あやかしの心よ
耳に聞く永遠の波間
爛れたる踏みにじられた熱の意思の蛇のくゆり
投げやりと時の刻まぬ夢幻の砂上の城に
しとど濡れたか乾いたか
北限の氷に眠り清浄を祈り弔いに虫の息
最果てに逃げては砂漠にさまよい
記憶にまり遊び
許せ、許さん、忘れよう、忘れた
忘れるのか、何が残る
失い、失い、失い
軽やかに、羽、喪失と自由にこだまする悲鳴が
絹を裂いて、その裏布をはいだ着物の
あでやかな牡丹が灯篭して
篭絡のややこを抱いて抱きあぐね
その子は死んだか
生きるのか
砂の落ちる音
不協和音は無理解と言語の滴り
五月雨が幻してメトロノーム
さあ、からめとる波間のゆりかごの甘い檻よ
抱き上げて、こぼれ、すり抜け、寄り添おうとし
かき砕けて、指の隙間にすり抜け、
泣かせて、よよよ、よよよ、煙るように
笑うように、泣くことも、笑うことも淘汰され
川の流れを聞き、盲目と、慧眼の、無音とせせらぎの宴の
これは音階の遊び、ごめんなさいね
ごめんなさいね、許してね
そんなことを言っても言わなくても
どうでもいいじゃないか
笑いましょう
ただ、微笑んでゆるりゆるり川は流れ
おほほほほ、おほほほほほ、
うふふふふ、うふふふふ、
桜の花びらが舞う時の海辺の、砂漠の、北限の
問わず語りの、酔いどれの、失意の、泥濘の、
さらさらとした、悲しみの踊りの無音の
価値と無価値の潮流に晒された
細い澪標の、待ち針になりたかった
ああ、だれを待っているの
待ち針よ
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 930.0
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2022-06-30
コメント日時 2022-06-30
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
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2024/11/21 23時05分37秒現在
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北限と言われると北限の海女思い出すのですが、この詩では関係ないような。海女とは出て来ませんが、それを示唆する表現は有ったような気がします。
0沸騰するイメージの渦を矛盾を恐れずそのまま書いてみました。シュールリアリズム的とかいうのかな?
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