きみ - B-REVIEW

きみ

某月某日最初の韻を探すときに消す曲　きみが死ぬ　クソな梅雨　重い脳　コーヒーとデパス　しずかに覚醒する　いま書いてる論文　これから書く論文　学問という大河の一滴になる　殴れば痺れる右手　計算する左手　思い出の湿気たノート　ガタガタの文字を笑ったフードコート　今日もやると決意して毎朝　読む聖書某月某日夕暮れ　脳の疲れ　全身を弛緩させて　散歩すれば吹く風　裏返る日傘に透ける木の葉の影　ツイートはしても毎日、毎日、生む進捗　大切に育てる　これがいつか論文になる　俺たちは間違いねえ　なんてねえ　必ずある間違え　だから血眼になって探す　晴れ間の梅雨　きみが死ぬ　低気圧　気合い入れて踏ん張る、踏ん張る某月某日虫を掴む子ども　傘を振り回す男の子　不審者には挨拶　イヤホンから爆音　彼方から方言　論文書きたくねえ　好きな女の子に嫌がらせ　目つきで分かる育ち　動物を名残す瞳　庭にアジサイ　汽水域にコイ　うつくしいアオサギ　浮いてるゴミ　向こう岸に幼なじみ　手を振れば湿度のかたまり　きみに手渡すよ、愛某月某日エアコンは寒くて駄目　窓を開ければ湿気　軽い頭痛と滲むあぶら汗　麻痺するような不安に苛まれ　低気圧のせい？　いつまでも終わらない薬の調整　錆びるように枯れるアジサイ　きみが飛び込んだ駅　幽体離脱したように歩く　ガキの俺が死ねなかった公園でガキが遊んでる

きみ　ポイントセクション

作品データ

コメント数　： 9
Ｐ　Ｖ　数　： 1340.9
お気に入り数： 1
投票数　　　： 2
ポイント数　： 5

作成日時 2022-07-22
コメント日時 2022-08-01

#現代詩

項目	全期間(2024/11/21現在)	投稿後10日間
叙情性	1	1
前衛性	1	1
可読性	1	1
エンタメ	1	1
技巧	1	1
音韻	0	0
構成	0	0
総合ポイント	5	5

閲覧指数：1340.9
2024/11/21 19時52分34秒現在
	平均値	中央値
叙情性	0.5	0.5
前衛性	0.5	0.5
可読性	0.5	0.5
エンタメ	0.5	0.5
技巧	0.5	0.5
音韻	0	0
構成	0	0
総合	2.5	2.5

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作品に書かれた推薦文

きみ　コメントセクション

コメント数（9）

エルク

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(2022-07-23)

フェルミさん、はじめまして。読み始めの印象でいうと少しぶっきらぼうで、言葉を連想させて展開していくだけなのかなと、途中まで思っていたんですがそんなことはなくて、中盤、終盤で日々の生活の葛藤を行き来するような、そんな繊細な書き物だったんだなと認識が変わりました。話は変わりますがフェルミさんの「フェルミ」はフェルミ推定から借りたのでしょうか。自分自身や「きみ」の捉えどころのない内面みたいなものを、推し量ろうとしてもしきれずにいる、そんな感想を抱きました。

いすき

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(2022-07-23)

じゃあ俺はボーズだ！たしかに第3連、すごく丁寧だと思いました。第1連は、どれも言葉が持ってるイメージが強すぎて、慣用句的で個性が見えにくい感じはしました。梅雨とかデパスっていうのは、俳句を書くとき、季語に「夏」を使う行為だと思うんですよね。なので、切れ味全振りの書き味にしないと成立しないという側面はあると思う。なので私には「目つきでわかる育ち」とかそういうのが好きだと思った。

紅茶猫

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(2022-07-23)

体言止めのオンパレードですが、読みにくいということは無かったです。ばらばらに散らばる言葉をパーツのまま持ち歩いているような感じがして、唐突に出てくる「きみが死ぬ」は周りの言葉に回収されていくようでもあり、回収しきれない最後の一行だったのかなとも思いました。ただ暗さはあまり無くて前向きな印象でした。

フェルミ

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(2022-07-26)

エルクさん、ありがとうございます。ぶっきらぼうな書き方で抒情をすることに主眼を置いていたので伝わったようで嬉しいです。いすきさん、ありがとうございます。めっちゃ凝集してそうですね。言いたいことは分かります。けど使いたい言葉なんですよねー紅茶猫さん、ありがとうございます。読みやすいと言っていただき嬉しいです。平易に書いたつもりでした。

福まる

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(2022-07-28)

論文か・・・論文書ける位頭鍛えれば良かったなと思うことが最近よくあります。あと詩なんですが詠みやすくて韻といったらいいのかの踏み方が素晴らしいと個人的には思います。

フェルミ

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(2022-07-31)

福まるさんありがとうございます。ラップみたいなことがしたかったんです。