旅する為の雑記帳 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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旅する為の雑記帳    

遠 ざ か るのは頁と頁 駅 と 駅、月日と 事実 発した言葉 ときに 離れて 真実に近づいて いくもの   日記を栞にしながら、何度も 往復する道筋でみえるものは いつも違う、その度に考える 去年と違う紫陽花の彩り また新しい野菜が 生れて 一覧から消えた 名前たち もぎりのおじさんの墓だ 頁を行き来する指先が迷う 料理のレシピ 最高時速40℃ 150cc ジュラ紀の粘土から 世界最大の湖が西瓜でした 眼を閉じてみる、飛行機、雲から 雨が降ってくる、傘が開かれる 先端が開かれる、地球のどこかで ぶつかっては離れる、行ってこいよ 早く帰ってきなさいよ、と母の声が する、遠ざかったままの扉からだ 頁に落ちた雨滴に祖父の好きだった 鮎が泳いでいて、文字が滲んでいく 変わる、何事も変わる閉じては開く 悲しみが降る、憎しみが飛ぶ、みえない 点と点、無数の点が繋がらない 同じ星を綺麗だと見上げた人々 星座はもうばらばらに霧散した 黙々と分厚い雲がある、言葉は駄目だ 呑み込まれる、だから今はただ眼下に 書きつけて、深呼吸する、同じ空の下 閉じながら開く僕らは星でいることだ



旅する為の雑記帳 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 16
P V 数 : 2367.0
お気に入り数: 1
投票数   : 8
ポイント数 : 20

作成日時 2022-07-06
コメント日時 2022-07-16
#現代詩 #縦書き #受賞作 #受賞作
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性33
前衛性22
可読性55
エンタメ33
技巧22
音韻22
構成33
総合ポイント2020
 平均値  中央値 
叙情性33
前衛性22
可読性55
 エンタメ33
技巧22
音韻22
構成33
総合2020
閲覧指数:2367.0
2025/04/10 07時24分47秒現在
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旅する為の雑記帳 コメントセクション

コメント数(16)
ほば
さんへ
(2022-07-07)

どーも。ほんとに暑いですねぇ。川にでも飛び込めばちっとはマシかもしれませんが暑い部屋で詩を書いたりしている。なんて事だろうか。しかし、まぁ、少しばかりでも涼しいのはなら良かったのかな。

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武下愛
武下愛
作品へ
(2022-07-07)

哲学的だと思いました。

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武下愛
武下愛
作品へ
(2022-07-07)

ポイント付与を忘れていました。

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角田 寿星
作品へ
(2022-07-07)

ペガーナの創作神話に登場するトログウルを思い出しました。 北と〈かなた〉しかない南の果てで、歴史のくさぐさが書かれた本のページを手繰り続ける、神でも獣でもないもの。 地球や、三次元球面内つまり宇宙の歴史的観点から見れば、人類の歴史なんてのは「ああああ」くらいでも言葉が多いくらいで、それでも南の果てならば、距離が充分に確保出来るがために時間は相対的に拡張され、きっと「ああああ」以上の言葉を発する資格が得られるんでしょう。 冒頭部のアプローチが素敵です。 日記の体裁を採りながら何度も読み返すそれには、やはり何もかもが書かれていて、さながら百科事典のよう。 「先端」は初見では「戦端」の誤字だと思ってたんですが、これはわざと誤字ったんだと気付き、ニヤリとされられました。 世界を構成する量子は基本的に粒であり、互いに相関しています。 ばらばらに霧散した星でさえ、量子の相関性とは無縁で居られません。 作者さまがほんとうに言葉は駄目と思っているのかどうかは、読者の立場からも明らかにすべきではないと思いますが、最後は強い決意で締められていて、読後感はすこぶる良かったです。

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湖湖
湖湖
作品へ
(2022-07-07)

言葉のチャレンジに富んでいて、言葉はだめだ、はあがくことや、生きることの価値を感じさせます。鮎の下りが好きです。何物にも心宿り、また、満天の星の下でそれを巻紙にして花束にされるような心になりたいものです。

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ほば
武下愛さんへ
(2022-07-08)

初めまして。先ほど、批評文での室町氏とのやり取りを含め拝見致しました。凡庸な書き手である僕にとっては、書けそうで書けない、という言葉は非常にありがたいものでありました。しかし、哲学というものは僕には深淵過ぎてわからないものですが、日々、自らが疑問に感じたことを問い掛けている次第です。

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ほば
角田 寿星さんへ
(2022-07-08)

ダンセイニは実は未読で非常に興味をそそられたので読んでみたいですね。距離や時間、角度、要するに物事は位置関係で様相を一変することがありますよね。その発見が詩になるのかなぁ、と思います。あ、それから量子の相関性というのは無知な僕には些か難しいのですが、互いに影響し合わずにいられないものがあるように思われますね。霧散してもいつか星座がまた違う形でうまれて人はそれを見上げるのかもしれません。

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ほば
湖湖さんへ
(2022-07-08)

自分はなんとも愚かな人間なので一足飛びに何かを理解したり会得は出来ないようで、遠回りしながら泥臭く足掻いて何かの毛先でも掴めたら嬉しいですね。鮎を干したらいい出汁がでると教わりましたが、未だに試したことはありません。

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エイクピア
作品へ
(2022-07-10)

150cc ジュラ紀の粘土から 世界最大の湖が西瓜でした これらの表現が面白いと思いました。湖と西瓜、通常はイコールで繋ぐと可笑しいのですが、詩ではそれないりの説得力を持ち得るのだと思いました。

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ほば
エイクピアさんへ
(2022-07-11)

そうですね。多分、小説で書いてあれば文脈が掴めず(そういう実験的小説もあると思いますが) は?となるものも詩で提示するとおさまることがありますね。エイクピアさんの作品みたいには僕では書けませんが、一時期意識していた事があります。断念しましたが、そうした積み重ねも、まぁ、今作とかにいきているのかもしれません

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いすき
作品へ
(2022-07-12)

日記を書いてるから紫陽花の彩りの違いがわかるということですね。雨が降ってるから本が濡れるし、星は点々の雨粒で、実は飛行機とか雲もなかったという。頁もない、深呼吸してない、でも雨が降ってるから星はあるということですね。。

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ほば
いすきさんへ
(2022-07-12)

日々を綴る事とや写真でもいいけど残す事は創作に役立ちますね。ちょっとした違いや気づき、過去を歩くように現在のなかでどこまでも遊歩出来るようでもあります。星といえば詩人のことを中国で詩星と書いたりするそうですが、まぁ、ふと思っただけです。星はあるんでしょうね。

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紅茶猫
作品へ
(2022-07-16)

無駄な言葉が一つも無いなと思ったのですが、書かれていないこともふわふわ漂っているような、そんな不思議な読後感でした。 >去年と違う紫陽花の彩り >また新しい野菜が 生れて >一覧から消えた 名前たち >もぎりのおじさんの墓だ 飛躍はだんだん加速していくので読者を疲れさせないと思いました。 >悲しみが降る、憎しみが飛ぶ、みえない この短いフレーズの中に本当に盛り沢山だなと思います。 素敵な詩を読ませていただきました。

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ふかお
作品へ
(2022-07-16)

>眼を閉じてみる、飛行機、雲から >雨が降ってくる、傘が開かれる ここ、よかったです。

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ほば
紅茶猫さんへ
(2022-07-16)

こんばんは。自分はどうも勢いのある詩は書けないようで、詩文の飛躍も自ずとそのようになるのかもしれません。ロダンの言葉妙を読んでいるのですが、独創性についてなどはまさに金言ですね。 『独創というものは一般世人のいう意味で偉大な芸術には存在しません。本当の才能に行き着く辛抱のない芸術家は、真実を外にして、題目や形の気まぐれなもの、変な物をさがします。それが世人の独創と称しているものです。しかしそれは何にもなりません。』しばらくの間、迷いもありあれやこれやと手を替え品を替えしていたことが恥ずかしくなりました。ですので、無駄な言葉がないが書かれていないことも漂っているというコメントは少しはマシなものがかけたようで嬉しい限りです。

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ほば
ふかおさんへ
(2022-07-16)

それは良かったです。励みます。

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投稿作品数: 4