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「Sternsingen(星哥い)」
すみれの花の砂糖づけ われたガラスの飾りつけ つぎ足されたひかりの ひかりの やさしくかみ、砕くやう デポジットしたカップの カップの 掌にのった5セント かみ、砕かれたひかりの ひかりの ストールのような甘味 透き通る風の黄ばみ 爛れた裏切りの序章 よごれ よごれのような初潮 「クリスマス・ツリーが燃えました」 かすかな電話口の焦り 焦りのようなうねり うねりのような裸体 裸体のような星歌い
「Sternsingen(星哥い)」 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1014.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-12-19
コメント日時 2017-12-21
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
シュテルンズィンゲン、という響き・・・オーストリアのお祭りでしょうか。 子供の澄んだソプラノが、星の輝く闇に吸い込まれていく・・・イメージで読み始め、〈爛れた裏切りの序章〉からの転調に首を傾げ・・・幼年期から思春期への変容を、クリスマスの受け止め方の変容に重ねて描こうとしているのかな・・・と思いました。 〈デポジットしたカップ〉、そして5セント。海外での体験なのか、と思いつつ・・・題名と一連目のリズムから、子供たちの唄を連想していたので、二連目でそのリズムに同化して、自らも気持ちが湧き立って行くような様を連想したのですが・・・そう読んでいくと、やはり、中盤の転調が急すぎるような気がしました。 〈ストールのような甘味 透き通る風の黄ばみ〉物質(触感)を味覚で捉えたり、風が黄ばむ、というような色彩(と、それに伴うイメージ)で形のないものを捉えたりする感覚が、とてもいいと思いました。
0投稿有難う御座います。 言葉のディレイ感がたまらなく心地良い作品ですね。 短文コメントですみません。一旦上にあげさせていただきます。
0感覚だけで言ってしまうのですが、最低限の形を保ちながらギリギリつながってる感じがします。何が? どのように? と言い始めると、止まらないし、結果的に僕には出来なかったのですが、上手く言えないのですが、形がありますよね。本来だったら繋がらなさそうな物がここでは繋がっているというのか。このギリギリ感を上手く、意味に託せないですね。何も言ってないのと同義で申し訳ないのですが、心に残りました。
0みなさん、コメントありがとうございます。後ほど返信いたします。 ここで一度内容面について、ドイツ語圏のクリスマスの風習がわからないと解釈しようがないと思われるので、補足のコメントを致します。 補足 ・Sternsingen(星歌い) ドイツ語圏のクリスマスでは、三聖人に扮した子どものグループが、家々を巡り寄付を集めます。先頭をゆく子は星の杖を掲げ、清き歌を歌います。 ・すみれの花の砂糖づけ(Kandierte Veilchen) オーストリア・ハプスブルク最後の皇妃ーシシィことエリザーベトが愛したDEMELの銘菓。本物の花弁を使います。金平糖に似た食感ですが、紅茶に入れてもオツです。彼女の生涯はこの詩に奥行きをもたせてくれます。ウィーンを忌避した彼女にとってDEMELは、ホリー・ゴライトリーにとってのTIFFANYのようなものだったのではないだろうか。一体どんな想いに耽りながら噛み、そして、紅茶の底で露わになった小さなすみれを見たのでしょう。ムンクの『思春期』とすみれの花の砂糖づけ、がこの作品のテーマに大きな影響を持っています。 ・クリスマス・ツリー 街中で売り出されたモミの木を背負って家まで運び、ガラスの装飾をつけ、当日にはロウソクで照らします。乾燥して死んでしまう木以外は一家代々の品を使うとか。ガラスの玉は、ゴロゴロ箱から出すと必ず1つは割れることから、毎年新しく買い足すようです。そして電飾は使わないため、聖夜には火事が絶えません。 ・クリスマス・マーケット 熱々のソーセージや、音楽、光、雪そしてホットワイン(グリューワイン)を愉しみます。カップはデポジット制なので返却すると硬貨が貰えますが、そのまま持ち帰り、お土産にする観光客や、コレクションする市民も多いのだとか。
0ポエム系な、それっぽい薫りのある語を繋げただけ系かなと思いつつも、「デポジット」なるこれまた絶妙な立ち位置の単語が出てきたのには良い意味で少し面食らった。
0はじめまして。 この作品が入っている詩集を買いたいと思いました。 評ができるほど詩を知らない人間ですので、以下は素人の野暮な感想です。 「すみれの〜」は、江國香織かデメルかなと思いながら読んだのですが、デメルの方でしたか。 「かみ、砕く」は「噛み砕く」「噛み、砕く」「神、砕く」「紙、砕く」などと連想しながら読みました。 前半、白味がかったすみれ色から始まり、白を基調とした中にひかりがある。「紙」という連想が余韻になって、間接照明のような和らげられた光を思い描きました。同じ理由で、ティッシュも甘いもんなぁ、とストールの比喩には納得感が笑 そして、それが不穏な赤に転調していく。初潮と炎。その中の裸体。 イメージの提出とそのつなげ方が、少女文化的な文法だと勝手に感じていて、何人かの漫画家や小説家を頭に思い浮かべながら読みました。 それはドイツ語圏の文化を知らない私の無知からきている可能性がありそうですが。 あわいの繊細さと、その感覚自体を守りたいという切実な美学で書かれているのではないかと思います。あまり書きすぎたくない方なのではとも。とても好きです。
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