竹見一毅はふるさと納税の返礼品だった
ども、と口籠ったなりそのまま居付いた
だいたい部屋の隅っこでスマホとかいじっていた
ねえ、何時までいるの?
さあ、誰かふるさと納税するまで
竹見一毅はすこしも手が掛からなかった
食餌洗濯入浴等は外で済ませているのだろう
身形は先ず清潔そうに見えた
一人暮らしの男子学生程度には
学校行かなくていいの、バイトとか?
休学中、これバイトね、学費稼ぐの
竹見一毅が昼間何をしているか知らない
別に拘束してるつもりはないんだけど、下宿遠いの?
あんたがふるさと納税したんじゃん
竹見一毅はふるさとに納めた税金に見合っているのだろう
ほんの悪戯心で叩ける程度の
普通なら一日のバイト代にもならない程度の
竹見君も蛙橿村の出身?
てか、何処?
竹見一毅はもうどうでも佳かった
私はいつわりの名前でふるさと納税をした
その足で下りの新幹線に乗った
駅前は再開発の真最中で旧い街並みにも更地が目立った
竹見一毅が届いたのはふるさと納税をした何日後だったか
そんなには経っていなかった様に思う
私は百貨店の屋上遊園地の望遠鏡に五十円玉を投じた
竹見一毅はボストンバッグひとつ提げてふらりと現れた
何もない造成地を前にただ立ち尽くしていた
ザマアミロ
五十円玉が落ちた
作品データ
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作成日時 2022-02-04
コメント日時 2022-02-04
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 6 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 10 | 4 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 6 | 6 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 10 | 10 |
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2024/11/21 23時10分49秒現在
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安部公房、円城塔、的なる文体が感じられていい。その内容のよくわからなさが読み入る誘惑を発しているのは、文体に魅力があるからだろう。
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