涼しくて冷たい - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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涼しくて冷たい    

頭の空から夢を見た 中から天使が堕ちてくる 四肢に溜まる霜 身体がほどけていく 巡る体液 とける安堵 消える不安 頭に響く心音 ゆれる鼓膜 心の底から夢に出た 私の全てが溶けていく 夢で戸惑う 満たされる心は水の中 夢の中へ沈んだ 時が歪んで伸び始める 薄明かりロウソク 炎が絡み合い、空気が溶ける 円盤が回り傷を生む 伸ばされた歌が頭を破り空へ響いた 頭に思考が生まれて声になる 声が落ちて手にかかった 手を見ると幼虫が蠢いていた 願いがほどけて絡みつく 私を通して声がする 夢の中から光刺す 眩しくて目を開けた うつつ。 天使の頭は鉄の歯車だった 身体は布、手はなく、足がただぶら下がっている 触れると指先から体温が奪われていき 次第に指が消え、次に手が消え、ついには腕が消えた 空へと迎えられる事はなく 天使が招くのは下だった 階段をおりるかのように 一段一段、霧の深い下へと向かう その霧は濃く、奥へと入るにつれて、霧に浸かるにつれて足は見えなくなってしまった 空気は重く、皮膚を這って、水のように音が反響する 頭が沈む、モヤがかかった様に力が抜ける 思考がだんだんと溶けだし、口から漏れている 境界線の認識が曖昧になり、自身が揺らぐ 揺らぐとと私が私重複し重複し始めてめ、て少し、少しずつ離ずれていつく 離れていく 横を見ても天使はそこにはもういなくて 横を見ると何かがそこにあって 歯車だけがキィキィと回っていた 歯車がジィと私を見ていた 私はそれに眼を合わせると 私がそれに気が付くと 溶けた肉が歯に噛み合って、回って、私の顔も、頭も、脳も、心もゆっくりと歯車の形へと変わる 足がだらりとぶら下がる そのまま下へと沈んで、沈んで、沈んだ 鉄の歯が肌にくい込み、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、ゆっくりと歯車の形へと変わる 足がだらりとぶら下がる そのまま地面に落ちて、落ちて、落っこちた そうしてついた先は、霧も見えない暗闇だった 清く涼しい風が吹き、誰かが身体を通り抜ける 心音がゆっくりと響いて心地よく身体を揺らす そうして落ちた場所は、何も見えない闇だった 痛く冷たい風が刺し、何かが身体を貫く 心音が迫って響き、音が皮膚を這いずった あぁ、ここは天国 ああ、ここは地獄


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作品データ

コメント数 : 0
P V 数 : 707.2
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2021-12-04
コメント日時 2021-12-04
#現代詩
項目全期間(2025/04/13現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
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総合ポイント00
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叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
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構成00
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閲覧指数:707.2
2025/04/13 06時14分29秒現在
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