咲き朽ちる 懐しい燻りと供え 今にして真実はいつか偽りに
一切の点と線は礎に、ばらばらなのは きっと後悔だけ。それだけ
繰り返される。末期を 土に還す、みな これがあたたかい椿だ
病棟へ続く✝℃の血熱 悼みと苦しみ あれは英霊の類だろう
あれが恋焦がれた憎しみなら 射し湿す陽の光は嘯いた春だった
仕向けられたシナプスの限りに 正しきときのみぞ、綴られる
痕を残す跡は後を追う糸を黒鉛に流し走馬灯の核となり意図を紡ぐ
レース場に、ほどかれた崖に、落ち込んだ敷布を伸ばして生き
このとき、古めかしい外壁の僅かな距離に 聳えるしきたりは
緩やかに輝かす、愚痴は体外 室内にはひとが、ざらついた側面で
あかぎれの指を這わせるほど 煉瓦は朱く煤け 慶んでいるよう
貪欲な衝動はあらゆる野生を呼び起こし 底に案山子を起てる。
夕凪は明く影に堕ちる。心地良さを確保した急勾配の疼きを、
生命を飼う番とあり 摩天楼から赤子の眩さを、願いを膿む
やせ細るほど浮き上がり、魘される粘こい空蝉が ななまがりから
いきるために悔い潰し こらえるよう水中に投げ出させる、祈りで
風呂敷状に接吻 ガンバコに夢奔らせ、窓明かりと横たえたばかり。
逃れること叶わない(バカね、)練り込んだ土くれを胡蝶蘭と罵る
無数の流れ星に討たれる/生娘を知らない、か。それでは、
彼方はどの位置に足を落とすか。過ぎゆく瞬間を蜃気楼と喩える
ええ すると、器にナニを盛って、円を画くの。飾り魂よ叫びよ
吹き飛んだ表層 切り裂かれた風羽 乙姫と彦星をご覧なさい。
永遠の安寧 死体袋に萎んだ薔薇の棘を、咥えて 挑みなさい。
蒼天を渦に競わせ 美姫に囲われ、装束を纏い、凡てのわたしたち
捧げるべき 嗚呼 鎮みなさい。底に残るは思い出か、それとも
美談に酔い痴れる野心が一瞥もない色を浮かべ ゆがんだ眺望に。
胸元に鎮める刃よ、目紛るしく死ね。それでも絵空歌姫抱き留めて
その拳が砕けるまで掌に包まれるだけのちいさな愛を。譲るべき、
彼方が透き通る笑顔でありますよう。天上に感覚を等しく折り重ね
明かり撒く廊下は 歌い告がれる、美空見上げれば杖の音が滑々と、
未だ遠く。争点のblue ふくら蕾のゆるい死に顔 微笑する「as」
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 1357.1
お気に入り数: 0
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作成日時 2022-04-01
コメント日時 2022-04-07
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 22時38分42秒現在
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けば立った名詞がゴロゴロしている詩だなぁ、と思いました。詩っぽい、というか。きざな感じがしました。
0>みな これがあたたかい椿だ この箇所が印象に残りました(切り取り方が作者の想定通りかわかりませんが)。 『椿』の旁からして、春と読んでしまってもいいのか。気持ちのいい空目でした。 >ガンバコに夢奔らせ、 いきなり出てきた言葉が謎で、調べました。子供の遊びのことで合っているでしょうか。時々子供のころを思い出して懐かしさに不意に襲われる感覚と、作品全体のぶつ切り/飛躍の感覚が重なっていてここは好きでした。 意図、であったりレース場、であったり服飾関係のイメージが背後にちらつく一部の言葉選びも面白かったです。 ただ全体的には、強い言葉が渋滞している印象で、書かれるときには快楽でも読まれるときにはそうではない箇所が多い気がしました。
0もっと等身大の詩を意識してはどうでしょうか。表現が混沌としていて勿体ないです。
0コメントありがとうございます。これはわざと華美た装いを重ねた場合どんなものになるのかといった、詩を目指していますので、かなりやりすぎに盛ってます。ですのでそう感じていただいて大丈夫です〇
0コメントありがとうございます。言葉遊びは好きで取り入れておりますので、おもしろいと言っていただき光栄です。ガンバコも言葉遊びのつもりで、棺箱と玩箱の両方の意味を込めましたが、解釈は自由ですしそういった考え方もあるのかと感心しました。これだからこの場に出すことはやめられないのですね。
0等身大の詩、そういったありのままの自分は詩にはならないですね。書こうとも思わない。気持ちが向かないので、私が書きたいものはそういうはっきりと見えたものを写し取ることではありませんから、まあ、気持ちが芽生えれば書くかもわかりませんが。お読みいただきコメントありがとうございます。
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