「それはそれは、必ずいらっしゃいます。」
――はじまりに、
これは大した問題ではない。
前張りのメタファーが 赤子の掌を返し
コバルトの海原に酒浸りの殺鼠剤を吐き翔ける、
離れとアジトを生き記する。
狼狽えずやってくる失語症のヤモリが
へばりつく、余暇に中り、
増殖し続けたモヤが界隈に墓穴を掘る
リビングに己がジメンは。
星のない都会というときに居座ろうとしている
死にかけているこの日の月は
低温の部面と黙考する
このベールは、ひとつ違えば
開け閉めて小さくて丸く尾を弾き
冷水を被るそのような液化に留まる
<どろだんご>
マンドラゴラの叫び 錫杖の絵色
アナログ故 遠ざかる発煙筒
何故撫ぜ、沈黙と静寂の粘液は悪趣味に顰ませるのか
臭いを引っ掻いた感覚が全身を抱いてしまうように
苛立たしい。空中ブランコは増水する
土埃を上げ、声を尖らして斉唱する
終曲に向かって、姿を移し違える
奇遇にも叩き落とす体たらく
そこら書き足されるジョークに朱墨がカチンとくる、
押し黙る笑顔を崩した文字は人懐っこく
知り合いによく似た警笛に従い、
目利きの本質は足裏にある階上から倍する。
(鮮やかさを失い)
これは柔らかな麦畑の獣皮にしとどに呷る、
裏なる若葉は良質な、秋の夜長に安酒を好んで
害虫が亡く失くする世な予な。くろくガイトウに集る。
恩恵と摩りあげ跡形もなく焼く
造作もない光景は尊兄の前に藍
【開襟横糸】ほつれも淫らに手を架ける。
道すがら 途の灯火のクロス
母君は問うまでもなく煤ばみながらも
口数は赤本と檸檬爆弾を握るそんな脳裏に
黒船を焼き付けただけの モンシロチョウの流動体で
しがない、空白に掠めて通り過ぎる前の。
自己暗示を変電所に徹し、
官能小説と泥濘と濡髪と、塩害と舌足らずに、
「なるほど。」といつか 開かれた窓に流された
あなたは物憂げな闇を押し開き
微睡みが 銀糸の空間にすっぽりと蹲る。
おそろしばかりの現場に虐げられ妨げられても
(夕泥む)指揮は洟垂れるのだ。
陰晴の息継ぎ、枯れ葉もまだ碧く
物事の道理としてまた明け暮れる
これではろくろく、つまらない。ゲラを考察する
意思と今生であろう。素手に 故人に 仕立て上げ
端的な前奏を口遊む。名残惜しい別れに視線を投げかけ、
ゆるやかにみたしている
絶望の炎漂う、生気を劈くような波間に、
おきざりに。
恵みとも帯びる銃声が、霧笛が浮雲となって、
あくるひはかわる。
総べての真珠はヤブ医者によって異なる水晶に、
乱反射した。
百万年の御
其のサンプルは分身ではなく混合した多数の古物を口に運び
陥れ、掘り出したばかりの囲い、堀、壁の沁みに〔私を除く〕
期待すべき未来はなく 無機質なオフィスに実在佇む
水をさされるように身を縮めている 獄中の
ベビーシッターのようでもあり
顔ぶれはそう絵に描いたような
爺やと姉さまのからだをすくすくと着る
不可視化暗雲の香気を
遠眼鏡の焦点が
火起こしの等価交換を致して
収穫を引き摺り下ろす
無垢の物乞いと堆積岩の窪地に陰とある
その灯籠が
紛れなく、
薄墨の谷間からしんしんと近道へいざなう
そしてふらりと傾いだ 外道な巣宿へ、安置所へ、
聖廟へ。
酷く怒っているのに じつと我慢し
考えは一致せず
ケーブルにある溝に
発条仕掛けの枯葉蝶が いつからか
顔をそらしていて
焼け色がついた
そろいになる ひとつの踵と
、周囲に薄ら寒いふりだしと、『人呼んで』
父のかなしみは 以てする、
迫真の演技であろう、
名無したる
老けた頬が 自然、叫びが きっさきが
酔い瞑れ、
胸の隆起が
そして地平を皴ひとつなく
薄っぺらな面が埋め尽くしていた
おのれさえ……
そこにいればそれで口当たりも よく護りを固めて
鈍く紫雨煙る、青天井にある斎場にいま。
洋酒と鼻濁音を供えて泣いては
うたいおどり、ついぞ お眠りなさい
抉り炙り剥かれた蛆虫どもと暴露する
やはりおこばれ
、と
、ナレアイだぁ――ナアとオイ!!
小川に添い寝して飾られる花を
食い殺す物見遊山はさんざんの倦怠期である。
紙芝居には
事後報告の
獣の群れが、かまととぶる もうとうに。
空中庭園を騒がせたあとの、そこには
祀りとあるが?
天空で奏であげた声帯はすでに
唾棄潰され
荒れた生命力は
そもそも
高らかと染み入って云い亘す
*
ぽかぽかのぬくもりに、編み込まれた涅槃の繭。
「愚鈍な男になりたい、」そう ぼつねんとたやすく、
書肆にある。
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1033.0
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 0
作成日時 2022-06-01
コメント日時 2022-06-04
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
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2024/11/21 23時26分08秒現在
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可読性無き文体のなか、ところどころに読ませる語句があり、それが点灯と点滅をするみたいに読める。わからない人にはわからないし、そもそも伝達することがテキスト形式の作品に必須事項ではない。私は楽しめました。
0三浦果実さま、お読みいただきありがとうございます。詩は解ることを前提に共感や同調で読む方々が多い中、私のような一見さんドン引きみたいな変わり種を、楽しんでいただけで幸いに思います(^o^)
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