背中のリュック
リュックのなかの荷物 重い荷物
頭のなかの鉛 鉛の暗い塊 重いお荷物
傾ぐ頭 俯き気味に歩く 歩けば目に入る
灰色の敷石 敷石の上のたくさんの黒い沁み
加わる重み 重くなる足の運び
見つからない 一つとして落ちていない
明るい話題
歩きたくない
歩け 歩きたくない
ほら歩け 歩け歩け
歩く
強い足どり
そうじゃない
重さに押されて動いているだけ
声に鞭打たれて やむなく動いているだけ
飼い主と飼い犬のように
刑務官と囚人のように
歩け 歩く歩く
俯いたまま歩く
明るい話題ひとつない
黒い沁みいっぱいの明るい敷石
昨日の鍋の内側の
焦げつきのとれない一日のはじまり
鞭打たれて いいや鞭打って
(朝だというのに暗い 暗いなあ)
それにしても
重い荷物
重い重いお荷物
いよいよ加わる重み
いちどに夕暮れが落ちてきて
いっさいがっさいぺしゃんこに潰しちまったような
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 1070.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2022-03-24
コメント日時 2022-03-28
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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閲覧指数:1070.9
2024/11/21 22時46分00秒現在
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コメント失礼します。 どこまで行っても重い荷物、進むにつれて重さが増す感覚、私自身、そのような時を過ごしてきて、この詩に「共感した」ではなく「共感してもらえた」という感覚をいただけました。 「それにしても」の一語に秘められている意味の流れをこれからじっくり反芻していきたいと思いました。
1おはようございます。作者としては特に共感する・しないについて意識していなかったので、こういうこともあるのかと戸惑うほどには新鮮な驚きでした。感想ありがとうございます。
1おはようございます。そうですね、言ってしまえば朝の通勤風景ですが面白いと言っていただけてホッとしています。
0気持ちを吐露する作風としてはよいのかもしれない。 私たちは認知すら不可能に思える宇宙に在って人は誰も同じ朝を迎えることは出来ない。夕暮れが朝の人がいてもおかしくはない。灰色の敷石を明るく思えたならば、いや、明るく思えると、そう表現されたならば、きっと、俯きの重たさに味が出たように思う。朝は明るくなる兆し、夕暮れは暗くなる兆し。この自然に諦念する哀れさがもう一歩欲しかった気がする作品でした。 とりとめのない感想失礼。
1こんにちは。根拠をあげることができるほどには気持ちの吐露とは遠いところで書いたので、それが「気持ちを吐露する作風」として私詩的に読まれた点を非常に興味深く思いました。またとても参考になりました。先の方のコメントの「共感」という言葉に驚いたのも同じ理由からです。 どうもありがとうございます。
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