別枠表示
夜を迎えて、星を望む
暗がりの中まとまりも無く、今にも消えてしまいそうな明滅する光を探すような思いだった。 あれほど憧れ焦がれてきた地と出会いは、今や植木鉢に憂う双葉を芽吹かせた。 乱すものが無い必要が押し込められた部屋の中、情を沈める溶質だけが注ぎ込まれて。 止まれば身も蒼褪めて沈んでしまいそうになる。 外部からの電気刺激に応えるように動かし続けた肉は、御しきれぬまま十字路をひた走り。 人とふれあうたびに漸く自分が同じ種の一個体であることを実感する。 終点で拾った小さな望遠鏡に粗悪な情をのせ目が慣れるまで夜空を望む。 きっとあるはずの星を探して。 いつしか見えた四等星は夜明けを迎えると消えてしまう。 ただ憂う双葉を焼くには十分だ。 こんな思いも忘れる時が来るだろう、生きようと必死になっていてもいつしか生かされている事を思い出すのだから。 そして青空の下、冗談の様に並び浮かんだ雲は日を陰らせ苦難を運ぶよ。 今日も無情に日輪は墜ちてゆく。
夜を迎えて、星を望む ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 913.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2022-08-12
コメント日時 2022-08-18
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
室町礼さん、コメントありがとうございます。 失意の中綴ったものなので僕の中でも普段より情と離して書いているかと思います。 三連目前半は錯乱し我を忘れて行動する様を、電流によって強制的に蠢く筋細胞になぞらえています。 後半は人と触れ合うたびに同じ生物種『ヒト』であったことに気付く。 そんな記憶を記録にしたような詩です。
0自分を肉と感じる時は辛いものです。あなたは霊だ、そう思います。誰にも尊厳はあります。肉なんかじゃない。元気出して。あの自由極まりない清潔な雲にすら苦難を運んでいると感じるのはいかに重い心だろうと思いました。辛い時は心を断捨離すると楽です。無一物で欲を捨ててみると軽やかで少し楽しくなります。風や夕日や雲に身や心をゆだねて。
1湖湖さん、コメントと励ましのお言葉痛み入ります。 これでも希望を織り込んだつもりではありましたが、自分を甘やかすのが下手なので人間らしく振舞うのも難しいものです。続けると、ありふれた理不尽に自分の中で折り合いをつけるというよりは抗いたくて、考える事を放棄できない休めないそんな特性の表出かと思います。 この一週間ほどでいろいろ答えを出して、幾分穏やかになっているので創作活動に戻ろうと思います。
1