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読みを促す詩
滑らかに推移して行く詩根に惚れました。 あちら側に行くつもりとは自殺するつもり、入水の覚悟だったのか、それは分かりませんが、 「泳ぐしか 生きていかれない」 などの表現や尾びれや「わたしはここで死ぬのか」などの二連目での表現から、入水、自殺以前に、水生生物なのかと、この詩の主人公は。でも最終連で、シャワーを浴びる為に裸で並んで居たり、人間であるかのような描写もある事から、そして友人が男から追いかけられていると言う詩行から人魚?みたいな推測も働き、雄雌を超越した、ジュゴンとかではないですが、水の妖精的なイメージを持ちました、この詩の主人公や、その仲間の生き物に。 デッキブラシを手に取ったところでこの詩は終わりですが、「わたしたち」のその後を想起させる、終わり方、戦って行くその後を想起させ、二連目の救ってくれた「友人」も含めて、連携、連帯のその後を推測させ、続編詩があるのではないかと思わせる点でも、読欲性の強い詩だと思いました。 タイトルで「夢」と断っているとは言え、そして同タイトル中の「夜明け前」から来る、夜明け後の世界に対する期待、それがたとえ逆ユートピアであっても、夢で終わらないその後を強く想起させ、読みを促す力を持った詩だと思いました。
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作品データ
P V 数 : 868.0
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作成日時 2022-04-08
コメント日時 2022-04-08