お前あっちの団地の子と一緒に遊んだことあっか
ない
なぁんかな、あんまり良くないらしい
そうなん
なんかあっちの家は給料が少ないって
そうなんや
んでな、給料が少ない奴らは頭悪いし、下品って
母ちゃんがいっとった、あんま行くなって
あっちの公園小さかったし、まぁよかろ
チャイムの音。
談笑を交わしていた生徒たち、慌てて席へ。
ドアを引き、教師入場。
後ろにつく。
やや、ざわつく教室。
教師の愛想笑い。
静かにしなさい
声は
明後日に
響く
転校生、アスカ。
黒板に名前。
ざわつく教室。
誰かが歌い、皆笑う。
頭いいな
ねぇ、どこからきたと
この町
へぇ
行ったことない
けっこう遠いね
たしかに
行ったことあるばい
ない
東京ならある
笑い声。
大学受験どうすると
◯大、受けようと思っとる
そうね、そんなら、頑張ってね
通勤ラッシュ。
パーソナルなどない。
吐き出された精子のように、ゆっくりホームで掻き回される。
ゲイの男が、レズビアンの女から痴漢の濡れ衣を着せられる。
転職活動、三度目。
どこへ行っても鬱。
初めはいい。
躓いて、似た色の沼へ。
何日経ったのか
降雪
積もらない
眠れそうだ
普通なら
昔、帰り道で一人になったとき、よく鼻歌しなかった
したでしょ
あれってなんかさ、楽しかった
世界が満たされたみたいで
私に
一体何になるのか
透明じゃん
透明なのに
困った顔したミッキー。
君を満たすのはボクじゃないんだ。
君だ。
君自身なんだよ。
少女。
人口過疎地の島。
美しい砂浜。
走る。
波打ち際に兄。
別れを惜しみ、夕日を見る。
ご飯できたって
もうちょっと見とく
うん
レオ
なに
将来の夢はあるの
あるよ
そうか、いいね
いいの
最高さ
とんびが
ピュイーロロロ
と鳴きながら
上空を
旋回している
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1123.4
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2021-11-19
コメント日時 2021-11-22
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
閲覧指数:1123.4
2024/11/21 23時09分21秒現在
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断片的に一つ一つ欠片のように置かれた様式、全体に軌跡の一線がある。それを私は「肯定する意思」ではないかと読む。 はっきりとそれが表れているのは >君だ。 >君自身なんだよ とても印象に残る。 読み手が、文脈をぎりぎり想像可能なまでに意図して削ってるように読める一つ一つの断片化とその構成。この様式で多数の作品が書けるとしたら、少し羨ましい。 使われている方言が博多弁っぽく読めました。私も博多弁を使用した作品を過去に2作書いたことがあり、それも興味を惹きました。博多弁、粋な使い方だと思います。
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