はい私は無事です
では白紙に戻ります
えっと、はっきりと覚えてる思い出が
一本だけじゃありません
幾つも幾つもあったとさ
コックさんになったり
カエルさんになったり
可愛いお茶碗もペアで揃えて
お耳が二つ
目玉も二つ
恋人かな?
恋人じゃないよ
大事な人かな?
それも違うみたいだよ
じゃ通りすがりの
それでもいいよと指切りげんまん
絶対破ってやるからね、こんな約束
西暦二千二十二年のあれは確か八月の終わり
土曜日だったのだけは覚えてる
空飛ぶ円盤やって来て
綺麗だねって一緒に見てたら
いきなり街が攻撃されて
葉っぱをお池に浮かべたお舟
颯爽と二人乗り込んで
空と海がいつひっくり返るんだろうって
息を潜めて待ってた
その時だったね
お月さまが水面に滲んで、それを合図に
何したんだっけ?
二人きりだよ
あっという間に
何になった?
貴方はちゃんと描けてるよね
私は失敗しちゃったよ
全然違う絵になっちゃって
初めからやり直し
また白紙に戻って
棒のような心が一本あったとさ
何度でも同じ歌
毎週毎週口ずさんで
似たような夜が訪れて
終わればその都度、丸めて捨てられる
上手じゃなくていいんだよ
繰り返し歌ってくれたら
あっという間に
今度は何になった?
あっという間に
ねえ見せて見せて
あっという間に
勝手にすれば?
あっという間に
ああっという間に
イチャイチャしたい
イチャイチャしたい
いちゃいちゃしたいから
早く二番に行きなさい
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 1092.8
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 9
作成日時 2022-07-14
コメント日時 2022-07-17
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 9 | 9 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 9 | 9 |
閲覧指数:1092.8
2024/11/21 23時01分42秒現在
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数字の2が好き
0ありがとうございます。私は36が好きです。
1ありがとうございます。よく読めましたね。私は読めませんでした。
0>えっと、はっきりと覚えてる思い出が >一本だけじゃありません >幾つも幾つもあったとさ 通常「絵描き歌」と言いますと、シンプルに一本ずつ描いていくのが普通ですが、この部分からはどことなく迷い線がある絵描き歌といったような、もしくは陰影の表現を持ち込んだものに思えました。その迷い方が若干、文章からも見えるところがありますが、私としてはそこが好ましく思えました。 >恋人かな? >恋人じゃないよ >大事な人かな? >それも違うみたいだよ 単純に「一人の目線から描いた恋愛の詩」ではなく、お互いの視点、感情も交えている。これはもう恋人と言っていいのではないでしょうか。西暦二千二十二年のエピソードからは、魚座の元ネタの神話を思い浮かべました。互いに離れないように紐で結び付けている。その紐が、この二人においては「(たびたび白紙になる)絵描き歌」であったのだろう、と。 >いちゃいちゃしたいから >早く二番に行きなさい 私もそう思います。
0ありがとうございます。単純に絵描き歌という題材から容易に想像出来る展開にはしたくなかったので、ここはもう登場人物に自由に動いてもらいましょう、ということで。 魚座の神話は知りませんでした。単に既出の6月6日というフレーズをおちょくっただけで。
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