岸辺には 水と石と
声 しかない
波はあまたの水泡となり、
水泡はいつかの声となり、
とおくの国で鐘をついた手で
銀の器にたたえられた
水をすくう ひとよ
舵をうしなった小舟が
あなたと揺れはじめると
溺れたものたちの影が
あらゆる橋のした、街のなか、
あなたの岸辺に手を伸ばす
岸辺で、あなたは
沈黙を鑿のように握りしめ
反響する
波の、貝や石のうちの、
声 を探している
知っているか
翡翠のするどい鳴き声を
比喩の赦されない直線をえがいて
水へとかえる、透いた声を
水面にしぶく銀の鱗、
刻のかけらの
煌めき
(岸辺には、しじまが揺れている)
櫂にすくわれた声たちの
景色が ながれると
あなたの目はうつる
岸辺にあるものから
あったものへ
あなたを象る影から
象った影へ
声は
あらゆる岸辺にたたえられ、
水と石は 刻まれて在る
作品データ
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作成日時 2021-12-25
コメント日時 2021-12-25
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 23時20分20秒現在
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