。 石摩羅はその後も尚、都知事として旺盛にアジテーションをおこなった。いくども都知事選があったが、そのたびに圧勝した。石摩羅の家は栄え、人としての力の有り様を天下に示した。 尖閣諸島問題の災いがいよいよ大きくなってくると、ころ合いを見計らって石摩羅はマスコミを利用して 「また喚かなくっちゃあな」 「tokyo・boy」というテレビ番組のホストを務め、政界・官界・財界問わずさまざま有名人を呼んで大いに国家の大計について語り合った。 「尖閣のことは起こるべくして起こったのです。尖閣に関しては私はかねてからこれらの島に関する領有権の問題を強く主張してきました。過去に魚釣島に灯台をたてようとしたら、日本の外務省から時期尚早との横槍が入り、話は立ち消えてしまった。外務省はどこの誰に気兼ねしてか、灯台を認めようとしなかった」 「その間、中国の潜水艦は沖縄の島島の間の海溝を無断で通過するという侵犯を敢えておこない。日本の出方を窺った。そのたびに日本は抗議するだけ。本来は警告の爆雷投下くらいはするべきだろうに」 「この尖閣問題はさらに今後過熱化され、日本、アメリカ、中国三者の関わりを占う鍵となるに違いない。要はアメリカは本気で日米安保を発動してまで日本に協力して尖閣を守りえるのか?守らないのか?まあ、守るまい」 マスコミにチヤホヤされてすっかり上機嫌になった石摩羅は、よせばいいのに島の国有化を祝う催しを開いた。雲霞の大群のごとく有象無象が集まった。 ベロベロに酔った石摩羅、こんなことをいった。 「ねえ、君。いまはね悪人の天下なのだよ。大臣も悪人なら巡査も悪人。国家の衰運を隠し通している官僚なんかは大悪党さ。 むろん都知事も悪人なんだから私なんか、この通りスバラシイ人気ですよ。 だから君も悪人になりなさい」 「とにかく悪人の天下になったら石摩羅の天下も同じことだね。まったく痛快だ」 アジアの岸辺で、嘴どもがピーチクパーチクと、、 「たしかにおれ達は皆一様ににぎやかしだ。いやだからこそ、一度でいいからやってみてーんだ。どうにかして、この島を掌中に収めてみたい、、かの地に立ってみたいものだと、心トキメかせて、いてもたってもいられない」 「日本人の野郎ども、また金でなんとかしようとしてやがる。駄目だな、下品な野郎どもだ!」 「おれらだって、島の近所じゃねーか」 「おう。台湾だなんて、見てみろ。島はつい目と鼻の先にあるっつーのに、なかなかちっとやそっとの容易なことでは島のお姿を拝めねえってのに」 「それができる男が一人いやがる」 「石摩羅のことか!」(といって嫉妬で声を震わす) 「おい見てみろ。どこぞの馬の骨かもわからんハリボテの船が闇夜に乗じて、あちらこちらから闖入しては一人心をときめかしてやがる。粋がりやがって」 「夜這いの決死隊だな、おい」 「けれども俺らが人のいないところを闇夜にうろうろとしても何の効果もない。せめてはマスコミの人たちに何ものかでもいってみようと拡声器で喚き散らしても連中、歯牙にもかけない」 「それでも懲りないのが俺らの取り柄よ」 (にぎやかしどもはそのあたりをさまよい、蠢いては、夜を明かし日を送る) 所詮は烏合の衆。大半はそのうち望めぬものならば無用にうろつき回るのもツマランと、思い返して来なくなった。 だが、これだけの騒動だ。ただそれだけで舞い上がってしまうお調子者はこのアジアにも当然いるわけで、そこからいきなり自分の天下を思い描く豪気な者も一人や二人ではあるまい。 そんな業深き奴が必ず浮かび上がってくるものだ。こういう連中が、どうして思いあきらめるどころか、やはり夜昼なく徘徊しているのであった。 「香港保釣行動委員会」の活動家である。 同業者からも「ああ、あれはしつこいよ」と鼻つまみにされている。すべて己の都合のいいように解釈するのだから呆れて屁がとまらない奴ら。 彼らは常々、世間から注目を浴びるような事件があれば、もうそれだけですかさず飛びつく人々だったので、尖閣諸島の話を聞いては行ってみたくて堪らず、飯を食うのも忘れて物思いにふけり、島の近場まで出掛けていってはうろつき回ったが一向に効目がなく、誰からも相手にされず、アジびらをばら撒いたり街頭演説したりとやってみたが芳しくなく、、 「オウ、オウ、オウ!このままじゃ俺たち、世間の笑い物だぜ。こちとら遊びでやってんじゃない。この稼業は舐められちゃ、おしめーよ。こうなりゃあ、あのジジイの処へ直談判しに行くしかねーな」 と奴さん、荒れ狂う海をかき分けて通いつづけて来た。そうして或る日、なんとか海上自衛隊の防御線をかいくぐって、日本への上陸に成功! 都庁へAPO無し突撃としゃれこんだ。 「石摩羅!出て来い!」 石摩羅「おいおい、ずいぶん馬鹿なのが騒いでいるな」 側近「社長(都知事)に会いたがってるみたいですよ」 石摩羅「おい、よせ、この野郎!、、はぁ~この国は平和だね」 で、石摩羅「さっさとつまみ出せ」 、、となる。 ところがである。活動家が石摩羅を呼び出しているうちに、報道陣が駆けつけてきた。 「男一匹、魂の叫びは天にも通じ、岩をも砕く!石摩羅ぁ~」 マスゴミたちのカメラのフラッシュが、雷鳴のごとくであった。こうなると、石摩羅の芸人魂に火がついた。 「おい、面白そうじゃねーか!いっちょ、一芝居ぶってやろうか」と都庁からお出ましになった。 「やい、石摩羅、、いや、石摩羅様。島をくれよ。な?この通りだよ」 「国有化しているから、あれはおれの自由にはならんからなぁ」 「く、、後生だよ。そんなこというなよ。な?そんなら漢の土下座を見ろ」と奴さん、カエルの死体のごとくコンクリートに張り付いた。 石摩羅は、ピカピカの革靴で、そいつの頭を踏みつけてグリグリした。 「がはは、愉快愉快」 活動家は国に帰っても、さんざんだった。 あんなことをやらかしたんだから仕方なし、だ。総スカンを食らい、完全孤立。 でも、でも、でも、だ。 こやつの胸には何かがつっかえているままだ。この気持ち、誰にもわかりゃしなねぇだろ、、 そう。 「どうしても諦めがつかない」というやつだ。 先の見えない日々。活動家は悶々としていた。 「はぁ~、この先、どうやって食っていけばいいんだ」 いっそ山本太郎みたいに、天皇陛下に手紙でも渡すかって、罰当たりなことを思いついたりもした。 マー無駄なあがきだ。 しかしあの島だって、ずっとこのままという訳にもいかない。また俺が輝ける日がやってくると、思い返して、当てにした。 石摩羅「あの島は、石摩羅が手塩にかけてきた島です。まあ日米関係が続く限り、あの島は安全ですので(笑)、この石摩羅めがどうこう口を出せるものではございませんが、しかし石摩羅があの島のことで功績をたてようと心血を注いできた想いをどうかお汲み取りくださいまして、石摩羅の申し上げることを一つ、どうかお聞き取り願いませんでしょうか?」 お上「今回の件(国有化の件)は、お前の功績ではなく、すべて行政が行ったことだろうが。あの島が安全云々というのは今の今までつい知りもしませず、わたしはてっきり、あの島をダシに、あんたが騒いでいるだけだと思っていたが」 石摩羅「そりゃ、わたしはエエカッコシイというので食ってますからナ」 お上「ぐ、、」 石摩羅「わたしももう齢が八十の上となりました。実をいえば、もうじき死にます。そこでこれだけは言っておきますがな、この世で大事なのは情や慈悲ではなく、WILLであり、POWERなのです。弱肉強食が掟なのであります。またそうしてこそ国体が栄えるというものなのです。たといあの島といえども、やはりどうしてもその同じ道を踏まねばならぬのであります。」 こうなると、いつもの石摩羅節は冴えわたっていく一方であった。 そんなことよりも、お上は石摩羅の「そりゃ、わたしはエエカッコシイというので食ってますからナ」という人をコケにしたフレーズが心に刺さり、いちじるしくプライドを傷つけていた。 お上「無礼だぞ。石摩羅!慎め!」 石摩羅「いやいや。もとは陛下のお持物であろうとも、兎にも角にも、あの島は絶海の孤島。今はわたしが生きております限りは、このままでもよろしかろう。がわたしが死んだら、どうなさる?誰があの島を守れるのです?誰もおりますまい」 石摩羅「ところで橋之下は、あの通り長い間、国に尽くしており、志も深く、島の問題についてもわたしと一味同心です。あなたも早くお心をお決めになって、石摩羅の後継者としてお定めになってはいかがですか」 お上(内心)「おい驚いたな、とんでもないことをいいやがった」 お上「いいえ、わたしは器ではなく、あんたですら持ちかねている状況なのに、橋之下なんぞ、、うっかりあの男の本性も知らずに、あんたと代わった後(橋之下もあんたと同じ不届き者で)その本性を剥き出しに暴走してきた時に、ただもう後悔するばかりだろう。どんなに人気があろうとも、あの男が馬鹿じゃないことが確かめられない限り、そんな話はのめん」 石摩羅「よくぞ仰いました」といって感心した。 石摩羅「そこで、いったいあなたは、どのような志をもった人間を、わたしの後継者にお定めになろうとお考えでしょうか?大体、橋之下にしてもそれはそれは志の深い男ですが」 お上「ふむ。別にたいして特別なことはいわんが、、橋之下にしても、志をたてているのは認めるが、まだ道半ば。彼がそれを全うするかどうか、わたしが一番見てみたいのはそこだ。もしそれを見届けることができたならば、彼を君の後釜にすえようではないか」 石摩羅「それはよいお考えです」 大阪という土地はオモロイ所である。べつに、コメディアン兼痴漢の横山ノックが知事だったことを茶化したいわけではない。 只只、とにかくオモロイことになってしまう、ということだ。そんな大阪の知事となり、市長となって、天下へ飛び出してきたのが、TVタレントの橋之下である。 なにがオモロイのかオモロクないのかっていうと、橋之下は全然オモロイ人ではなく、ルール、法律遵守の糞馬鹿真面目な弁護士だっちゅーことだ。それが「日本一、オモロイ男」という事になっているのだから、とにかく、世の中の人気というものは、だらしのない薄っぺらなもんだ。 石摩羅のもとに、橋之下が現れた。 賑やかしに、吉本興業のオモナイ芸人たちを引連れてきた。 それらの人々は、世界のナベアツだとかいってフザケていたり、ある者は藤井隆とかいって「股間の一部がホット!ホット!」と叫び、またある者は原西とかいうビンボー臭い奴で、そういう風に、もう全然面白くなく、どん滑りで、、 「そろそろ島の話をしようよぜ!」という、ツッコミ待ちの状態になった。 石摩羅「つまみだせ」 石摩羅「橋之下さん、よくぞお出で下さった。わたしの命ももう今日明日とも知れないので、君をわたしの後継者にとお上に申したところ、橋之下さんの志をやり遂げるのを見らねば、と申された。あなたの辣腕さえあれば、1年もあれば今の大阪の問題は粗方片付いて、大阪都構想も実現しよう。さっさと志をやり遂げて、わたしの後継者になってほしい。そしたら、あの島も正式に大阪に編入してもかわまんから。約束しよう」 橋之下「それは良い」 石摩羅は中に入って、お上にその旨を伝えた。 あやうく忘れるところであったが、是非とも書いておこうと思う。 威張りん坊の都知事の影に、もう一人の小さな威張りん坊が、いる! その名を犬瀬といった。 普段、石摩羅と一緒にいるときは、寡黙で、ペコペコしているこの男は、石摩羅がいなくなった途端、尊大極まりない態度に豹変するのであった。 都庁職員にたいして、モラハラ、パワハラ、やりたい放題。 そんなんだから、蔭では「チンパンジー」とか「毒入り小太閤」とか、そんな渾名が付いていたのである。 ある日のことである。 石摩羅「おい、犬瀬。そういえば、お前、ここに何しに来てるんだ?」 犬瀬「、、都知事になりたいです」 石摩羅、これにはびっくり。 犬瀬が退室した後、「おい、聞いたか?"都知事になりたい"だとよ。あれはボウヤだよ。ガハハ」 そんな犬瀬、かねてより石摩羅お気に入りの橋之下が、気に食わないのであった。 記者から橋之下について聞かれて、こういった。 犬瀬「橋之下?あれは何か実績を作りましたかね?何にもしてないんじゃないの?人気だけじゃ、政治はできませんからね~」と、ジェラシー剥き出し発言を連発していた。 石摩羅「犬瀬、聞いたぞお前。橋之下のこと、嫌ってるんだってな?」 犬瀬「、、」 石摩羅「妬んでるんだろ?なあ?自分より人気者だからって、君。妬みは醜いよ」 犬瀬、唇をブルブルさせながら「、、あんな奴には、負けません!」と啖呵を切った。 石摩羅ニヤリとした。「よくぞ言った!その気骨がどれほどのものか、俺に見せてみろ!今度、橋之下が都庁に来るから、おまえ、橋之下をシカトしろ!」 あくる日、橋之下が石摩羅と面談しに、都庁へやってきた。(前話参照) その帰りに、事件がおこった。 橋之下「ああ、犬瀬さん、お久しぶりです」 犬瀬は返事をしなかった。 橋之下「、、?犬瀬さん、どうかされましたか?」 犬瀬はシカトを続けるのみであった。 橋之下「おい、なんだお前。感じ悪いぞ。いやしくも俺は府知事。あんたよりも役職は上だぞ、、顔じゃないぞ、お前」 犬瀬「プイッ」と、顔をよそにむけたままであった。 「チンパンジーのくせに、、お前にそんな態度をとられたら、ワイ、、!」 橋之下のスイッチが入ってしまった。 犬瀬の髪をグイっと鷲掴みにして、引っ張ると、都庁の廊下の壁にドンッドンッと烈しく叩きつけた。 犬瀬「おいっ、やめ」 橋之下、頭に血がのぼって訳がわからなくなっている。 犬瀬の頭をズズズッ、、と数十メートル、壁に擦りつけながら進み、犬瀬がよろけて倒れそうになったところ、頭に狙いを定めてサッカーボールキックした。 犬瀬、失神。 橋之下が完全勝利した。 陰で見ていた石摩羅「ああ、やっぱり犬瀬は駄目か。そのうちに潰すか」とつぶやいた。


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太陽の季節 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 16
P V 数 : 913.6
お気に入り数: 1
投票数   : 2
ポイント数 : 0

作成日時 2024-11-20
コメント日時 2024-11-30
#現代詩
項目全期間(2024/12/04現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
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叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:913.6
2024/12/04 02時35分03秒現在
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    作品に書かれた推薦文

太陽の季節 コメントセクション

コメント数(16)
三明十種
作品へ
(2024-11-20)

これがオマリズムなのね!(いい意味で)コンビニ本読み物ですねー(いい意味で)途中で何を読ませられてるのだろう?とまんまと罠に引っかかってしまいやした(いい意味で)いやいや好きなものを好きな時に書いて放出(いい意味で)石摩羅さんはきっと黒光りするズルムケだろうけど、その息子の石摩羅ノビテル氏はノビノビの皮かむりなんだろなーと考えたり考えなかったり

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おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2024-11-20)

三明十種さん、ありがとうございます。 「オマリズム」いいですね。 >コンビニ本読み物ですねー だってBレビューのBは「B級」のBでしょ。みなさん何か勘違いされてますよ。BBA臭いポエムは他所でやってくれってね。 ノビテル氏、どうかな~、もう需要なさそうだけど... もし次回作があるなら、石丸とホリエモンは実は昭和天皇の御落胤で、、っていうストーリーで行きますね。

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紅井ケイ
紅井ケイ
作品へ
(2024-11-21)

大作ですね! これ、全部書くのにどれくらいかかったんですか? 「石摩羅珍太郎」には笑いました。 後半は、まるで落語みたいですね。

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おまるたろう
おまるたろう
紅井ケイさんへ
(2024-11-21)

紅井ケイさん、ありがとうございます。 大作といっても、文字だけで描いたポンチ絵のような作品なんで、笑 案外、ツルンっと出来上がった記憶です。1週間もかかっておりません。 落語の影響は明白に受けております。太宰の「お伽草子」なども、ずいぶん参考にしました。

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佐々木春
佐々木春
作品へ
(2024-11-21)

おまるたろうさんの作品は筆力の裏にどういう真意があるのかなといつも不思議と探ってしまうものが多いです。もしかしたら特に真意みたいなとのはないのかもしれませんが…

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おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2024-11-21)

佐々木春さん、ありがとうございます。 それはもう、楽しんでもらえれば、一番喜んじゃいます。直木賞志望です(→直木賞舐めるな) ただ、詩もどこかで忘れないでいたいとは思ってます。

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おまるたろう
おまるたろう
佐々木春さんへ
(2024-11-21)

(追記) 政治的意図みたいなものは本当に何もないです。混乱させてしまっていたら申し訳ない...

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佐々木春
佐々木春
おまるたろうさんへ
(2024-11-21)

いえいえ、政治的意図がないのがわかっているし、なんていうんでしょう、おまるたろうさんに筆力がありすぎるために(隙がなくて)逆に楽しめないというか笑 わたしのコメントこそわかりにくくてすみません...

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おまるたろう
おまるたろう
佐々木春さんへ
(2024-11-21)

わたしはネット詩界の「超兄貴」ですからね... マニア向け仕様です...

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万太郎
万太郎
作品へ
(2024-11-22)

プリントして読みました。新しい風みたいのが入りそうな気予感がしました。 いしいひさいちみたいな感じもしましたね。脱力気味の風刺作品。この古さを今の時代にやるのがいいと思う。良い詩いい作品その基準は難しいけれど、単純によく出来た作品に惹かれない読み手として、面白い。

0
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2024-11-26)

万ちゃん、ありがとうございます。 printしてくれたのですね。 気合入れて書いた甲斐がありました。今回は趣味爆発というか、ふだん誰も読んでないような古い本ばかりを読んでるので、そこらへんの素がよく出たと思います。周回遅れなんだけど、横から見るとトップに立っている、先頭を走っているみたいな、そんなところを目指したいです。

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おまるたろう
おまるたろう
万太郎さんへ
(2024-11-26)

(万さん)

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AssA
AssA
作品へ
(2024-11-26)

とてつもなく現代的な課題や問題であり、それを扱った作品とお見受けしました。内容的にも学ぶべき部分がありましたので是非次回作で学ばさせてください。

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おまるたろう
おまるたろう
AssAさんへ
(2024-11-27)

AssAさん、ありがとうございます。 >とてつもなく現代的な課題や問題であり、それを扱った作品 わたし個人はこのことを作品の「強度」と呼んでいるのですけど、強度の高い作品はあまり人に好まれないいみたいです。その点、AssAさんはちゃんと作品のコアの部分が読めているようで、じつに頼もしいです。

1
エイクピア
作品へ
(2024-11-30)

矢張り石原ではなくて石摩羅や橋ノ本など実在の人物に対する批評意識、改変意識が詩だと思いました。釣魚島など実際にあった事件を軸に展開される内容も、パロディーと言うよりはむしろ批評意識、詩意識によるものだと思いました。

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おまるたろう
おまるたろう
エイクピアさんへ
(2024-11-30)

エイクピアさん、ありがとうございます。 作品の詩意識の発露を読み取っていただき、ほっとしております。これを楽しめる層、キャパの広い層にまでリーチできるのが、Bレビューのコア・バリューなんだろうとも。ボードレールや齋藤茂吉や吉本隆明の名をあげるまでもなく、本来詩人というのはそれはそれは口汚い批評家でもあるわけで、それを「口汚い」という一側面だけを見て排除するのは、無教養というものなんですよね。無教養でアホなネット詩人(という名の暇人)がなにを勘違いしてか、ネット詩掲示板を立ち上げたりもするらしいです、くわばらくわばら。

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