始まりはあの歓楽街で
君の別れ話を聞くためだけに
色のついただけの安酒を買って
カラオケで夜を明かしたあの日
僕はずっと君の荷物や上着やらをもって
代わりにずっと君は僕の左の腕をもって
その距離になって辿り着ける匂いの海に
僕が溺れていたあの日だ
あの一人思い悩んでいた日々!
Googleで占いや診断を検索して
一喜するためだけに何時間も費やした日々!
君の連絡を少しためらっては
賈島のごとく文章を推敲した日々!
流行の香水や髪形や服装や
そのすべての知識を無理やり胃袋に詰めて
すべてを吐き出しそうになる体に
無理強いをさせ続けた日々よ!
一体君の好きな人に
どのように返事をすればいいか
それだけを考えてアドバイスし続けた日々よ
「君みたいな真面目な人なんだよね
だから一番気持ちが分かると思ってさ」
そういわれた時に
自分の気持ちは君が好き、ただそれだけだという
心の底からすべてを愛しているのだという
何時までも一緒に君といたいのだという
自分の支えだった全てが崩壊し
純粋な黒さが部屋の中でビックバンを起こし
ただ、たった一言だけ
「何を言われてもうれしいよ」と
しょうもない反発だけを机に置くことしか
その空間は許してはくれなかった
僕がされたらうれしい振る舞いを
君は別の男に演じているのさ
監督は僕で主演は君で
その男に張りぼての笑顔を見せて
僕には純粋な笑顔を見せているのに
その男に綺麗な言葉遣いをして
僕にはそんな配慮をしたことはないのに
それくらいの関係だという優越感を
消費できる権利は僕にあったはずで
上手くいったと君に言われて
ハンマーですべてを壊したくなる
激しい衝動を頑張って抑えて
胃液交じりの言葉を何個か交わした
ああ
あの匂いの海に
何時までも溺れていたかった
溺れることができるくらい
もっとカナヅチでいたかった
優しくするんじゃなかった、なんて
そんなことを僕に思わせた罪深さを
君は知らないまま
きらめく日々を過ごしてほしいと
切に望む
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 768.5
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 0
作成日時 2021-12-12
コメント日時 2021-12-12
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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2024/11/21 23時15分35秒現在
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それはそうとあなたはコメントに対して返すこともなく投稿を行っているようですが、自作品へコメントが要らないならこちらの参加者へそのようにアナウンスすべきではないかな。
1すいません、確かに無礼な対応をしておりますね...今まで受け取ったものも少しずつ返信していきます。申し訳ございませんでした。
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