歩いてた
ひとり
ひとりぼっち
私
確かに私
小石蹴って
空も見ないで
雲の名前も知らないで
つまらないことが嫌いで
つまらないことが大好きで
つまらない人が大嫌いで
つまらない人が大好きだった
正体をばらします
この紋所を目に入れてください
控えおろう
ずっとずっと
控えおろう
だから私
結婚しないと決めました
いい人が現れるまでは
それでも時々は二十四時間で寿命が終わる虫のこと
考えたりします
今もそう
誰にも言いません
本当の気持ちなんて
どれだけ薄めたら本当でなくなるのか
気の遠くなる程の時間、費やしてまでも
出会え
出会え
諸国漫遊
巡り巡って
お付きの者が右も左も
頼もしくても
あの人を思い出す遠い目が
ただの懐かしさでありますようにと
歩いてる
ひとり
ひとりぼっち
私
普通の私
後ろに組んだ手
解いて伸ばせば
まだ高い場所に届く
罪の無いことが嫌いで
罪の無いことが大好きで
罪の無い人が大嫌いで
罪の無い人が大好きだった
とってもとっても大好きだった
もういいでしょう
勘弁して差し上げます
頭が高いよ、そこの
名前は何ていうの?
一緒に来る?
多分楽じゃない人生
私をどなたと心得る?
光の国にあらせられるぞ
控えおろう
控えおろうよ
それでも時々は
美味しいものに目がなくて
お風呂にもゆっくり浸かって
風車回すみたいに
まだ続くと思っていたお話の中にいる
ねえ最初の花ってさ
どうして仲間を増やそうなんて思ったりしたんだろうね
ずっと同じことの
繰り返しが嫌いで
繰り返しが大好きで
繰り返す人が大嫌いで
繰り返す人が大好きだった
とってもとってもとってもとっても
大好きだった
だから私
恋はしても結婚しないと決めました
あの人よりいい人が
現れるまでは
作品データ
コメント数 : 11
P V 数 : 1288.3
お気に入り数: 0
投票数 : 4
ポイント数 : 20
作成日時 2022-04-04
コメント日時 2022-04-29
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 5 | 5 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 4 | 4 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 20 | 20 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2.5 | 2.5 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0.5 | 0.5 |
構成 | 1.5 | 1.5 |
総合 | 10 | 10 |
閲覧指数:1288.3
2024/11/21 23時33分53秒現在
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感情の振り子に読んでいると拐われる感じがしました。言葉の詰め寄りが上手い。
0ABさんのコメントとほぼ同意見です。感情に訴えてきて、豊かな発想のフレーズも有り、 全体の均衡が取れていて、とてもいい気分で読めます。花が仲間を増やすことについて考える ことなんて、僕は今までなかったです。
0あの人ってどんな人だろう
0ありがとうございます。普段からろくでもないものばかり投稿してるので、たまには真面目に書いたものをと思って、でもせっかくだからちょっとだけ遊んでみるか、と思って。あ、でも花の下りはちゃんと真面目に考えて書きました。
1ありがとうございます。ウォーホル的なポップアートの領域で書いたものですが、とても混ざり合わないものを無理矢理一緒にしてみましたた、みたいな、でもどうやったら真面目に詩を書いている人を怒らせることが出来るか、ということがちょっと頭をよぎったのも事実です。
0文体が洗練されていて良い意味で書くことに慣れていると感じました。「光の国」というタイトルからウルトラマンを連想していたら水戸黄門だったという意外性も面白かったです。ユーモラスな文体でけっこう切ないことを書いている。「好きだった人への未練」という良くあるテーマでここまで読む人に余韻を残せるのは作者の力量だと思います。
0ありがとうございます。実はこの詩は「私」的なものを嫌う昨今の傾向をちょっと皮肉った側面もあります。面白いから「私」で埋め尽くしてみて窒息させてみようか、みたいな。すいませんね。
0どんな人なんでしょうね。案外第三者から見たら大したことないどころか、ろくでもない人なんだろうなという気がして。
1ありがとうございます。題材に何処まで踏み込むかというその見極めが難しい所ですが、真剣にふざけようと思ったらぴょんぴょん跳ねてしまったら駄目なんです。最後の一滴までポカーンとさせないと。助さん格さんの固有名詞をどうしてもいじれなかったのが心残りです。
0だから私 恋はしても結婚しないと決めました あの人よりいい人が 現れるまでは こんな調子で、いつまでも続いてゆきそう。決断しているように見せかけて、実はしていない。『「私」で埋め尽くしてみて窒息させてみよう』、面白い発想ですね。確かに「私」はあって、あふれているのだけれど、妙に妙にふらふらとしている。自我の感覚が揺さぶられる感じが好きです。 あと、文の形にとても迫力があるというか、魅力を感じます。すごいなあ。
0ありがとうございます。揺るぎないものはおそらくその堂々巡りの中にしかないものであって、本当に強い人などというものは存在しないのではないかと思っています。何も出来ない人が本当は一番強いのかもしれません。私という存在をどのように見せるか?というところで、その対極にある寓話に託してみたらそれは私と言えるのだろうか?、どんな混乱を引き起こせるだろうか?と思って書いたものです。
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