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書棚の除霊と解呪の方法
虚実は俺に何おも語りかけてはならぬ 俺の意思や人格の一部が幽霊に分岐してはならぬ 人格は円満でなければならないし、 ゆえに矛盾や自己撞着を恐れる そうして俺はすでに矛盾や自家撞着の 一切切除された精神を忌んでいる、 矛盾や自家撞着の棲む精神に思い焦がれている 『思い焦がれている』が既に矛盾と自家撞着 に違いないのだが 3年生のときの倫理の教師は詩を書いていて、 高校の図書館にその教師の詩集が3冊おいてあった 興がって読んでみたら 例えば除染作業後に防護服を急いで脱いで排尿する詩だとか 死病に臥せって病院で戦慄する詩だとか いま覚えているのはこれだけだが、 幽霊が肉体をとっていた例話として もう少し適切な言い方があるような気がする 例えば三島由紀夫の容貌をみた中学生の僕が 小説を読んで知らずその作者に 美しい人間を想像していたことを知った、というのだとか 作家は文字に語ることそれそのものに満足して眠り 読者は読む、そうしてその事実を誰も知らない、その著者さえ 図書館法において読書記録の秘匿が保証されているのはこのためである
書棚の除霊と解呪の方法 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 858.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2022-02-06
コメント日時 2022-02-07
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
>虚実は俺に何おも語りかけてはならぬ 「虚実は俺に何をも語りかけてはならぬ」の誤りではないでしょうか。
0コメントありがとうございます。 書いたときはこれで良いような気がしたのですが、字を間違えてしまいました。 読み返してみてもうひとつ、知識として誤解を与えてしまう間違いを見つけました。読書記録の秘匿に言及しているのは、現在の日本において「図書館法」ではなく「図書館の自由に関する宣言」でした。
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