「ことな」ってお母さん、あたしのこと呼ぶんです。
黒と白の狭間に立って、
いつになったら大人になれるの、
と、きくと、
なれないよ、
と、言われました。錆びた声はやさしかった。
ママにとってあたし、いつまでも「ことな」のまんま。
自覚を説くホームルームは退屈。
友達同士のゴシップはくだらなくって、
流行りの曲は上から目線。
苛立ちと芽生え、
(あたし、この二つ、似てると思う。)
手を繋いで、踏切を待ってる。
カンカンカン、と音が止んだら、あたし、きっと、大人になってしまう。
そんな予感がするんです。
満員列車、ぎゅうぎゅうになって息苦しくて、ケーキの箱、すぐに押し潰されてしまった。
あたしたち、いつも、青春の言いなり。
無知は罪だって、エライ人の言葉の意味、知ってしまったから、あたし、神様に生まれたかったなあ。
十五の朝、昨日と変わらず、最低気温7℃。
ママの巻いてくれたカシミアのマフラー、想像よりもぬくくって、泣きたくなった、十五の朝。
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 1564.0
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 7
作成日時 2021-12-16
コメント日時 2021-12-22
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 7 | 7 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合 | 7 | 7 |
閲覧指数:1564.0
2024/11/21 23時21分12秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
単純な神様願望の詩ではないと思うのですが、潰れたケーキが象徴的で、タイトルの「十五の朝」が「十五の夜」を想起させて、もしや尾崎フリークかと思いつつもそう言った枠に収まりきらない部分が詩になって居ると思いました。
1コメントありがとうございます。個人的な実感や感覚ばかりを散らばめた拙文ですが、詩として楽しんでいただけて嬉しいです。
0良い詩だと思います。この場所には、足りない要素を含んでいると思うし、タイトル通りの等身大の思考に思えるので、違和感は感じないし、普通に読めるんだけど、おっさんが書いてたら、キモいなと思いました。( ´∀`)ハハハ でも、良い詩と思います。
0感情ありがとうございます。等身大の十五歳をいかに素直に伝えるかに重点を置いたので、伝わった様でとても嬉しく思います。素晴らしい作品ばかりのこのサイトで、とても稚拙な作品だとは思うのですが、良い詩だ、と言って頂けて感無量です。
0自分が10代の頃、この詩を書くような友だちがそばにいてくれたら良かったのになと思いました。なんだか懐かしく切ない気持ちになり、好きな詩です。
1コメントありがとうございます。これはいつか私の十五歳も思い出になってしまうから、星の砂を小瓶に詰めるみたいに、大切に大切にかいた詩です。だから、尾崎ちょこれーとさんが心を動かしてくれたこと、とても嬉しく思います。 好きな詩だと言って頂けて、嬉しい以外の言葉が見当たりません。
1