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子牛を拭う
子牛を拭う 子牛を拭う 子牛を拭う 子牛を拭う 子牛を拭う 子牛を拭う バスタオル一枚目はもう汚れ果て 二枚目、三枚目はすでに戦死した バスタオルで拭う刺激は 目を大きく開かせる 十か月浸り続けた粘液を 全身になおも絡ませ 子牛は世界を認識し始める 少し舌を出して ツナギに縋り付く 吸い付き 何も出ない服の端を舐め回す もう少し待て 股下 脇の下 まだまだぬめっている 四枚目、五枚目、六枚目 バスタオルで籠が埋まり切る 立とうとして暴れだす よじる体を押さえつけ バスタオルの数が限界に近づきながら ヒーターの熱を使いつつ 子牛を乾かしていく なおも立ち上がろうとする だから待て 伏させて 寝かせて 体温計測 39.0度 問題なし 臍の緒 切れておらず異常なし 処置用ホチキスしまう 体重計測 45キロ 腰ヤバい 動くのを捕えてつける 耳標付け 子牛にジャケット着させて 母牛の元へ 母牛は延々と子牛を舐め回す 孔子は静かになすがまま オス牛 去勢され 肉になる
子牛を拭う ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1785.9
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2021-11-30
コメント日時 2021-12-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
生まれたばかりの小牛。最後らへんで、孔子に変わっている行にはっとしました。
0すいません。 単純に誤字です。 やってしまった……。
0牛たちを家族のように繊細に扱う筆者の優しさが、あたかもその息づかいが聞こえるようなダイナミックな筆致に溢れ出ていて、素晴らしい! 子牛の出産という生命のドラマに息つく間もなく、その行く末をうたった最後の一文がなんともやるせない。
0面白い詩ですね。オス牛はなぜ去勢されるの、どうせ牛肉にされるのにね。どの段階で去勢されるのかが気になる。情景が浮かんでくる良い詩だとおもいます。
0実は今の仕事の一場面だったりします。 子牛が生まれてきたらバスタオルで念入りに粘液を拭ってから諸々の処置をします。 それを描写しました。 畜産の現場としては日常ではあるのですが、知られていない場面ですし作品にした人もあまりいないので、良いかなと。 そして何分肉牛なので、最後はそういう事になってしまいます。 出来る限り幸せにさせるのが仕事ではありますが。
1オス牛の場合、ホルモンの関係で肉が固くなり食用に不適になってしまいます。 なのである程度育ったら去勢しないといけないのです。 牧場によると思いますが、大体生後半年から一年の間あたりで去勢すると思います。 情景の描写は成功したようでよかったです。
0何度も目にした印象的な場面を描いたのがよかったかもしれないです。 地味で地道な労働の場面と言う、自分の血肉になりつつある部位を描く事が強い作品の条件のひとつかもですね。 社会に出てから自衛隊と牛関係の仕事しかしてませんが、そんな経歴がいきたようです。 様々な血肉は本当に付きました。
0《子牛を拭う》という詩句の繰り返しは何度も何度も拭っている様子なんですね。繰り返しのリズムのなかに懸命に子牛を拭っている語り手の姿が目に浮かびます。語り手の奮闘と子牛の動き、動きをいちいち見つめる眼差しに、作品には書かれていないけれども、生まれた命を尊ぶ語り手の姿勢までが立ち上がってくるようです。 ラストはショッキングですが、行間にはやはり語り手のオス牛への感謝や慈しむ気持ちが向けられているように感じました。一票。
0産まれてきた子牛は本当にしつこく拭わないといけないのです。 子牛を凍えさえないためにも(真冬は零下20度になる地域です)必須です。 また子牛の状態をよく見ないといけないのもあり動きをよく見ているのはあります。 ホルスタインに比べて和牛はかなり体が弱いのが怖い所ですし。 (子牛に一回に最大8種類の薬を投与することも) とは言え必死に処置し続けているのが作品としてはよかったみたいですが。 子牛はかわいいし、健康維持に心を砕いてはいますが、最後は肉にしてしまうし、なかなかショッキングな方法で去勢してしまうし。 それでも幸せに過ごさせてやりたいですね。
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