Plung into concrete - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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Plung into concrete    

百の傘を捕まえて 公園の象に手渡す 明るい青の影 忙しく休むアリ 銀の銃は西へ西へ離れていった 除き残した春は 宿題だ 燃える前に針で討たなくては コンクリートの中の象は川や山よりも大きくて その目はもう白い ビル街に潜ったままの泉 病を背負った大人たちが連なり歩き 全員が産まれ直す 象も消えたいだろう 敗れたビニールはコンクリートの上に広がっている ※毎日新聞 2022年2月1日朝刊 1面 より作成


Plung into concrete ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 9
P V 数 : 1256.8
お気に入り数: 1
投票数   : 2
ポイント数 : 10

作成日時 2022-02-22
コメント日時 2022-02-24
#現代詩 #画像
項目全期間(2025/04/02現在)投稿後10日間
叙情性22
前衛性22
可読性00
エンタメ22
技巧22
音韻00
構成22
総合ポイント1010
 平均値  中央値 
叙情性22
前衛性22
可読性00
 エンタメ22
技巧22
音韻00
構成22
総合1010
閲覧指数:1256.8
2025/04/02 13時30分44秒現在
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    作品に書かれた推薦文

Plung into concrete コメントセクション

コメント数(9)
三浦果実
作品へ
(2022-02-22)

 文学極道で初めて渡辺八畳作品を読んだ時、この作者は年配でかなり文学や詩に精通されていらっしゃるのだろうと、そういう印象だった。ところがそうではなくて、「好印象になる詩の書き方」を的を外すことなく緻密に研究をされていらっしゃる方だったのだ。このことについては、渡辺八畳氏ご自身があらゆるところで語られていて、最近では、詩の書き方についての詩誌『BONE』も主宰されていて、興味ある方は読まれるていい。  今作でも、その「好印象になる詩の書き方」が散見される。一つ挙げれば、 >除き残した春は >宿題だ 情景を書いた後に「青さ」の印象を与える「宿題」の語句を置くことによる飛躍の手法。上手いものだと思う。また、「公園」や「象」といった和める語句の選び、あるいは、「病を背負った大人たち」のような社会性の含みにより「痛いポエム」にならない一線を引いている。  また、新聞を用いたコラージュアートも、氏の元々にある漫画の描き手としての器用さも出ていていいと思う。  渡辺八畳氏の魅力とはもしかしたら、青さと云っていいのかもしれない。以前に同世代の書き手として百均氏の魅力を青さと評したことがあるけれども、百均氏の青さは若い時代にあるネガティブな衝動に魅力があり、渡辺八畳氏の青さとは、すべてをやり尽くしてしまいたいという欲望に満ち満ちたものとしてある。つまり、この作品を評するとき、そのスタイルを冷徹にみなければ、きっと多くの読者が『コンクリートの中の象』であるとか、そのような情や「内容」に持っていかれ、渡辺八畳作品の本質がボケてしまうように思われる。  この作品にある仕様はコラージュアートの画像にこそあるし、また、画像をテキストと併せて投稿されたスタイル(仕様)にある。作者と作品は別物では決してなく、良き意味で、ご自身の活動とそのキャラクターまでをも「作品のように」鑑賞して楽しむことの出来る、渡辺八畳作品に思う。

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羽田恭
作品へ
(2022-02-22)

言葉をこのような形で制限する試みは、ある意味芸術的で興味深い。 ある程度人を集めて同じ試みをして、まとめてみてたらどうでしょう。 コラージュして作った詩と切り抜いた新聞紙をたくさん並べて、ギャラリーに並べれば視覚的にも楽しめそうに思います。

1
湯煙
作品へ
(2022-02-23)

面白いです。面白いというかときに刺激がある。モンタージュ手法といってよいのかわかりませんが。毎日新聞の画像とともにあるのがまた刺激的に見えますね。産経や読売新聞ではダメだったのでしょうか。私も似た作品をこしらえてみたことを思い出させました。

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渡辺八畳
作品へ
(2022-02-24)

【返信の前に宣伝をば】 「詩人向けアンケートのお願い【2.28まで】」 フォーラムに投稿しています。ご協力いただけたら幸いです。 https://www.breview.org/forum_blog/archives/2108

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渡辺八畳
三浦果実さんへ
(2022-02-24)

三浦さん、どうもです。 >好印象になる詩の書き方 というのはいい表現ですね。やはり私自身、ベーシックな「現代詩」の文法に倣いたいと考えていまして。それってつまり現代詩手帖的になるってことですけど。しかし言うまでもなく私はネット詩出身ですし、手帖に載ったことは一度もない。それでこの道を進もうとしているわけですから、言うなれば非NSCでM-1とR-1王者の野田クリスタル。

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渡辺八畳
三浦果実さんへ
(2022-02-24)

三浦さんが紹介してくださった詩誌『BONE』は「自然体ストア」で販売中です。 https://hachijo-w.booth.pm/

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渡辺八畳
羽田恭さんへ
(2022-02-24)

羽田さん、どうもです。 新聞は文字の制限具合がちょうどよいんですよね。これくらいの詩が書けるぐらいには文字が揃っているが、無いものは無い。 たとえば「除き残した春は」も本当は「掃き残した」にしたかったのですが、「掃」が無かったのでこの表現になりました。 レゴみたいだなと。制限があるからこそ工夫が広がる。 この新聞の切り抜きは「デイリー・ポエトリー・パレット」と銘打っているのですが、いつかギャラリーで展示したいなと考えています。

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渡辺八畳
さんへ
(2022-02-24)

室町さん、どうもです。 >病を背負った大人たちが連なり歩く >これを書きたかったのだろうと感じました。 いや、実はこの行に差し掛かるまでまったく考えていなかったのですよ。 というのはこの作品が新聞の1面からしか文字を切り取っていないので。そこに無い字は使えないし、そこにある字しか使えないのです。限られた条件のなかでひらめいたのがこの表現でした。

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渡辺八畳
湯煙さんへ
(2022-02-24)

湯煙さん、どうもです。 文字を切り抜く技法は昔からあるものです。 比較的近年のものだと「コラージュ川柳」とかありますし。 https://www.buzzfeed.com/jp/koichitagami/buzzfeed-korajusenryu ただしそれらと比べると私のは相当長く、また切り抜きも文字単位です。意外と難易度高いです。そんな芸当をやってのけるという曲芸的な側面もありますね。 毎日新聞を選んだのは、この日の各紙のなかで一番作りやすそうだったからです。適度に見出しがあり、また広告欄もある。ニュースの文面だけだとどうしても文字が偏るんですよね。たとえば「さ」「れ」「る」「い」「し」「た」はかなりあるのですが、「う」はまずない。そういった文字は新聞下部の広告欄に入っていることがあります。

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投稿作品数: 2