やっとのことで夜がくる
いつからだろうか、昼間の世界が眩しすぎて、夜の方が好きになったのは
ビルの谷間を吹き抜ける風が無遠慮に頬を撫でる
冷たくて乾いているのにどこか心地よい感触が、もう居ない皺々の曾祖母の掌によく似ていて、泣きたくなった
あの人はただわたしに笑ってくれと願っていたのに、どうしてだろうか、悲しくもないのに涙が止まらない
涙が真珠だったら良かったのに
辛ければ辛いほど大粒の真珠で頬を濡らしたい
わたしの産んだ真珠、ネックレスにしてください
ほんとの気持ちを連ねて売ったらいくらで下取りしてもらえるのかな
買い叩かれても、ほんのわずかの誰かの胸元に華を添えられたらよかった
今夜も両の眼から一銭にもならない真珠が溢れて、夜風がまた、ごう、と吹き抜ける
真珠はからからに干からびて、濁った塩水の鎖がただ心臓を締めつけるだけ
作品データ
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作成日時 2022-06-04
コメント日時 2022-06-08
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/23 18時53分42秒現在
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詩になれる兄と、詩になれない私との人間関係とはなんだろう?と定まった思考に辿り着く人と、そうでない人の差って?「そうでない人ではない」を、言える人が少なくないわけではない、考えて良いこと、いけないこと。静かに祈ります。
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