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黄色のワンピース
クリスマスイブの夜、雪になるはずだった雨は冷たい雨になってわたしの町に降り注いだ。 黄色のワンピースを着て外に出る。冷たい雨がわたしを溶かす。茶色の髪が白髪になっていく。 わたしの目は見えなくなったんじゃなくて、見ないようにしている。氷のように心を閉ざしている。 冷たい雨が私を溶かして、帰り道の途中で黄色のワンピースだけが残り その色が褪せても、最後にあなたの目に鮮やかに映ったからいい。 冷たい雨はあなたの町にも降り注いでいるだろう。 雨音が心地よい音楽となって、あの人の悲しみや痛みを、わたしのことを少しずつ消してほしい。 幸せだったって感情だけ残して
黄色のワンピース ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 845.3
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2021-12-25
コメント日時 2021-12-25
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
とてもいい詩ですね。 返詩を書きしたためたのでぜひご覧になってください。 「ワインレッドのシャツ」 クリスマスの朝。夜が明けて、雪を降らせるはずだった空は意外に穏やかで、僕の町には陽光が降り注いだ。 ワインレッドのシャツを着て外に出る。柔らかい陽射しが僕をつつむ。蒼くなっていた肌は朱色に染まっていく。 僕の目はまだ見えている。無理に見ようとせずとも、時間をかけてより鮮明になってくる。それは太陽の光にも似て僕の心を炙りだす。 ひりつくような陽射しが僕を射貫くと、帰り道で揺れた黄色のワンピースだけがよみがえる。 その色は褪せるはずもなく、今でも僕の胸で鮮やかに輝いている。激しく、明滅しながら。 穏やかな陽射しはあなたの町にも降り注いでいるのだろうか。 陽光は流れる白い旋律となって、あなたを幸せで包み込んでいてほしい。 僕に残るのは微かな痛みと、甘くどんな情緒も超えるあの時の想い出。
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