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時の名を考える
どうしても裏切れなかった烏賊を躍らす海そして松の林 太陽と時がかかわる時、街に忍び込み人の中に身を紛らわせた ピンク色したフロイト博士がいるという会話が湧き立った 失くしたものは消えていき届かないものだった 愛していたと思い出しても 声も何もかも忘れてしまっていた 凡庸な朝日に鬨の声が染みていった 後ろを向いた 極まる同じことを繰り返せと言うべきであった 明日の運動会が延期だ 一つ目の時の名は心臓 さて心の中につかんだものの全てを賭けたっていいと思ってみるがよい 負けないと思える時にだって運命を回すための目に映っているはずだ 赤く染まるもの 二つ目の時の名はジュエリー 一緒に踊るときにつけられる 時が踊るのは束の間だ 不思議の声を得るように思ってみると 何もかもうまくいくはずもない 暗い 沈んでいる底の底に見つけたものは 一体何だったのか 自分の咽で息をして 自分の咽で呼びかける そんなことだったかもしれない 明るい朝との戦いで 結果を決めるのは他でもない 確かな声の持ち主 闇の息を繰り返す 三つ目の時の名は優しさ 四つ目の時の名は涙 時ほどに美しいものが 名付けられることを待っている 名前もない美しいものは 見つけられることを待っている さえずる小鳥の声を聞き お母さんが エサを探しに飛び立っていく あの往復よりも遠い旅の先のことを 思うときは来る そのとき頭の中に覚えなければならない大切なセリフ 時の名はなんだって、ね、聞いてみたい お互いが無くした 自分は無くした 見つからない鉛筆 破れた封筒に書きかけた宛名 見つからない鉛筆 見つからない鉛筆 時には四つも名前を見つけた 鏡に映る自分はずいぶんとくたびれている 疑いなしの愛情は控えめに通り過ぎ 自分のもう一つの名前を見つけたい 次に胸いっぱいに息を吸って それでも生きねばならぬと言うものはいる 四つの時の名をあずけていたんだ 行き来する 失われてしまった幾つもの想い 外の風景をまだ見ていない窓から百匹にも思える蛾たちが太陽の中へ一直線に連なっている 答えようとは試みた だが風景は殺伐としたものが頭の大部分を占めていて 時を名付けた自問はあった
時の名を考える ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1515.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2022-02-06
コメント日時 2022-02-06
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文