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断片
① 商店街をあるいている。さっき、八百屋でかった玉ねぎをけとばしながら。 とおりにはだれもいない。 おつりにもらった小銭が、ポケットのなかで、ちゃらちゃらとしている。 ナスとキュウリも買ったから、マーボナスにしようか。 若者の集団がとおりをふさいでいた。意味のわからない言葉をくちにしてさわいでいる。 こぶしをかざし、のみものをまきらし、 でんちゅうによじ登ってとくいになっているのもいる。 うでをつなぎ、からだをぶつけあってもんぜつし、ひどくうれしそうだ。 いったい、どうしたんだいと、たずねる。 ――こうしていると、しあわせなんだよ――。 若者のひとりからもらった詩は、コンビニのゴミ箱にすてた。 よけいなものばかりをおしつけられるから、ゆめや、きぼうや、あいを、みながほしがっている。 でも、そうだ、もうこどもではない。 ② なぐられた傷がうずく。へやのゆかにねそべって、白いてんじょうをみつめる。 まぶたを閉じると、あなたのすがたがみえた。 あなたは、はつこいのひとでした。こころからあいしていました。 あなたは美しくて、はじめてまちあわせたとき、テーブルにうつむくすがた、 つめたいものにふれた、かくせいかんかくでした。 ぼくについてあるくあなた、 げんじつかんが、からだからはみだしそうでした。 ③ あなたをつれてあほうになった。 ようちなあほうの群れにつどう。 じゆうになって魂のいみをしる。 涎のとまらないあほう、 タバコとコーヒーでごまかす。 せまいので出してください。 とある晩、中華料理店。 いしきの一時停止、 あぁ、おなじ現象だな。 公園でからだをまさぐりキスした、だきたい。 部屋にはいれてくれない。 ああ、おいしそうなのに。 父親に車の鍵をかくされる。 自転車にのり、 知人にあう。 こうきしんはキラキラにかがやく。 発見のれんぞくあほう。 電話して、ほんとうのあほうをさらす。 新世界は、ぼんよう。 そうさ、 おなじこと、ぼくは 。
断片 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1001.0
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 7
作成日時 2022-07-19
コメント日時 2022-07-22
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 7 | 7 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 7 | 7 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
良い、改めてコメントはゆっくりさせていただければと思います。
1つたない文章ですが、おこころに響くところがあったのでしょう。 お読みくださりありがとうございます。
0②③は、20年ほど前に書き留めた、若い頃を振り返った手記です。 なので、人さまに見せるために書いたものでもありません。 >切のいい、見栄えのいい(つまり大河)オチをつけたがる ついついやってしまったようです。 お読みくださりありがとうございます。
0途中でなんだか現実感がなくなり白昼夢を見ているかのようで、そこが面白く思いました。 特に①がその傾向が強く、この中では一番良いです。
1面白く感じられたとのこと。そうおっしゃっていただき、嬉しく感じます。 ①は白昼夢なのかもしれません。 お読みくださりありがとうございます。
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