電車に映る自分を見て
やっぱり私が世界一可愛いと思った
でもそれだけじゃ生きてなくて
死んでるのと同じ体温がもう何日も続いている
どんなに一瞬で小さくても
すれ違った人が点火した時に
火災探知機のようにそれを知ることができたら
あの傷も負って良かったと思えて
この傷もきっと治してもらえて
自分なのか相手なのかも判らなくなるほど
完全な作品を愛すのでしょう
ぐらんぐらん揺れる踊りを捧げるのでしょう
そうしたらまたその疲労に生かされてしまう
今日も願ってやまないの
あなたの為に生まれたのだと
他でもないあなたが教えてくれる日を
待っているうちにどんどん死んでゆくのね
今すぐにでも轢き殺されたい私は
明日もまた無言で信号を守る
その赤をひたすら欲し、瞼の裏ではためかせながら
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 852.8
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作成日時 2022-02-11
コメント日時 2022-02-12
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 23時22分44秒現在
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前置き。 近年、都市人の破壊願望の表出傾向には目覚ましいものがある。 これは、高度にシステム化された社会秩序が、人間を意識の方向へ牽引し、無意識を排斥して行くプロセス、過程に拠って、引き起こされた状態であり、 例えばフロイトに於けるリビドー‐デストルドーの様な、人間の元来具有する精神活動が、抑圧された容で表現された結果であるといえるだろう。 問題がある、と言う前提で解釈するならば、これは、意識の容に沿って機能化された、つまり、脳髄的理解に拠って構築された、制御可能な都市景観に依存する、 一つの機械的精神論の様な、効率優先性に特化した、現代人の抱える(夙に青少年期の)宿痾であり、 別の角度より把握するならば。当作は、狩猟時代に於いては必需であった攻撃性が(自己破壊という形式を取って)、現代文明の隙間より漏れ出でる、現象と場、その瞬間にわれわれが立ち会っている、事実の証左なのである。 以下、個人的つっこみ。 傷は小さければ治りますが、毀れた患部は治りません。 完全はありません。人間が肉体であるかぎり。 「あなた」はいません。果して「私」もいるかどうか。怪しい処です。 構成も結びも秀逸ですが、些か出来過ぎています。言い換えれば類型的、です。 結び、作品へ。 面白く拝読させて頂きました。総合的には。現代都市生活者の感情と理性の齟齬をこれでもかと匂わせる、逸品であると、感じ入りました次第でございます。
0はじめまして。この度はコメントありがとうございます。鷹枕可さんの前置きを読み、私がこの詩を作った衝動、また無意識の内に流れていた本心のようなものに立ち会うことが出来ました。特に破壊願望は、私は太宰の影響を受けているので確かにあるなと思わされました。鋭いご指摘をありがとうございました。
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