退屈そうな明け方のせいで
瞬時にいなくなってしまう、
夜空のくらげが、どこまでも螺旋状に、響く
享楽、黎明、やわらかく、微熱をはらんだ、淡いかなしみたち。
今夜はおいで、こちら、あの孤独なスピカ、
おどろしきかなひかり、
わたしの夢に、酸味を纏った淡い香気、
燃えろ、延命、のこして燃えろ
いつの日にか届きますか、
細く電線を伝たわってく
そのとき降りだした雨に従って、
とんでいく祈り、枯れた花、指さす延長線上
たったひとつの消失点
豪快な、汽笛の音楽をならして飛べ
あぁ、宇宙と同質のかがやく神話は、
変幻自在に湿った胸元から汲みでて
空中ではらりと
透明なレーヨンの尾を残して消える
あれは孤独な宇宙、
あれは孤独な、熱線、
あれは静かな、塵芥、
さよならも言えないうちに消える
きみよ、さよなら。
今夜は、おやすみ。
いつまでも空虚な星空に
きみの投げた水風船が割れて
ぽつりぽつりと様々な色が滲みでて
それを見てわたしは、
とうとう口を黙み、家路につく。
きみよ、おやすみ。
今夜は、おやすみ。
自分も一緒に、目を瞑れたなら
あの深淵の闇の奥の、
ずっとずっと奥のほうで
聞こえるこえ、聞こえているよ
あれはきみと同じ、波のこえだ
だから、おやすみ。
今夜は、おやすみ。
やすらかに、おやすみ。
きみのなかに、
たった一筋の流星が
過ぎ去りますように
Featuring.んあ、
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 2021-12-05
コメント日時 2021-12-12
#現代詩
#ビーレビ杯不参加
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技巧 | 0 | 0 |
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2024/11/21 23時03分37秒現在
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好きな詩としか言えないのですが、波長、呼吸、間のようなものが僕個人ととても合う詩でした。buck-tickの曲「鼓動」で「ごめんなさい、ありがとう」という一節があるのですが、この詩とついを成してリンクしているように感じました。良かったです。
0ありがとうございます。 この詩はんあという詩人の詩をコラボした詩です。 自分では書けない表現に乗っかってみました。 新鮮で勉強になりました。
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