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雲
ひとりぼっちで街を歩いてみました 雲ひとつない青空でした 中学を卒業したのは去年のことでした わたしは未だにあの日を忘れられません 変わることは別に嫌いじゃありません だけど決めつけられることは嫌いです 三年間付き合ってきた恋人と別れました 放心状態のわたしは夜の静寂に押しつぶされそうになりました 泣きたいけど 泣けるだけの涙はありませんでした 「ニセモノの涙は人を殺してしまうのだ」 誰かがそう言っていました あの日 わたしは信じませんでした あれだけ晴れ渡っていた空が急に真っ暗になってきました 大粒の雨がわたしを包みました 手元に傘はありませんでした 幸い すぐに雨は止んでくれました いつの間にかわたしは街の外れに来ていました 純色の群青と 生クリームのような白の コントラスト 明日も生きよう 勇気が滾ってきました 顔じゅうの涙を拭いました 今度は 本当の涙が流れてきました 拭いても拭いても拭いても 止まりません 風に揺れるスカーフが わたしを青春の人と言っています わたしは紛れもなく青春の人です 涙を怖がらなくていい いっぱい 泣いていい 教えてくれたのは「雲」でした
雲 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 984.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-03-04
コメント日時 2017-03-06
項目 | 全期間(2024/12/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
私は、詩を作者に関する情報抜きで読んでもらいたいと思っています。年齢、性別、病気や障害の有無等々。ここで「もとこ」という名前を使っているのも、そのためです。ただ、この詩に関してはストレートに語り手の年齢が分かってしまうので、ありのままに読むのが作法なのでしょう。 いやいやいや、中1から付き合ってたってか! しかも、そのまま3年間!! 私なんて、中学校時代の恋は告白されて付き合ってはすぐに終了、告白されて付き合ってはすぐに終了の繰り返しだったのに。いや、私のことはどうでもいい。ともかく中学生にして「ニセモノの涙は人を殺してしまうのだ」という言葉に出会うとは。涙と雨に比喩は真新しいものではありませんが、ここまで真っ直ぐ突きつけられると言葉を失います。 「わたしは紛れもなく青春の人です」 何と誇らしい宣言でしょうか。青春の真っ只中にあって、青春を自覚し実感できる人は稀であります。この時点で、語り手の勝利は保証されたのであります。飛びだせ青春!(ああ、やはり歳がw
0YUU_PSYCHEDELICさんの初投稿作品『雲』は、中学時代に失恋を経験したことがある方なら、たまらない作品である。 もとこさんも自身の過去に触れられていらっしゃるけれども、私は、中学時代に恋愛などしたこともなかった硬派である。 (硬派:死語)。本作『雲』を読み進めると「そうだ、そうだ、その通りだ」と頷きながら、心がパッとなる。 最終連で泣けない仄暗い系男子が、もしいたら、お前、詩書きなどお辞めなさい。以上。
0もとこ様 コメントありがとうございます。最後の二連は、わたしでも何故書けたのかわからないくらい、パッと湧き出てきたモノだったりします。今の高校生が現実逃避したような、非・現実と現実を行き来するような作品として書かせていただきました。わたしと同じ男の子を主人公として書くと生々しくなってしまうので、あえて女の子を主人公に置いています。「青春」という言葉は単純なようで、隙間なく張り詰める糸のように難しい。書いていて、こんなことを思っていました。ちゃんとした真っ直ぐな「青春」を描けるのは高校生まで。それ以降は、ちょっと醒めた感じになりそうな気がするから。書けるうちに、とことん追求していきたいと思います。
0三浦果実様 コメントありがとうございます。恋愛を体験したことがある方も、そうじゃない方も、青春を通り過ぎた誰もが何かを感じられる作品として書かせていただきました。時が経つことによって、何かが見えることだってある。その時は甘酸っぱいだけだったり、辛いだけのものだったりするかもしれないけど、今だからこそ見えるものを「雨」という自然現象を使って描きました。その積み重ねが最終連に繋がってくるんじゃないかなぁ...とわたしは感じています。
0花緒様 コメントありがとうございます。わたしは、この作品の中でちょっとした背伸びをしているのかもしれません。この作品は下敷きにするものが何もなかった作品でもあります。ただ、無意識に意識していたものは60年代のGSや、70年代のフォークソングだった。自分が書いた詩を読み返してみると、そう感じてしまいます。創作の中なら何歳にでもなれるし、どんなシチュエーションだって作り出せる。ノンフィクションとフィクションを行ったり来たりしている中で、見えてきた「真実」を精一杯描いてみる。それがわたしの作品における背伸びです。この作品ではテーマに「青春」を置きましたが、もし別のテーマを書くとしたら、創作していく上で、もっと様々な可能性があるんだろうなぁ...と思いました。
0桐ヶ谷忍様 コメントありがとうございます。私自身、改めて「青春」という言葉の意味を考えながら書かせていただきました。本当に嬉しい言葉ばかりで、次の作品を書く意欲が湧き上がってきます。他の方への返信でも書きましたが、ちゃんとした「青春」は高校生の今しか書けないものだと思うので、書けるうちにとことん突き詰めて行きたいと思っています。
0凄く清々しい詩ですね。言いたい事をしっかり堂々と言っている感じがします。 自分の青春を振り返って、それが青春だったんだという気づきという発見。それを教えてくれた天気、雲に感謝している。という人生の歓びの詩で、なんとなくあんまり口を挟みたくないなぁ。僕にとっては凄く眩しい詩でした。
0hyakkinn様 コメントありがとうございます。以前は自分の思いを真っ直ぐに表現することに恥じらいを感じていたのですが、この作品を書き進めているうちに、目の前が思いっきり開けたような気がしてきました。この作品は、わたしの創作における一つのターニングポイントになるかもしれません。そんな作品を、一作品目として投稿できたことを非常に喜ばしく思っています。とはいえ、わたしの青春もまだ始まったばかりです。これからの甘酸っぱい経験とか、嬉しかったこととか、もっとたくさん形にしていきたいですね。
0YUU_PSYCHEDELICさん、こんにちは。 青くて深い海に向かって思いっきり石を放るような詩ですね。投げるフォームが美しいと思います。 純色の群青と 生クリームのような白の コントラスト ここ、転ですよね?残念ながらちょっと弱いかな、と感じます。今までの流れが一挙に逆転するための説得力が語句に宿っていないのでは?ということです。 ここを表現するにはどうしても技巧的な成熟が必要ですよね。でもそんなものを身につけてしまうとピュアな良さが消えちゃいそうな……。ご存知ないかもしれませんが、田中宏輔さんならその辺を苦もなく越えて書いていらっしゃると思います。なかなかできないことだけど。
0Migikata様 コメントありがとうございます。わたし自身も、この作品が到達点だとは思っていません。まだ未熟なところばかりですし、もっと様々なモノを吸収して、成長していかなければいけないと思っています。田中宏輔さんの作品を読んでみたら、自分に足りないモノが見えてくるような気がしました。ずっと高校生のままではいられないし、いつかは大人らしい作品を求められる時だって来る。あくまでも、これが始まりです。次回作で更に成長した作品を書けるように取り組んでいますので、もし良ければ次回作も読んでみてくださいね。貴重なご意見、本当にありがとうございました。
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