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天体の詩
なつかしい天文台は放り投げた魚に似ていて、ぼくはいまも、ゆるやかな坂道のデッサンを演じている。箸の使いかたに苦労した過去からやってくる柔らかい手首は、移り変わる風のことをいつだって気遣っていた。それは、愚かに走り飛ぶひとびとの喩え。もしも未だ、瞬くレコーディングが終わらない抜き身のスタジオならば、ぼくらそれでも、生まれ変われるだろうか。きみの画数をひとつだけ呪い、いままさにあでやかな改名を祝う夜。水平線のひとつを賜り、緩やかな短曲線で生まれるあの文字は、あまりに遠く離れていた。情景。ぼくは、永遠の親戚。歳の離れた星の身代わりは、いつだって掠れた出生届を待っている。きみは、永遠の恋人。いずれ鳴りやまぬ、星のひとりを盗む恋人。
天体の詩 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1128.0
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2022-07-16
コメント日時 2022-07-19
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
良いと思った、のだけれど何故だろうか。終始、ふわふわとして(意味が捉えられないのとは別に、それは構わない。わからないことは楽しめばいいから)地に足がつかない。改行しない散文の形式なのだけど、これは改行詩の方が良かったのではないだろうか。句読点が多いからだろうか、読み上げると詰まってしまう。どうにもわからない、が何かひとつピースがズレている気がしてならない。要領を得なくて申し訳ない。考えてみて答えが出るようなら、またコメントしたい。
0長文のご感想ありがとうございます。予想と違っていてなんとなく申し訳ないですが、本作、ごく僅かな推敲はしましたがほぼ一筆書きの作です。普段からほぼ一筆書きのスタイルで詩は書いています。また、 > 「デッサン」「画数」「水平線」「文字」など筆記に関する語彙が意図的に選択されているのが分かります。 こちらも特に意識していなかったため、なるほどと面白く読ませていただきました。無意識にトーンを揃えていたのかもしれません。 > 最後が「恋人」や「星」といったやや平凡な語彙でまとめられているのが気になりました。ここはもう一工夫あっても良かったのではないでしょうか。 最近はわりと、中学生でもわかるような開かれた語彙を、今まで培った文体やレトリックにより支える、ということに惹かれている気がしています。ちょっと難解な語彙に疲れたというか。なので、たしかに最後の部分は語彙だけをみると物足りない方もいらっしゃるような気がします。 短曲線は造語です。水平線って長いので、文字の画数の一つとするために短くしよう、みたいな気持ちがあったのかもしれないですね。いま思うと長くてもそれはそれで面白いですけど。書いている時はあまり深く考えていないので、そういえば造語は珍しいかもしれません。 長くなりましたが、 > 独特の韻律を生み出していて、心地よさがあります。 この感想は私的にとてもうれしかったです。文章はリズムや音楽性が大切な気がしています。
1あまりわからないものをわからないと楽しめる人は、どこか魅力的な気がしています。改行詩のほうがよかったのでは、という見解に関しては、私がかなり極端な散文詩書きなためほんとうにそちらの方が合っているのかなんとも言えなかったり、また、自分の手持ちの文体だと実現できないなと思いました。が、そこもまた、なにか残念なようでおもしろみのある点かもしれません。 句読点が多いのは、私の文体の未だ消えぬ癖であり、恐らく身体性の時点から発されている気がします。そして、この詩は少なからず不完全であり、それは理性や職人性によって書かれていないことが関わっているのだろうと思っています。ブラックボックスを簡単に開けてもらえないことは、それ自体がどこかうれしいことです。長文失礼。
0「放り投げた魚」で早々にやられました。 ディテールの作り込みが神がかってる。表現のキレもすごい。息を飲む美しさ
0放り投げた魚、私もけっこう好きな部分です。他コメントでも書いたように実はほぼ一筆書きなので、一般的な意味では作り込まれていないのですが、詩を書き始めてからずっとそのスタイルなので、たまに特殊な意味で抜き身の文章が降りてきたりもするようです。大変過分なご評価をありがとうございます。
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