カーテンを半分だけ開けて、
眠たげに頬をさすると朝が始まる。
雨の撃鉄。震えていたのは祖母の形見の指輪。
主語のない世界線で、宝石は音を鳴らし瞬き出す。
気に掛けている。終末時計の針が少しだけ、
ほんの少しだけ進んだことを。
大丈夫。帰るべき、与えられた日常がある。
音楽の麻薬に少し毒されてるだけだよ。
貸した本が返ってこない、砂糖と牛乳の配分、壊れたヒーターの修理。
悩みごとは尽きないフリをしているけれど、
やがて嵐も雷も、風でさえ過ぎ去る。
不意に揺れる電話の音。開けた視界の向こう、
足は床を滑らかに進みながら、
出口へと向かう。
バースデーソングのあと、蘇る、
泣き腫らして、静かな呼吸を感じながら、
微笑のポートレートを届ける、
あなた。
作品データ
コメント数 : 3
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作成日時 2022-07-19
コメント日時 2022-07-20
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 23時01分31秒現在
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ABさん、コメントありがとうございます。渋い映画の始まりというのが予想外でして、あ、この詩、詩中の「あなた」が女性ではなく男性だとするならば、充分あり得る見方だな、と気づいたところです。だとするとちょっとハードボイルドな世界を感じますよね。難しいです。 また意味や感情を。よろしくお願いします。
0さみしい孤独な人の生きることへのほほえみという意欲を感じました。何はなくとも楽観的でいたいと思う反面、現実に歯が立たないことはあって、つらいですね。さあ、ほほえみ。
0湖湖さん、コメントありがとうございます。楽観的でいたいがための微笑み。いいですね。現実に歯が立たないこと。それはありますよね。スムーズに何事もなく、それらの難事はクリアされていく、という願いも込めてこの詩は書きました。
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