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朝陽、あるいは囀りの記憶
静寂が耳を突き刺す カーテンの隙間、漏れ出す朝陽が憎い 充血した眼がスマートフォンの光をにらむ。 目を閉じて耳を塞ぐ。 それでもあるはずのないものが、音が 鮮やかに再生されるから 窓の外、聞こえてきた囀りだけが 唯一本物であると心を撫でた。 存在しないはずの記憶が 脳を蝕んで わたしの体を焼き尽くすので すべて閉ざそうとこの身をかき抱いても わたしの体の冷たさがまるで偽物みたいで 余計に毒がまわったようだ。 カーテンを閉じる。 漏れてくる朝陽も、囀りも わたしの体から追い出すために。 スマートフォンの光がわたしを蝕む。 閉ざされた体は嘘みたいにあつい。 存在しない記憶を抱きしめて、これでおわり。
朝陽、あるいは囀りの記憶 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 841.8
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投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2022-04-18
コメント日時 2022-04-19
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「存在しない記憶」というのはきっと確かに「ある」ものなのでしょうね。 私はこの世界のことはあまり好きではありませんが、朝陽は好きです。 鳥のさえずりよりも鳩の鳴き声がうるさい我が家では、ひたすらにカラスの襲来を願います。 描写されようとしている心象風景への共感はさほど覚えませんでしたが、書き方そのものを好ましく思いコメントさせていただきます。
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