箸が使えなくなるからと
先割れスプーンが消えた
学校のお昼
残念ながら
お昼にだけ先割れスプーンを使っても
箸使いのレベルは下がらなかった
なんなら、両手で鉛筆も持てるのを
披露してやればよかったか
牛乳を飲めるようになるようにと
毎日ひと口ずつ飲まされた
学校のお昼
確かに給食のパンは
牛乳がないと飲み込めない
クタクタの麺の汁なしラーメンでは
パンは喉を通らない
だから、牛乳を飲めるように
子どもを変えるのか
当然、牛乳が飲めなければパンも残ってしまう
残ったパンは持ち帰って犬が食べる
その時は犬から少しだけパンをもらって
一緒に食べる
でも牛乳は飲まない
「ほらほら見てよ お箸上手でしょ 牛乳も飲めるようになったよ!」
なんて叫んだところで
伸びしろがある子どもだと証明できただろうか
「そんなの当たり前だ」
と言われるのがオチだが
食べずらそうにパンを喰む犬が
めいいっぱいシッポを振っているだけで
底抜けに楽しくて
犬の皿に牛乳を注いだら
ガブッ、ガブッと一心不乱に飲んでくれたのが
底抜けに嬉しかった
コンビニの看板が目立ちすぎ始めた頃
もう両手では鉛筆を操れなくなって
先割れスプーンでお弁当を
ひとりでかき込むお昼
犬がシッポを勢いよく振る音がした気がした
作品データ
コメント数 : 9
P V 数 : 1402.1
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作成日時 2022-07-18
コメント日時 2022-07-28
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 19時56分49秒現在
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先割れスプーンの思い出に思いを馳せながら読ませていただきました! 素晴らしいです!
1ご感想ありがとうございます。
0良い作品だと思うのですが地味だと思う。 どうにかしたら、もっとこの作品には風格が出て、たぶん月間大賞レベルになると思う。 書き出しかな、それとも展開かな。 でも結末の完成度はすごく高いから結末ではないと思う。 もっとラフに書いてもよかったのかな。 でもそれは平成のネットブログで試行しつくされているから違うかな。 私にはもう少しでヤバいラインを超える作品だと思った。
1よい環境で優れた教育を受けることの重要性を思いました。先割れスプーン、バッタ物のようなイメージです。美しくない。優れた教育を受けられない、間違った教えの中で如何にサバイバルするか、それは難しいことです。議論し社会を変えていく人の輪を信じることが始まりになると思います。
1もっと良くなると言って頂きありがとうございます。 遠慮しているなぁ。と本人も思っております。 手直ししてヤバいくらいにしてみようと思います。
0ご感想ありがとうございます。 日本の教育のおかげで、どれだけ人が成長できているのでしょうね。四角四面のシステムとは違った側面が学校にはあって、そういうところで子どもは成長できるのだと思います。無論、諦めず教育の在り方や制度を議論することは大切だと思います。
1「先割れスプーン」ですか、あると便利だと思います。週一回のパンの日が楽しみで、揚げパンとかだったらもう・・・ゲフンゲフンこの詩は小さい頃の記憶を呼び覚ましてくれます。ありがとうございます、
0ご感想ありがとうございます。 先割れスプーンを給食で使っていたということで、世代が限られますね。
0やはり犬のエピソードこの詩にニュアンスを与えて居ると思いました。学校給食に対する悲喜こもごもは多いでしょうが、先割れスプーンと箸と牛乳のエピソード。牛乳とパンのエピソードでしょうか。学校のお昼には燦燦と日が降り注いでいるような気がしました。
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