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Performing Therapy!!
いつもの席で 身の上話をしてると 思ったら次の瞬間 病院の待合室だなんて、 まだ 一昨日亡くなった モヨコちゃんのこととか、 5回転校したこととか、 話してなかったのに、 医者が奇妙なこと言う 妻が うなずく 事故でヒロフミさんは 10年間 後遺症が治らなくて、 ずっと妻のマユミさんに 同じ話を し続けてたんだと、 ここまで回復したのは 演者療法のおかげですよ だから昨日あたり 頭の中になにか 思い出したこととか あるはずなんですが、 なにかないですかヒロフミさん ゆっくりでいいので なにか 水 水 ですか いえ 水色の 船がずっと およいでました 夕陽の照る窓の外を ずっと、 なんか止まってるみたいな はやさで それがとてもおそくて パン粉をまぶしてざらついてる みたいな? 油絵みたいだなとか きれいだなとか 思ってたら、 その船がこっちに向かってきたんです こっちにきたんですよ その小さな船は べつに 粉とかまぶしてなくって、 ふつうの船なんすけど、 その前の方 甲板ですか、あれは 知らない女の人が座ってて もごもご口を動かしてるんです 喋ってるみたいな、 でも船の音がうるさくて全く聞こえない 近づく まだ聞こえない もっと まだ それで船がとうとう エンジンを切って 窓を通り抜けて 綺麗な景色をきもちわるく通り抜けて ぼくの体に入り込んだんです、 女も一緒に おかしいなって思ったんです でももっとおかしいって思ったのは 目と鼻の先で女が喋ってても まったく聞こえなかった 喋ってなかったんです はじめから でも聞こえた っていうか 移されたんですよ、 女の言いたいことを まるで僕が喋ってるみたいな 感じになってもう 止まらない 僕がですよ?あんな甲高い声でしんでくれ、はやくしんでくれ、生命保険1000万かけてんだからはやくしんでくれ、友達のふりして話聞くのもうやっとられんわなにが身の上話だよ、未熟児で生まれて喘息になっていじめられ引っ越していじめられて引っ越しての繰り返しじゃねーかなんもおもんねンだよ、早くこっちは金が欲しいの金金金金金金金金金金!!!! 明日にでもたらふく睡眠薬飲ま演者療法は、そのような認知機能に障害を持った患者に対してパートナーが演技を行うことで回復を図る、長期型の認知療法である。具体的には、次の3つの工程を十分に繰り返して、認知障害の初期症状の患者の認識を、少しずつありのままの「今・ここ」へと近づけていく。いちまずはパートナーが役者になりきり、話者の想定している聞き手にぎたいする。患者の過去の話であればもっともよい。に、ある程度いくつかのやくがなじんだところで、ほんらいはパートナーしかしりえないじじつを少しずつおりまぜる。さんこうかがないとはんだんできればいちへもど 1999ねん、きょうと大がくのトバタらのチームは、このとくせいをさかてにとることでこのリョウホウをこうあんし、それがゆうこうであるとするかせつを立てた。トバタらは、かんじゃら64にんに対して7ねんかんPTをじっ せて殺してやろうかなあたし献身的な介護疲れの殺人でシッコーユーヨツキのもらって注目集めたいのよあんときの母殺しのおじさんみたいに、そんであたしも後を追えば世間は悪いこと言わないでしょーよ、明日やるわよ絶対治るなよそのままでいろよ健常者殺したらシャレなんないからさそれじゃ意味ないのよ〜〜〜〜はやくしねはやくしねはやくしねはやくしねはやくしねはやくしねはやくしねはやくしね 死んでくれ って 落ち着いてください そういう 悪夢を見ることは よくありますから よく あることです ほんとに こわかったんです あのひとが、 水色の船が きれいだなって ずっと思っていて、 夕陽の照ったところから 窓から ずっとみていたかった だけなんですけど なのにどうして ヒロフミさん落ち着いてあっマズイ鎮静剤 持ってきて田中さん 河野さんは抑えといて いや、その もっと暴れてるその 付き添いの方に打つから 田中さん、 早く
Performing Therapy!! ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1038.5
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2022-03-19
コメント日時 2022-03-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
これは当然詩、少なくとも文章創作であってフィクションなわけですが、その前提の中で描かれている、仮想現実と仮想非現実の境目の世界が主題になっているように読めました。 そしてその境目が切り替わる、あるいは移り変わる、その息づかいの速度感の変化(たまにすごい呑気だったり)というか、レトリックによる切り替えが私には巧みに見えました。急に切り替わったりシームレスに変化するところが現実っぽいという意味では必ずしもなく、生々しい。 また、分かりやすく激しく狂気的な言葉が飛び交うシーンもあるけれど、水に浮かぶしずかな小舟のような、非現実の夢のような柔らかな詩的描写もまたここには存在する。フィクションの中で現実と非現実的な世界を往復しつつ、レトリックによって現実にある非現実的世界よりもなにかしらの強度が高い世界を表そうとする。そんな流れが見え隠れする気もしました。 狂気をわざわざ描く価値ってなんだろう?というのは私には簡単には分かりませんが、例えば先のような試みが実際に達成された時に、あえてフィクションの中でより深い異世界性を描く価値が表れてくるのかも知れない。読み手の世界に、異世界からの未知のフィードバックが襲ってくるのかも知れない。詩や文学を特に知らない素人意見ですがそんなことを考えました。 個人的には船やパン粉のところが好きでした。浅い夢のような曖昧で不条理な詩情を感じました。
0この疾走感とドタバタ感、好感を持って最後まで読めた。この初投稿、作者の何かの始まりな気がして、次回が楽しみ。
0ふたりともコメントありがとう
0カオス 嘘か本当かわからないリアリティ 死去して抹殺レベルアップ?
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