叫び、
ふるえ
駆け
飛び
飛び越え
吠え
なぎ倒し
転び
転がり
転げまわり
わたしは、
四つ足のわたしを
発見したのだった
森の中は響きに充ちていた
躰が怒りと喜びの熱を帯びて
ガタガタ震えるのが分かった
霧の中にいても
形のある匂いが道を教えてくれた
大気を切り裂いて
わたしは走った
過去も未来も現在もいっぺんに見えるほど速く
速く、
速く
もっと速く
わたしは何よりも速く走った
完成する前の景色が流れ去ってゆく
すべてが見えていて
何も見えなかった
突然、風景が途切れた
投げ出された塗り絵のような 空白
その空白に扉があって、
一枚の張り紙があった
「許可なくして立ち入りを禁ず」
その鉛の扉の前で、わたしは立ち止った
立ち止まってそのまま立ち上がった
わたしはもう服だって着ていて
ポケットにはちゃんと鍵まで入っていた
取り出して掌の上に載せると
鍵はずっしりと重く黒光りしていた
作品データ
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作成日時 2022-02-01
コメント日時 2022-03-21
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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2024/11/21 23時26分49秒現在
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