グリア - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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グリア    

山の木々の枝葉の先端は、カビの生えたコッペパンのような色に横たわっている。その葉脈の先、ぶら下がったゾウムシの口の中に、一輪のバラが咲いている。そのバラの名は「グリア」。水田の土の中に、一輪のバラが咲いている。風鈴の音が響く。山あいのバラ屋に、頭髪のない老人がいる。 グリア、グリア。彼はいつまでそこにいるのだろう、いつまでそこにいるのだろう。 かすかな眠りの中で、私の意識は寛永通宝の穴から秋の高い空へと溶けていく。 枯葉、線路、梅田第三ビル。通り抜けた下水の臭いが鼻に残る。薄汚れた喫茶店の床で角砂糖を踏みながら、グリアは「明日は晴れることを祈ろう」とつぶやいた。 明日は晴れだ。 雑草の中に、小さなタイムカプセルがありました。中にはカブトムシの死骸とクマノミの幼虫が入っていました。自転車で走ってきた道は、高速道路の下に隠されていた。砂漠で砂金を探すように、過去の思い出を探そう。タイムカプセルの中のゾウムシとグリアのことは、すっかり忘れていた。 夕焼けの色を写したようなグリア。愛のように赤く燃えるグリア。その色も香りも、本当の名前さえも、もう思い出せない。グリア。グリア。


グリア ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 0
P V 数 : 708.4
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 11

作成日時 2022-07-16
コメント日時 2022-07-16
#現代詩
項目全期間(2025/04/09現在)投稿後10日間
叙情性22
前衛性11
可読性22
エンタメ22
技巧11
音韻11
構成22
総合ポイント1111
 平均値  中央値 
叙情性22
前衛性11
可読性22
 エンタメ22
技巧11
音韻11
構成22
総合1111
閲覧指数:708.4
2025/04/09 15時36分07秒現在
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