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LIBERTANGO IN GAZA
一筋にながれていく背中の うすく消えかかる8月の面影よ 活気に漲る昼間とはうってかわり この街の宵通りは静かに過ぎている それでも暗い街灯に照らされた看板の 店の扉を少し開けばタンゴは流れてくる 午前1時ブエノスアイレス Uno, dos, tres, Cuatso, , 舞台の上で激しく脚を組み換える二人 ダニエルが握りしめた両手を解放させた 身振り手振りで言いあいながらサーラ 何かを訴えるようにサーラは繰り返しに文句をつけていた さあ!もう一度はじめからだ。 ダニエルがそう言うとバンドネオンがはしりだす 息を止めて抱き合う二人 サーラの腰が動くたびに長い黒髪が弾けていく 脚がOcho(8)を描いては蹴り上げた しばらくして二人の若いカップルが店に入って来た (演奏はまだですか?) わたしは尋ねてみた ( este.es.un.ensayo,,) ああそうか、練習中なんだ。 次第に息は熱い炎に燃え上がり抱擁しあう二人 演奏が中断して何かを囁きながら口吻を交わしていた。 この夜も二つの爆音が響き渡り 瓦礫にうずくまるターラは大きなナツメヤシの木 蝋燭のもとでサーラは喘いでいた ああ、ああダニエル、もっと、もっと激しく抱いて、 薄い毛布の陰で二人は剥き出しの媚肉を舐めあっている 産まれたままの姿で カデーツが乳液状に堕ちる度 GAZAの時間を止めた ダニエルの勃起したペニスが容赦なくサーラを貫いていく ( ねえ、わたしたち明日は生きていないのよ、きっと ) サーラがそう呟く度にダニエルの腰が上下に突き上げる 8の字に揺れるサーラの腰が 破壊された上階の戸口 焦げ付いた夜風のうめき声は遠い銃声か 餌を探し求めて歩く野犬だろう 潰したオリーブの実を神に捧げる二人 午後7時半GAZAの虚しい夜
LIBERTANGO IN GAZA ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 742.4
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-20
コメント日時 2024-11-23
項目 | 全期間(2025/04/12現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
此の度は、歌誌「帆」自由詩掲載欄へとご投稿を賜りまして、允に有り難うございます。 未だ、ご応募受付開始よりは間がございます。 暫し、(凡そ、冬季=年始頃に始動との計らいでございますから、その時分迄。) お待ち下さりますと嬉しく存じ上げます。 御作を、拝読させて頂きました。 先ず、題材、技巧から構図、対比の妙等、秀逸な箇所を挙げれば枚挙に暇がございませんが、 余りに上手く起草なされていらっしゃるが為に、破綻や驚愕の付入る隙間がございませんこと、問題はそこのみでございましょう。 現実の断層、と申しますか、矢張――之は評者自身の創作癖にも降りかかって来ます問題なのではございますが―― 意外性が何処かに配置をなされておりませんと、修辞主義の作品は「綺麗に纏まっている」と謂う印象より先へは到達を出来ないのではないか、 と考えて仕舞います。 自身にも叱咤を加える心算にて、申し上げております。 感覚的な、極めて素人読者的な文言を以て喩えますならば、「上手い画」ではなく「凄まじい画」を目的としなければ、 凡百の秀才に埋もれて仕舞う事でございましょう。 何か――自身も含めまして――迫真、の一行、一言、一句が必要なのかも、知れません。 かなり、辛辣な批評となって仕舞いまして、允に申し訳ございません。 しかし、評者自身の作品の弱点、悩みの問題意識も重なりまして見えましたものですから。何卒ご海容を下さいませ。 それでは、復のご挑戦をお待ち申し上げております。 此の度は、ご応募ご投稿を賜り、允に有り難うございました。
1鷹枕可さん、お読みくださりコメント感謝いたします。 そうですね。これは二つの物語を同時進行的に(といっても時間があっているのかは不明です)或いは時間をずらして一気に書き上げました。なので構成的にもまた表現としても工夫が足りないのは本人も自覚しております。忌憚のない意見をいただき真に嬉しく思います。綺麗にまとまっている。「上手い画」ではなく「凄まじい画」を、とのご指摘ですが、常日頃わたしもそのような発言を他者に求めているので、これはまったく耳殻の痛いご指摘です。はじめは無味乾燥なエロスを目的に、という発想もあり、しかし書いていくうちにあまりも長くなってしまいそうなので省略の方向にいかせてしまったようです。そうですね。振り返りご指摘を受けて中間部の場面の移りにはもう一工夫ほしかったかなと思っております。過去形でも現在形未来形でもいい。ハッとさせる空気感もほしかったかな、と。 まあ、何はともあれ、時間が足らなかった。結局読み手にとってそれがおもしろいかそうでないか、までは考えが至らなかった。意識不足、これも推敲の不足ですね。短くも凡庸な物語を読ませてしまって申し訳ない気持ちですね。やはり読者はそういうものを求めているのだ、と納得いたした次第であります。
1面白く読ませていただきました。文のリズムが情熱的で読み応えがありました。バタイユ的な官能と戦争の惨劇という鮮烈な二面性が大胆に表現されていて、鋭い緊張感と叙情が詩全体に流れています。作中に頻出する詩的なモチーフとしての「8」が無限や循環を、即ち終わらない愛と破壊の連鎖を暗示しているのかもしれない、と一つの可能性を感受した次第でございます。余りにもショッキングな表現の強調は、却って詩全体のテーマ性を削ぐ可能性もございますが、寧ろ情熱的で力強く、人間の抱える業の生々しさを直接的に表現できるという強みにもなりえましょう。諸刃の剣ではありますが、私は好意的に受け取りました。しかしながら、 >潰したオリーブの実を神に捧げる二人 なぜ、平和の象徴とも言えるオリーブの実を潰してしまったのでしょうか。これでは余りにもアイロニカルな表現であり、これまでの熱気溢れていた逞しく生き抜いていきそうな二人に相応しくないモチーフなのではないかと、ややもすると自己憐憫的な無力感を読み手に印象付ける可能性があります。この二人は希望を求めているように私は感じましたので、潰したオリーブの実に違和感を持ってしまいました。とは言え、私は当事者では全然ありませんから、全部綺麗事、と言えばそれまでかもしれないと認めつつも、僭越ながら愚直に意見を述べさせていただきました。
1官能を表現した詩として、音楽的リズムが心地よく、よく出来ている。 情熱的な愛。下品にならずに気高く、男は狼としてダンディズムを見せ、女はレディー。 粋でいなせな映画のワンシーンのような描写。ブエノスアイレス、タンゴ。言葉を視覚的にずらしてビジュアルを表現する文体も的確かつ魅力的だ。格好良く読んでみたいね。
1見渡せば他人の基盤はある程度読めてもいざ自分が動くとなればちっとも先が読めない。これは弱い凡庸な棋士の証拠ですね。類さん、好意的に受け取っていただき嬉しく思います。実は鷹枕可さんにこっぴどくやっつけられたのがちょっとショックで自信を失っていたところです。これまで二十数年間も投稿してきて、もう数え切れないほどのコメントも書いてきた。批判的な感想を述べては反撥もされ、また好印象のコメントを挙げて感謝もされてきましたが、一体凡庸なわたしが何をしてきたのだろうかと。まあ、才能があればとっくに世に知られていたことでしょうから、才能が無いのは自覚していました。性格もそれほどワガママではないし、かといって冷静な判断力にも欠けて思慮深くもない。できるかも知れない、と思えるのは好きな映画の批評を書くことくらいで、あああ、やっぱりもっと早くに日常から詩なんか切り離せばもう少しは気楽な人生で過ごせたのになあ。という悲愴感に堕ち込もうとしていましたよ。笑。いえ、半分は真実です。 そうですね。GAZAという文言を据えたからにはあまりも突飛な表現は避けたいな。という意識はありました。この考えは妥当だと思う。それからご指摘の~潰したオリーブの実を~指摘していただき、見直せば、あっ!でした。 確かに。潰れたオリーブの実を~受身にすればよかったと…蓋し完敗で、わたしの推敲不足ですね。 様々な読み方があるのだ。と改めて認識し「力」いただきました。コメントありがとうございます。
0たぶん類さんにも当て嵌まるのだと思いますが、さすが万太郎さん、調べられたのか、元々詳しいのか、音楽や演芸にかけてはオメガ嵩井。笑。すいましぇん。先の類さんは8を永遠の~とコメントされていましたが、万太郎さんはご存じでしょう。タンゴでは8の字を描くようにステップを繰り返すのが基本ですね(もちろん僕は踊れない。でもピアソラはだいたいだ~い好きな音楽家の一人です) 魅惑的で妖艶でもある踊り。タンゴ。流れるように音とセックスを絡めて表現してみたかったので、好意的に受けとめていただき感謝です。コメントありがとうございます。
0タンゴといえば、アル・パチーノ主演の映画『セント・オブ・ウーマン』のタンゴシーンが思い浮かびます。タンゴの生演奏が流れるレストランで盲目の退役軍人(アル・パチーノ)が美女とダンスするシーンですが、あの時の、恍惚の表情を浮かべながら一点を見つめていたアル・パチーノの脳裏にもGAZAが映っていたのでしょうか。 オリーブの実は何を意味しているかと考えました。日本人にはあまり馴染みのない食材オリーブ、想像てきるところで輪切りのブラックオリーブなんて絵が頭にふと浮かびましたが、体に銃弾が貫通したことを仄めかしているようにも読めます。とすると、サーラは死後勃起した亡きダニエルとセックスしていたのかもしれませんね
0「セント、オブ、ウーマン」聞いたことあるし、アル.パチーノ主演ならばたぶん観てるだろうな。盲目というのが、ちょっと引っかかって思いつかない。おもしろそうですね。後で見直してみます。 ぺえ太さん想像力も豊かですね。オリーブとい木の実は中東から欧州では欠かせない食物で主に油脂から食用にもなる。日本で喩えたらなんでしょう。大豆かな?まさかドングリ? 古い文献からも記述されているので聖なるイメージがありますよね。 ぺえ太さんの発想には脱腸じゃない、脱帽ですね。二つの間に、そのような、亡霊を意識したような解読の差延とか時間差とかで空気感を埋めればよかったな。と改めて振り返る自作をがっかりします。想像力豊かなコメントを頂戴しまして、ありがとうございます。
0視点の移動に物足りなさを感じました。作品のまんなかあたりに、背中で汗が跳ね回っているくらいの視点があればいいのになーとなんとなくそんなことを思いました。なんとなくの感想です。
1やはりここは「潰した」ではなく「潰れた」とする方が適切な表現でしょうね。私もコメントを寄せた後から、もしかしたら「潰した」は「潰れた」の書き間違いだったのではないかと思っていました。「潰れた」とするならば、過酷な運命を痛感しながらも、希望を信じていこうとする二人の姿が見えてきます。 あと、凡庸だの才能だのと、そんなことは世間には何の関係もありません。大切なことは世間の中に自分を投げ込むこと、自分の存在のすべてを賭けて、世間に問いかけ続ける「姿勢」の方が才能よりも遥かに重要なことだと私は信じております。勿論、言うまでもなく自分のすべてを賭けても失敗することなど日常茶飯事です。まぁ、要は「運」だということです。 従って、何年も何十年も書いてきたとか、または年齢なども世間には何の関係もありません。世間とは予測不可能なほどに理不尽なものです。ゆえに、何年も書いてきたからだめだとか、何歳だからだめだ、という固定観念さえも通用しないのです。逆説的に言えば、80代であろうと90代でろうと、誰にでもチャンスは転がっているわけです。自分のすべてを賭け続けるその「姿勢」さえ維持すれば、いつの日か幸運の女神様がそのお顔を向けてくださるとも、私は信じております。ともに頑張りましょう。
0よんじゅうさん、感想コメントありがとうございます。そうなんですよ。本来ならば半日くらい空けてもう一度読み直してみればアイデアも浮かんでくるでしょう。アルゼンチンの酒場からGAZAへ。この二つの地点をほぼ同時刻にするか、時間をずらすのか、筆者自身が曖昧なまま書き終える。という行為をしてしまった。てことでしょうね。物語で詩を綴る場合には考慮したいと思いました。
0類さん、類さんて呼べばあの人よく衛星放送で見かけるタレントの吉田類。大きな岩窟顔をした酒飲み男で、けっこう女も好きそうでしかもモテる。いやらしいタイプに見えるのだけれど、こちらの類さんは同じく紳士でもきっとスマートな美形でしょうね。まあ関係ない話しですが、笑、僕も言われて気づいたので同意します。ほぼ書き間違いです。 いやあ、そうですね。あたまが痛い。経験とか歳とか、関係ない。おっしゃることはよくわかっていますが、ついつい下卑ては過剰に謙遜してその実言い返す口実を自分に与えようとしている、つまり上手い具合に逃げる癖が就いていて。コメント書いていて読み返してみれば、あら~あの人。室町某氏と同じようなことを言って書いてるな。と。確かな裏覚えにショックを隠せませんでした。いけませんね。こんな逃げ口実を書いてちゃ。他の、といっても老舗の現フォですが、戒めとして反省文のように投稿してみましたよ。笑。いちいち歳だの経験だのと(むろん大切なことではある)こんなことを繰り返して述べているから鷹枕可さんに 指摘されたようなクリアーな発想も浮かんでこないのだな。と改めて初心に帰り見直す決意を致しました。再度ありがとうございます。
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