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僕の命
海で生まれたと思う、多分。 辺りには死んだ魚ばかりいて(その頃の僕の目では見えなかった)、陰鬱って感じだった。 死んだ海藻も多かったなあ。 ぼんやり、ぼんやり暮らしてたんじゃないかな。 揺れるぬめりと一緒に漂ってた。 生まれの話をすると、岩にぶつかってから僕は生き始めたんだ。 ちょっとだけなくなった僕はどこに行ったんだろうって、考えたら止まらなかった。 僕は僕なのか怖くなって、この不安をどうすればいいのかわからなくなった。 それぐらいから、僕以外を探し始めたんだ。 僕以外を見つけたのは、それからたくさん経った頃だった。 僕以外は僕を嫌いなようで、僕は気付けば海から追い出されていた。 僕の脳みそは腐って溶けているから、海にはいらないんだってさ。 僕だってきっと海の一部なのに、なんでなの。 お前らなんてこっちから願い下げだ。 そんなこんなで僕は砂浜についた。 僕が砂浜についたら、蛤が僕を噛むんだ。 なんでこっち来たんだ、って。 知らないよ、そんなこと。 海なんて大嫌いだからだよ。 いそいそと砂浜から逃げ出したら、僕の命を決めた人に出会ったんだ。 これが最後だった。 その人は凍った檸檬をくれた。 腐っていて、大好きな味だった。 少しの僕を見つけたんだ。 僕が死のうと思ったのは。 こっちに来ないで、
僕の命 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 860.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2021-11-19
コメント日時 2021-11-20
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
謎な透明感が孤独さを全体に広げていて、読んでいて深く青い海の冷たさを感じました。
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