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1. 自己肯定　蒼空からリンゴが落ちてくる。そのリンゴの肌が嫌に蒼いのが見えた。必ずリンゴはある。 2. 自己否定　1年前にまいたアスファルトがようやく芽吹いた。ロードバイクに幾重にも踏み抜かれて、その日のうちに砂利に還った。 3. 自己弁護　ポセイドンの有する武器ΨはあらゆるGACKTを苦しめた。しかしながら、神の存在確率Ψ^2は世界の外縁に行くほど希薄である。 4. 自己破産　脂がしつこいと敬遠されがちだが、店主はいつも吐露を握っている。金のお皿の上で手垢のついた、とろとろ、と、吐露、がぽとりぽてりと腐敗している。 5. ニャー　言葉が壁を作るのか、壁が言葉を作るのか。この命題は二重解として双方真であり、一流の数学者で二流の夫で三流の鸚鵡でもあるジョージ・マクドナルドによって証明された。 6. 自己紹介　わたしはプリキュア。ふたりでプリキュア。相棒はいまマクドナルドでバイトしながら漫画家を目指しているので、プリキュアではない。したがって、ぼくもプリキュアではない。吾輩は過マンガン酸カリウムから生まれたリンゴでした。 7. 自己満足（自己陶酔と酷似しているが、生物学的には全く違う生き物である。むしろ自己満足は鸚鵡の仲間であり、自己陶酔はおうむの仲間である）　N/A 8. 自己批判　リンゴとアスファルトが重合したという論文を書いたら、一流のおうむとして名高いマクドナルド氏らに盛大に批判された。言われてみれば、確かにリンゴはなかった。　でも、アスファルトはあります。ここは孤島だから、世界の外縁だから、神様はいないから、シャツについた黄色は消えないから、梅雨の概念に終わりはないから、インクは青いから、除湿機能がないエアコンだから、わたしはプリキュアだから、カーテンレールは今日も滑りが悪い。 9. 自己完結　稚児の嘲笑はモスキート音なので、私は聞き取ることができません。（QED.)

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作品データ

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作成日時 2021-12-22
コメント日時 2021-12-22

#現代詩