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覚醒と狂気の間
私は今、夢の中を彷徨っている 私は残忍なことを散々してきた 憎いやつを滅多刺しにして 捨てやすいように解体した 骨は粉砕して灰になって飛んだ 肉類は細切れにして便器に捨てた 私の体は血まみれだった 私は外に出て血に染まったナイフを振り回した なのに誰も騒ごうとしない 交番の前を行ったり来たりした そうしたらどうされましたかと聞いてくる 私は人を殺してきた 身体中血で真っ赤だろうという それなのに警官は笑ってご冗談をという 私はグレーのスーツにネクタイをして鞄まで持っているんだ どこから見てもビジネスマンだ 何かがおかしい 昨日の深夜の出来事は夢なのか それにしては現実的すぎた 私はカバンからナイフを取り出し警官の腹を刺した まだ警官は笑っている おかしい、まだ夢を見ている 夢から醒める一番の方法はビルから飛び降りることだ だが怖くてできそうもない どうしたら現実に戻れるのか 誰か助けてくれ 私が夢から醒めなくなったのは一週間前からである。それでは一週間前までは現実にいたのかと聞かれると答えに詰まる。 とにかく現実であり得ないことが起こっている。それだけは確かだ。私の周りの人が皆んなおかしい。いや私がおかしいのか。腹を刺されて笑っている警官なんているのか。 とにかくどっちかがおかしいのだ。夢の中ならあり得る。だから私は醒めない夢の中を彷徨っているんだ。もし現実なら警官はうずくまり私は現行犯として逮捕されるだろう。 私は事もあろうに白昼堂々と上半身裸になりナイフで自分の腹を刺した。強烈な激痛がした。これでこのおかしな夢から醒めるだろう。私は元の現実に戻れるんだ。 私は夢から醒めた。 拡声器から大声で「お前は包囲されている。早く人質を渡しなさい」という声が聞こえてくる。私は若い女性の首を絞めていた。誰だ、この女は。私が力を抜くと女が激しい咳をした。 女の喉に私の手形がはっきりと残っている。女は手足を縛られている。私は身に覚えがない。窓を開けると警察からのサーチライトで何も見えない。私は両手を上げた。そうしたら激しい銃撃を浴びた。私は蜂の巣にされた…はずだ。だが痛みがない。私は振り返って女を見た。大声で笑っている。私の腹を抉って銃弾を掻き出そうとしている。おかしい、何かがおかしい。こんなことは現実にはあり得ない。私はまだ夢の中を彷徨っているようだ。誰か起こしてくれ。俺は気が狂ったのか。女は銃弾を柿の種のように噛み砕いて「おいしいわ」と言った。私ははみ出た臓物を見て泣き叫んだ。 これは夢なんだ。どうしたら夢から醒めるのだ。夢から醒めたと思ったらまたしても夢の中では気が狂ってしまう。 しかし現実というのも怪しいな。現実のどこが夢的でないと言えるのだ。現実のどこが現実的だというのだ。 それは当たり前のことだと受け入れているが、それに答えられる人がどれだけいるのだ。 何もないところから生まれ、現実というおかしな世界に生き、何もないところへ消えていく。 何のために私は生まれてきたのか。必要なかったんだろう、偶然に過ぎなかったんだろう。 それにしてもこの夢の連鎖よりはマシだ。現実には現実らしさがあるではないか。それは幻想に過ぎないとしてもいくらかはマシだろう。 私は今、現実にいるのか夢にいるのか。銃弾を噛み砕く音と歯が砕ける音と銃撃の音が耳にへばりつく。俺は現実では死ぬんだな。だが夢では死なない。それだけが違いだ。それしかない。 現実と夢の違いは現実では死ぬが夢では死なない、そのただ一点だということに気づいてから、私はそのそれぞれの世界で生きていこうと思った。 そこが夢か現実かは死んで見ないとわからない。どっちにしてもいつかは死ぬんだ。私はどうやら現実らしき夢の中にいるようだ。どっから見ても現実だ。ここで人を刺せば私は逮捕されるに違いない。それを試すのは得策ではない。私はナイフで(なぜかいつも持っている)指先を傷つけた。血が少し出た、痛い、やはりここは現実なんだろう。 私はタブレットでカレンダーと時刻を見た。そうだ私は鬱病で1ヶ月の休暇をもらったんだ。鬱病以外の精神病を先生は言わなかった。私は薬手帳を見た。最近の薬は何にでも効くようなことが書かれているので信用できない。私が鬱病以外の精神病であるならそうと言うだろう。私は気が狂っていない、ただ気が沈んでいるだけだ。 私はとりあえず家に帰ることにした。だが電車内の誰もが襲ってくるような気がして仕方がない。そうだ、だから私はナイフを持ち歩くことにしたのだ。ここにいる人たちは狂っていないのか。それはどこで確かめられる? それぞれの人がそれぞれのことに夢中だ。他人に関心なさそうだ。どうやら私の思い過ごしかもしれない。 私の願いは病気が治ることと現実を生きることだろう。ここは現実だ。とその時、全員が鬼のような顔をして私を睨みつけているのに気づいた。私はまたしても自分に騙された。ここは夢の世界だった。一匹の鬼が研ぎ澄まされた歯をむき出しにして襲ってきた。私はナイフでその目を刺した。 するときゃーと言う女性の声がして私は鬼の目を見た。中年の男の目に私のナイフが深々と刺さっている。しまった。ここは現実なんだ。私は幻覚を見たのだ。それはいつから? とにかく電車のドアが開くと全力で逃げた。私は単なる鬱病じゃないだろう。精神科ははっきりした病名を言わないからな。とにかく私は現実でとんでもないことをしてしまったんだ。私は追いかけられているに違いない。 私は家のドアを開けた。妻の八重子が料理を作っている。私はすぐさまテレビを見た。何のニュースにもなっていない。おかしいな、何かがおかしい。振り返ったら八重子が野菜炒めのような料理を作っていたフライパンで私の顔を張り倒した。倒れた私の上に八重子が被さり焼けつくフライパンを押し付けてくる。私は八重子を殴った。すると首が外れ中から小さい虫がぞろぞろと這い出してくる。ここは夢の世界だった。確かに現実らしかったのにどこから夢に変わったのだろう。ここは確実に夢だ。どうすれば醒めるのか。 私はフライパンで自分の頭を何回も殴った。そうしたら突然に世界が変わり、八重子が首から血を流して倒れていた。私は焼けつくフライパンを振り回していた。現実に戻ったのか。それは確かか。私は気が狂っている。あの医者のところに行こう。このままでは私は何をするか分からない。 私はタクシーに乗り、メンタルクリニックへ向かった。私の順番が来た。先生はいつもと変わらない様子だ。先生、私の病気は何ですか、病名を教えて下さい。聞きたいかい? 統合失調症だよ、昔は精神分裂症と言ったがね。病名なんて意味ないんだよ、私の出した薬を飲んでいれば良くなるから気長にね。はい、次の人。私は3分くらいで診療室を出された。 そうか、じゃ、これまで起こったことは全て幻覚なんだな。私は何もしていない。いつもと変わらない。妻も殺していない。警官も刺していない、銃弾に蜂の巣にもされていない、あれは幻覚だったんだ。夢じゃない。夢はこういうものじゃない。夢は主に夜寝ている時に見るものだ。私は起きている。私の病気の特徴は幻覚を見る病だったのだ。ところで今、私は幻覚を見ていないだろうか。待合室で待っている人たち、みんなどっかおかしいんだな。よく分かるよ。どうやら私は現実にいて幻覚を見ていた。ただそれだけのことだったのだ。 現実にいるなら私はナイフで胸を刺したら死ぬだろう。もう無茶はできない。ここは現実なんだ。すると突然、待合室の人が睨み始めた。私は何もやっていない。いや何かやっていたんだ。私は心の声を本当の声にして話していたのだ。だからうるさがれたのだろう。私は黙っていよう。すると隣の人が私の顔を引っ叩いた。うるさいんだよ、さっきから。そうだな、分かるよ、うるさいのは。でも引っ叩くだろうか。私は少しムッとしてそいつの顔を見た。すると首が折れそこから緑色の液体が噴出した。そのドロドロした液体は床を覆い尽くした。よく見ると、他の人も首が折れ、紫色やグレーの液体を噴出している。私はまたしても幻覚を見ているのか、私は院長室のドアを開けて幻覚を見ていると伝えようとした。すると先生はドロドロに溶けてしまっていた。私は目を閉じた。この幻覚から抜け出るにはどうしたらいいのだろう。クリニックは4階にあった。窓から飛び降りたら死ぬだろうか、怪我するだけだろうか。ドロドロの液体は腰にまで迫っていた。私は飛び降りた。 私は湖の中で昔の彼女とボートに乗っていた。懐かしい笑顔に癒され、今までのおかしな幻覚は吹っ飛んだ。しかし私はこれは夢ではないかと疑った。周りを見る。カップルがボートで遊んでいる。宮沢さん、と急に彼女が私の名前を言った。何年ぶりかしらね。20年はたっているよね、と言う。おかしい。彼女はどう見ても20代半ばだ。私の訝しげな表情に彼女がコロコロと笑う。するとボートの周りが広大な砂浜になった。私は恐る恐る降りてみた。大丈夫だ。ただの砂浜だ。彼女の手を取り私たちは降りた。彼女の後ろに幼児がいる。誰だその子は、と私が言おうとすると、お父さんと言って足に絡まってきた。彼女は急に恐ろしい表情になった。堕胎したのよ、水子よ、あなたの子よ、そうだった。あの時、彼女は手術後に感染症にかかって死んだんだ。彼女は急に20年老いた。あなたが子供はいらないって言うから、捨てた子よ。私は足に纏わりつく幼児を蹴飛ばした。そうだった。私は子供が大嫌いだった。子供どころかこの世を呪っていたのだ。もう済んだことじゃないか、恨みに持つ気持ちは分かるがお前が私を騙して作った子じゃないか。私の中でまたおかしい、これは何かがおかしいという気持ちがした。 これは幻覚ではない、これは夢だ。私は寝ているのだ。だがそもそも夢と幻覚の違いは何だ。現実が夢に侵食されたのが幻覚だ。夜見る夢は安全だ、何が起きようともそれは現実ではないからだ。危険なのは幻覚だ。現実の中で人を殺したら取り返しがつかない。だが精神分裂症は現実が幻覚に犯される病だ。私のこれまでの行動は全て夢の中の幻想に過ぎなかったのか。どれが現実に起こりどれが単なる夢だったのか見分けがつかない。私はどうしたらいいのだ。死ぬのだ死ぬのだ死ぬのだ。それしかない。殺すのだ殺すのだ殺すのだ。何を言っている。完全に分裂している。いや分裂していない。自分を殺すから死ぬのだ。合理的じゃないか。だが私はどうすれば死ねるのか。それにしてもなぜ死ななければならないのか。ただ狂っているだけだろう。私のような人間は精神病院の閉鎖病棟に閉じ込めておくのが一番だ。野放しにしてはいけない。だが私はそれに抵抗する、この世だって精神病院の閉鎖病棟と同じじゃないか。どこが違う。現実を現実的に平静に不条理でなく生きているのが正常な人間だ。だがそんな人間なんているのか。人間は元々産んでくれと言ったわけじゃないのにこの世に生まれた、それ自体が不条理だ。そして生き方は親や世間が教える。だがそれは間違っていないか。嘘を教えられてきたのではないか。ただの玉蹴りで何十億円稼いでいる人間がいる。これは明らかに狂気だ。玉を蹴るためにこの世に生まれてきたのではない。木の棒で硬い球を遠くに打って喜んでいる、これも相当な狂気だ。こう言うのを取り締まらなくていいのか。私より遥かに気が狂っているぞ。 私は今現実にいるのか、幻覚の中にいるのか、寝ているのか、起きているのか、区別がつかない。私が現実に死ねば現実にいたことが保証される。だが死ぬ必要がない。何だ、堂々巡りをしているぞ。私は別に死ぬ理由などないのだ。ただ単に病気をこじらせた病人に過ぎない。病人は入院していなければならないのか、そんなことはあるまい。他人に危害を加えなければ入院する必要はない。私は私から殺そうと思ったことはない。ただ試してみたことはある。それはこの世が現実か夢か確かめるためだ。私は分からなくなっている。現実とは何だ、それは現代物理学で探究する世界か。それならそもそも存在していると言うことだな。存在していないもののために巨額の税金を使って実験装置なんか作らないだろう。それは存在している。だがその根拠はなんだ。どこにある。現実とは堅固なものだ。幻覚は実体がない。堅固なもの? 何だそれは。おかしな定義だな。とにかく実際に存在しているのだ、現実は。何で存在しているのだ。その根拠を示せ。それはそこに在るからだとしか言えないだろう。それもおかしな言い方だな。在るから、何だそれは。宇宙は最初は何もなく無から生まれたなんて、狂気の仮説がまかり通っていたな。さすがにまずいと思ったのか。宇宙は最初は存在に満ちていたなんてことを言っているぞ、百八十度転換するようなことを言わないでくれ。そんならその「存在」の前は何があったのだ。「無」だろう。そこに行き着くしかないのだ。日本語はよく出来てきいて「無」を「夢」と言い換えることもできるぞ。だが「無」は完全な無だ。「夢」は不完全な「無」だ。どちらが真実かと言えば「夢」だろう。だって最初の「無」は存在しなかったのだから。無から有が生じることは絶対ない。だからこの世は原初から存在しているのだ。それは何のために、理由などない。そしてこの世の行き着く先が現代の今の瞬間というわけだな。となると現実も相当怪しいと言える。幻覚以上におかしな世界だ。笑えるほど狂っている世界だ。 現実のおかしな点はいくら追求しても尽きることがない。物質もおかしい。無生物が生物になるというのもおかしい。それは約束されていたことなのか。たまたま生物が生まれたということなのか。そんなことはあるまい。物質は生物になることが決まっていた。この宇宙は生物を生み出すために生まれたのだ。それはどこから? ああまた堂々巡りだ。それほど現実というのはあやふやということだ。 私は今どこにいる? それはこの世だ。そういう以外ない。自宅だとか会社だとか街中だとかそんなものは人間が拵えた幻想に過ぎない。いるかいないか、あるかないか以外ない。私はどこにいるのだ。私は机の前でこれを書いている。それは事実だ。揺るぎようのない事実だ。だが私がこれを書いているのか。私は書かされているのかもしれない。何故なら私がこれを書く理由が全くないからだ。いやお前は手の内を明かしたな。それを言っちゃあお終いだよ。それこそが現実だ。私はこれを書いている。私はこれを書くのをやめることもできる。何をするのも私の自由だ。えっ人間に自由などないって? 人間はがんじがらめの中で身動きできない生物だよ、と誰かが言っている。それはどこかで聞いたことがある。ところで私は実を言うと文章など書いていない。机の前にもいない。部屋の中にもいない。地球にもいない。宇宙にもいないかもしれない。宇宙では何もなく私という意思が何やら呟いているのかもしれない。とにかくこの部屋にいれば私は安全だ。他人を傷つけることもない。だけど人間は腹が減るんだな。私はお金を一銭も持っていない。と言うことは飢え死にか、いや食べ物に溢れたこの都会で飢え死になんてありえない。私が死ぬほうが地球より重いのだ。だが食い逃げはできない。あ、思い出した。キャッシュカードがあるじゃないか。それを使えば私は生きられる。ところで私は何でそんなに生きたいんだ。理由を示せ。ほら早く、死にたくないからだ。そうかついに本音を出したな。お前は死にたくないから生きているんだな。よく分かったよ。 何故死にたくないのか。その理由を示せ。それは虫だって殺されそうになったら逃げるじゃないか。生物というのはそういうものなんだ。そういうようにできている。物質から生まれた生物が再び物質に変わるのが嫌なのだな。その理由を示せ。そんなの神様じゃないんだから分かるわけないよ。神様なら分かるんだな。なら神様を連れてこい。いや神様は呼んだからって出てくるものじゃない。私は神の見解を知りたいんだ。神様だって何かから生まれたんだろう。それじゃ神様を産んだものを連れてこい。それは人間だよ。何かよく分からないもの、人知を超えるものを神様と呼んだんだ。ああ、神様の話をしてどうしようというのだ。何も生まれないぞ。そんなものはいないのだから。あるのは物質とダークマターとダークエネルギーだ。それが偶然か必然かわからないが生物を産んだんだ。そして長い年月を経て人間が生まれたんだ。そんな話全然面白くないぞ。発展性がない。死にたくない理由だな。死にたくないから死にたくないのだ。でも生物は皆個体としては死ぬ。全部が滅びなければ個体は死んで構わないのだ。個体は死ななければならぬ。そうでなければ進化はないからだ。進化だと、進化と言ったな。進化ってのは何だ。何で進化するのだ。進化する理由を述べよ。ああ私はこんな話をしていてどうしようというのだ。とにかくこの世が分からないのだ。それに尽きる。 私は女性を犯している。合意だから犯していると言う言い方は当てはまっていない。女が喘ぐ。私は聞く、この行為は合意だよね。すると喘ぎながらそうよと言う、私はだんだん高まってきた。中に出そうと思っている。中に出すのも合意なのかと女に聞いた。いっぱい出してと言う、私は高まり女の中に出した、すると女の顔が般若のようになり、出したわね。私は犯されているのね。これは犯罪だわ、婦女暴行よ、女が大声をだす。さっき合意と言ったじゃないか、そうね、気が変わったのよ。仕方ないわね。合意だねと何回も聞くからうるさくなったのよ。これは暴行罪よ、さあ、早く逮捕されなさい。女の大声で人が集まり、さまざまな感情のこもった表情で私を見る。馬鹿だよね。許せないわ。俺がやりたかったな。いい女じゃないか。穴があるんだから仕方ないだろう。何のために穴があるのだ、若い奴はいいね。わしには無理だ。この男は女の敵よ。色々な表情で私を見る。すると私の中で何かが爆発した、女の性器が巨大に膨れ上がった、人が入れるくらいだ。野次馬は濡れた粘膜を滑りながら中へ入っていった。私は逃げよう。私は関係ない。女はイエスかノーか不明な生き物だ。信じてはならない。 私は巨大な女性器から逃げてきた。あそこには私のオタマジャクシがいっぱい泳いでいるのに嫌じゃないのだろうか。私は他人の精液に触れるのも嫌だ。逃げるんだ逃げるんだ。どこへ逃げるんだ。あの女が巨大な胎児を見せて「あなたの子よ」と言いかねない。そこから逃げるのだ。では他にどこへ行けばいいのか。私がいるから何かをしなくてはならないんじゃないか。つまりこれを書いている私がいるから「私」は何かをしなくてはならない。もう私が死ねば私のすることはなくなる。それもいいがもう少しこの世を見てみよう。私はこの世に様々な不思議さを感じる。凶悪犯を容易に射殺する米国、裁判にかけようとする日本、殺しては背後関係がわからないではないか。米国では人の命の重さが軽い。銃社会ということもある。相手が銃を構えたら射殺していいとなっている。恐ろしい社会だ。私は行きたくない。自分は大丈夫と思っている人間が犯罪に巻き込まれる。道を歩いていて誰が銃を持っているかわからないではないか。いつ射殺されるかわからないではないか。よくそんなところで生活できる。日本は包丁がいいところだ。包丁なら警官も問答無用で射殺したりしない。人の命は地球より重いのだぞ。 さて私はイカロスの翼を手に入れた。どこまでも飛んでいける翼だ。私は鳥になった。何と自由自在に飛べるのだろう。だが太陽に近づきすぎてはいけないと言われた、言われたからには反抗しなければならない。私は太陽に向けてどこまでも飛んでいった。蝋は溶けないではないか。私は太陽のフレアを掠めて飛んでいる、もはや太陽の内部に入らないといけない。私は巨大な太陽の中を飛んでいる。なんで熱くもなく飛べるのだ。つまりこれは夢だからだ。夢ならなんでもできる。夢と現実の違いは何だろう。在るか無いかの違いしかないだろう。だがなぜ現実は存在し夢は存在しないのだろう。夢より現実の方がずっと謎だ、なぜ在ることが可能なのだ。最初に莫大なエネルギーが点のような空間に閉じ込められ、それが爆発したのが宇宙と言われる、だが大分無理がある、この大宇宙が極小点から生まれるなど不可能だ、まず最初に莫大なエネルギーは何処から来た。それを宇宙論者は解明せよ。そこからだな、話が始まるのは。今はただの御伽噺と同じだ、昔々ある所にエネルギーが閉じ込められていて行き場をなくしていた。さらにエネルギーは巨大になりとうとう爆発したとさ。 それを解明してから科学者と名乗ってくれ。 科学は限界のところまで行くと科学じゃなくなる。それは宗教者のように話し出す。それでしか解決不能なら科学者の看板を外せ。老科学者は突然、おかしなことを言い出す。立派な科学者が錯乱したようなことを言い出す。だが彼にとってはそれが必然の帰結なのだ。それはもしかしたら革新的な科学の始まりなのかもしれない。だが大多数はその名声を失い人が去っていく。賢い科学者は科学の常識の範囲でしかものを言わない。だが科学の革新は突拍子もないところから生まれる。老科学者は真実を見ていたのだ。
覚醒と狂気の間 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1302.5
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2022-03-14
コメント日時 2022-03-17
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
なぜ、哲学が人間には不可欠なのか。深く、考える契機を与えて下さる様な、力作である、と感銘を覚えました。 私自身、精神分裂病を罹患しておりますものですから、導入より、火蛾の様に。甚だしく惹かれる、心映えを懐きました。 老科学者が最後に見た物は、絶無か、それとも自らの眼球に迫り来る、包丁、錐か、等と。想像を膨らませつつ。 終夜、火の灼熱地獄、或は異端審問磔刑の只中に、滴り落ちるバラバ、バルボラ達の血と胆汁が馨る様な、狂おしい筆致であると。絶賛を以て結ばせて頂きたく、存じます。 追伸。 国内に於きまして、陳腐化をしたアール・ブリュットに代わり。 正規の美術教育を受けていない、「精神病者をも含めた」、普く一般人に亙る、美術作家達、の展覧会が開催されたとの報せを聞いております。 その運動は仏、米国が口火を切り、勃興したそうでございます。興味がございましたなら、調べて下さりますと。ややもすると、面白いやもしれません。 名前が思い出せない事が、口惜しいのでございますが。
0こんばんは この作品を出すのは躊躇がありました。理解し共感してくれる人が果たして居るのかという疑問でした。私は普段ステキブンゲイでまともな物を書いていますが、ビーレビでは当たり前のものを出しているだけではつまらないと思いました。私はどんな物が評価されるのか分かりません。数ヶ月やってきましたが、「覚醒と狂気の間」を出してもいいだろうと決心しました。 鷹枕可様のような読者がいらっしゃったのは幸運でした。私は黙殺されても仕方がないと思っていたからです。私はこれを自動書記で書きました。当たり前の理性が働くとつまらぬものになるからです。自動書記は本来出鱈目な文章になってしまいますが、読めるギリギリのところを狙いました。
0こういう作品はあまりないと思うが、書いていて楽しかったのである。何のしがらみもなく自由に書くのは面白い。技巧的なのもいいが枠にハマりすぎてしまう。効果的かといえばそうでもないのである。 こういう作品は自然に生まれる。思いつくままを書けばいいのだ。だが全体として主張すべきところが書かれているかが問題である。
0フォーラムにも書いたけどこの作品に込められた熱量と集中力は本物だと思う。でも >全体として主張すべきところが書かれているか この点は改めて疑問だ。 私はどちらかというとこの作品は何度も同じ場所を塗り重ねていると思う。ある部分を1つ取り出したとき、それが概ね全体と相似だと思う。つまり「全体として」の機能は感じられなかった。つまりある一つの段落を削除しても読み感はほぼ変わらないと思う。また繰り返しになるがR規制の必要もないと思う。
0私は「小説家になろう」でR問題に散々悩まされて来ました。私が書く物がR相当に当たるというのです。私は多くの人に読んでもらいたいためにRを控えめにしたり無くしたりしました。映画やドラマでは散々人が殺され性描写もあります。それはR指定になっているのもないのもあります。やはり主役級が凄惨に殺されるとRがかかりエキストラが大量に死んでもRはかからない。私がこれまで書いて来たのは濃厚な物でした。表現も露骨でした。だからRがかかるのは当たり前だったのです。この作品はそれらとは明らかに違う。それでもR恐怖症に罹った私は一応問わざるを得なかったのです。 いすき様の「全体として」の疑問はもっともだと思います。
1>捨てやすいように解体した >骨は粉砕して灰になって飛んだ >肉類は細切れにして便器に捨てた このあたりの描写、江東マンション神隠し殺人事件を連想しました。 被害に遭われた方に適切な救いが与えられたら、と常々考えます。 >最初に莫大なエネルギーが点のような空間に閉じ込められ、それが爆発したのが宇宙と言われる、だが大分無理がある、この大宇宙が極小点から生まれるなど不可能だ、まず最初に莫大なエネルギーは何処から来た。それを宇宙論者は解明せよ。 おそらくここはビッグバン宇宙論に対する反論だと思われます。「サイクリック宇宙論」で検索するのもいいかな、と思われます。 それはそうと、フォーラムにあるR指定の件ですが、 画像や動画など、「見ようと思わなくても(残虐な・性的な描写が)見えてしまうもの」ではなく、 詩文という(言い方は悪いですが)「読もうと思わなければ読めない・読まないもの」であるため、 特に問題にはならないと思われます。 そうでなければ、アダルトな言葉の並ぶ詩文が規制されているはずですから。
0こんばんは 事件のことは全く知りませんでした。だから私の心の中のフィクションです。 宇宙論には興味があるのですが、理系ではないので文系的に捉えてしまいます。解説本なら読みますが専門書は無理です。サイクリック宇宙論について機会があったら調べてみます。サイクルという言葉があるから振動宇宙かな。私は素人なので分かりません。でも専門家も意見が分かれているようですし、宇宙創造の真実は人間に理解可能なのでしょうか。
0北川さん、お返事ありがとうございます。 私はこの作品や北川さんのことを、 あまりよく理解してなかったようです。 丁寧に対応して頂きありがとうござます。
0こんにちは 僕のことは過去作を読んでいただければお分かりになると思いますが、全くの普通人でございます。でも人には精神的な波というものもございましてたまにはこういうものを書かせるのだと思います。でも分かりやすいように清書すればよかったかなと思います。でもそうするとこの作品の味もなくなると思いまして、誤字を直す程度でそのまま出しました。 過去作も読んでくださるとありがたいです。comoestanuqui26さん、投票ありがとうございました。
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