どっちを抱きしめる?
猫と兎
今しか見ていない類の猫は
顔にかけられる重い吐息と
抱合に発散の意図を感じれば
一瞬に翻ってすり抜けてるだろうし
狂い始めた鼓動のリズムに気づいた兎は
思慮深さが邪魔して
初めて聞く声で泣くかもしれない
もし、逃れられたらどこに行く?
本当に
強い抱擁から何が何でも逃れたいのか
本当に
きつく抱きしめて絶対に離さない
などと決心したいのか
暗闇の道端で開かれる会談で
だだっ広い草原での静かな戦略で
生まれるエネルギーに包まれたい
そう思うのは人間だけじゃない
どちらにしても、どっちも
また戻ってくるのよ
誰かがいるベッドは
温かいから
どっちを抱きしめる?
猫と兎
懐に収めた柔らかすぎる猫の尻尾は
自らで動かせないし
兎の脇腹には「冷感仕様」
とタグがぶら下がっていても
鼓動の不協和音で通じ合えるまで
両方とも抱きしめたい
壁にいる鹿は信用ならないと
こちらを凝視してそこに留まっているけれど
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 867.6
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作成日時 2022-04-29
コメント日時 2022-05-01
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 22時52分41秒現在
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何らかの懐疑が感じられます。猫と兎のどちらを抱きしめるのか、そんな問題提起の中、抱きしめた後の問題点を考察する。両方とも抱きしめたいと断言する。最後に出て来た壁にいる鹿が不審の念を突き付ける。何か解釈に迷う詩ですね。
1感想をありがとうございます。 兎の性質は猫の性質より知らないので、ある意味想像して表現しました。
1感想をありがとうございます。 壁の鹿は、カレンダーの写真をモチーフにしました。そこから抜け出すことはできない鹿は、こちらをどのようにみているのか?と問いたいのです。
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