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花と傷
傷口に手を突っ込んでいいのは 恋人と詩人と医者だけだ 読まれない手紙を書いては売りつける 朝の花の市場 青空は宇宙の暗がり またたくたびに姿を変える君の 形を定めてやろうと思う 金はただの夢幻だと気付く時のために 光に名前を付けることを躊躇って 夜になるたびに戸惑う 伸びた髪を切るように初めから 僕らは自分が醜いと知っている筈なのに 耳の生えた絶望が踊る またたくたびに姿を変える君は いつか永遠に嘘になるだろう 癒える傷は花の匂いがする
花と傷 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 978.8
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 8
作成日時 2022-04-02
コメント日時 2022-04-03
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 8 | 8 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 8 | 8 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
第一聯、終聯の完成度が素晴らしく、特筆に価すると。初聯冒頭のみを抜き書きに致しましても、短詩として成立する水準に在り。 のみならず、「またたくたびに姿を変える君は/いつか永遠に嘘になるだろう」とは何とも縹緲たる時間が想起されます事か。結句には初聯の 「花の市」が掛り、花などで癒えよう傷の、浅きを俯瞰していらっしゃられる様にも読め。暗に作者様の抱えに為られた傷の、表現の。深きを 匂わしめる傑作である、と感受致しました次第でございます。 表題からして、抜群の感性を御具えに為っていらっしゃる。生半可な才気では、此処までの作を為す事は叶いませんでしょう。刮目し、そして仰天を致しました。
0> 傷口に手を突っ込んでいいのは 恋人と詩人と医者だけ 導入、いいと思いました。現実と詩が混ざった入り口としてのレトリックが、現実世界から詩世界への案内をよりスムーズにしてくれるようです。 今作も文体が読みやすくて、いい意味で読み手に開かれている感じがします。全体的に抒情詩として好みでした。ただ、前回同様に微妙なラインがあり、後半に見られる「醜い」「絶望」「永遠」などの「強い言葉」がレトリックによって捌き切れていない印象を感じました。頑張って調理はされているんです。しかしカツオは捌けたが、マグロを捌くには包丁の研ぎ(レトリックの鋭さ)が少しばかり負けているかのような印象。そこが負けると「抒情」に至らず、「難敵に対する負け癖としてのエモ」のような、惜しい印象になるのかなと私は感じました。 ただ、負の方向に強い言葉が密集しているからうーん…と立ち止まってしまうという話で、 > 伸びた髪を切るように初めから 僕らは自分が醜いと知っている筈なのに 例えばこの部分などは捌きがいいなあと思いました。抒情を感じます。それでも醜い、という言葉は手強い素材ですが。三連目と、終連の最後の行が特に好きでした。 ただ、私は全体としてとても読みやすかったし、文体も好みだし、上に書いた部分も「惜しい」「素材が強い」と思っただけで、レトリックの鋭さを磨くか言葉のエグみの鑑定を適切にすればグッと抒情詩としてさらに良くなると思いました。しかしこれは「メソメソし過ぎていたり、絶望的なエモを抒情だと思いたくない」という私個人の勝手な価値観による評です。そこは実に独善的だと思います。ここまで書いておいて、その点は申し訳ないです。 すいません。前回同様、暑苦しい評になってしまいました。yatukaさんの詩に対しては何故か自然と情の強い評になってしまうようです。 長い評をしてしまいましたが、また詩を投稿していただけて嬉しかったです。繰り返しになりますが、全体として好印象の作品でした。
0素晴らしいっす。好きです。
1私には最初の一行以外ピンと来ませんでした。レトリックも何を表現したいのか。これは私には苦手の詩でした。私が悪いのでしょう。
0自分が一体どこから何を選んで運んできているのか、 それもよく分からないので、恐縮です。 覚えたての言葉を使い始める子供のような感じだと思います。 自分が今日何を書き出したか、自分で推察しなければならないのは、 大人としてちょっとどうかとは思いますが…。 有難うございます。
0最近、自分の為に書いていて楽で読みやすいものを、と思っているので、 室町礼さんが指摘されていることはそこかなと思いました。 読者の方の目は鋭いです。 自分が書いているものの意味を自分が理解できないことに頭が痛くなってくる、 たぶんそのぐらいの方が作品としては面白いのでしょうね。 ただ他の方の作品を読むのが好きで続いています。 感想が付くと本当に嬉しいです。 いつも読んで下さって有難うございます。
0「傷口に手を突っ込んでいいのは 恋人と詩人と医者だけだ」 この大胆な断定。「またたくたびに姿を変える君の」と言う時の「君」は宇宙人みたいだと言う意味ではなくて、永遠の嘘と言う重み、癒える傷から匂う花の匂いはどんな花なのだろうかと思いました。
0喩えをお借りすれば、 カツオまでいかなくても、アジの三枚おろしならできるようになりたいな…と思いました。 自分が詩を書くなんて、見合わないことを知らないだけで、その精神は良いと言われても、実際にずっと出来ないままだとすると悲しいです。 髪を切る所は、これはいいな、と漠然と思う箇所でもあったので、レトリックのたとえとして出していただいて分かりやすかったです。有難うございます。 選ぶ言葉は大体決まってしまっていて、それがえぐいのは変えたいですね。絶望的であること自体は悪ではないですが、誤った方向にどんどん穿っているんじゃないかなとはいつも思います。絶望することを止めた方がいいと考えるあささんの価値観も理解していると思いますし、あささんの詩も言葉の選び方が明るいだけではなかったりするので、思考の癖の問題もあるのかなと。 この返信が負の方向に向かっていないことを祈りつつ、 丁寧な講評に感謝します。
0恐縮です。有難うございます。
0不勉強がばれてしまっているだけかと。私のような者が苦手な方は、この人は一体何をやっているのだろうと不思議になるばかりだと思います。お気になさらず。 感想有難うございます。
0素敵な作品だと感じました。 傷口に手を突っ込むというのが気になりました。 どうして、傷口に触れる、ではなく、 手を突っ込むにしたのか、、。 気になります!
0本当に姿を変えていたら宇宙人ですね。想像しました。 花に様々あるように、傷にもよるのだと思います。 時には癒えない傷でも良い匂いに感じるとは昔何かの本で読んだことがあります。
0ちょっと悪ふざけをする感じが好きで書きました。 自分は、触れる、というほど優しくはなれないと思ったので。 コメント有難うございます。
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