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水柱の重さに
曲がりくねった管の先から 容赦なく叩きつけるように 流れ落ちる水柱の重さに 萎びたチューリップの葉の如く 平たく潰れた意識の沈澱物は 照射されぬ電磁場の蛍光に 包まれながらも沈黙したまま 水底の砂地に翻弄されながら 漸く感染から逃れてもなお 隠蔽される 進路と 連想される 誤答は 水中の屈折に 洗浄されて 倒錯した砂地の隙間をすり抜け 扁平した意識の澱は 目が回るような果樹の皮脂に触れ 線型の骨格を折られた蚯蚓に 煽動された観覧席のどよめきに 何故か茫洋とした乱数表を診ると 暗号の囁きに燃焼された視角を 奪い取って遁走してゆく蟻の群れを 尋問する監察官の模倣性を下げた 隠蔽される 岐路と 連想される 贈答は 水中の屈折に 汚染されて 倒壊する水底のみぎわにならい 空中にわさわさと乗り上げた 萎びたチューリップの葉のように 扁平した意識の沈澱物は 誰も見ていない墓場の片隅に咲く ブタクサの黄色い花色に染められ 我が身の凡庸さが招来する毒素に 一ミリたりとも膨らむこともできずに ただずるずると粘菌のように 湿った墓地の敷石の上を這い廻り そのまま干からびてしまった 隠蔽される 帰路と 連想される 正答は 水中の屈折に ほだされて 曲がりくねった管の先から 容赦なく叩きつけるように 流れ落ちる水柱の重さに 意識の沈澱物は茫洋としたまま 一つの潰瘍となってしまった
水柱の重さに ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 850.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-10-21
コメント日時 2017-10-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
細かい改行のせいでしょうか、とてもカクカクとした不思議なリズムを感じます。意味がよく分からないのはあまり気にならないんですが、言葉の構築が少し理屈っぽい気がします。なので映像としてイメージがあまり立ち上がってこないのがもどかしいです。あるいはそれなりに全体として意味の繋がりということなのでしょうか...。私とは全然違う感性や認知構造をもった方が読めば全然違う感想になる作品ではないかな、と思いました。
0survof 様 この詩は、明け方の寝ぼけたときの心理状態を思い出しながら、不条理な夢のようなイメージで書いたのですが、文がやや硬くなってしまったのは、私の性格のせいかも知れません。 コメントをありがとうございました。
0流れ落ちる水柱、チューリップのしなびた葉といった有機的で流麗なイメージと、〈意識の沈澱物〉〈照射されぬ電磁場の蛍光〉といった無機的で重厚なイメージとが絡まり合って、ひとつの構築物になっているような印象がありました。その唐草紋様のような構築物をつないでいくリフレイン。誤答、贈答、正答といったバリエーションも含め、この「つなぎ」の部分が主知的な感じになっていて、理が先に立つような印象を与えるように思いました。 激しく流れ落ちる水、その水が巻き上げ、掻き立てる水底の砂・・・その映像はまた、心中に沈殿している記憶、意識の澱を巻き上げるように落ちて来る(外部からやってくる)水柱を映してもいる。 隠蔽される進路/岐路/帰路・・・自身の行き先が定まらない、そんな状況が、激しく意識(の底の砂、過去の堆積した記憶)を巻き上げる水柱、として捉えられているように思いました。電磁波や感染、監察官の模倣性といった言葉が、うまく響きあっているか、どうか・・・掻き立てられた記憶(水底の砂)が見せた幻影、のように感じるのですが、ひらひらと舞い上がっては消えていくというような、飛翔感、浮遊感のある書き方ではなく、がっちりと文章の中に組み込まれているので、そこに意味を求めよう、意味を見よう、としてしまう。浮遊するイメージは、文脈から切り離して、自由に置いて行く、という方法もありそうです。 水柱が落ちて、掻き上げているのは、いま、進行していること、というイメージで読んだのですが、最終行で〈一つの潰瘍となってしまった〉と(傷痕として)固定されてしまうと、全体が既に過去のこと、になってしまうような気がします。この最後の一行は、伏せておいた方が良いかもしれません。
0まりも様 やはりまだ、文章の硬さから抜け出せていないようです。 もっと自由にと思ってはいるのですが、無意識に自分で自分を枠にはめてしまっているようです。 的確なコメントをありがとうございました。
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