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あらたな詩小説の世界
この作品だけでなく、詩の日めくりという作品群全体への推薦です。こ んなに優れた作品への推薦が少ないのは、1つの作品の優れたところとい うのが、作品群の優れたところでもあり、1回推薦してしまうと次の作品 では、その作品だけが持つ優れた部分を推薦しなければなりません。この 作業は案外面倒なことで、1回推薦した方が次の作品も推薦しないのは、 こんなところに原因があると考えます。 しかしこんなに優れた作品群が、こんなことで埋もれてしまうのは残念で すね。なにかよい方法があればといつも思っています。 この作品がSFであると知るまで、ふつうの日記のような感覚で楽しんで いましたが、ありえない日付があるのに気づいて、作者に質問したとこ ろSFということがわかり、となるとこの作品はフィクションとなります が、読み進めると実話が多いという、半フィクションのような特徴を持 ち、またその日付もおおむね矛盾のない時間の流れとなっています。と いうのも、約一年ほど先の日付を持つ作品群が某所に投稿されており、 このなかには共通の話題について書かれている部分があり、時間の流れ からみて矛盾が見られないのです。 この作品が詩なのかというと、作者が SFであるということから、小説の ようなものであり、またそのなかに明らかに独立した多くの詩がみられる ので 、詩と小説の特徴を持つ新たなもの、しいていうなら詩小説をこの作 品で創造されたのではないかと思われます。この他にも作者は、全行引用 詩などの全く新しい分野を切りひらかれており、私も常々尊敬しています。 前置きが長くなりましたが、この作品は難しい漢字もほとんどなく、すら すら読めて面白い。その長さゆえに敬遠されることもあるかと思いますが、 むしろ普通の詩が短かすぎるのではないでしょうか。歳をとると短編小説 さえ読むのが疲れてきます。そんな時は詩が一番で、あまりに短い詩では 小説と比較してみて物足りなさを感じることがあります。なんというか、 物語り的なものが欲しくなるが、詩のよさも欲しい。こんな贅沢な要求に、 この作品は見事に応えています。どの日付でも中断でき、どの日付からで も読み始められ、詩あり物語りあり、詩人の情報あり、日常生活あり、数 学あり詩の講義ありと、数えたらきりがない話で満たされています。
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作品データ
P V 数 : 989.2
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作成日時 2021-12-31
コメント日時 2021-12-31