すべてが耐え難くて
こんないのち終わっちまえと
叫びそうになるこの夜も
腹に料理包丁を向けたあの夕ごろも
往くなと言うから
思い出される
あなたからの抱擁が
あたたかな掌が
そしてこの身勝手が
愛するあなたに
永遠なる凍傷を与えるのではないかと 怯えて
そんなのの方がよっぽど重大で 怖くて
そんなことを考えているうちに
あなたの金縛りが
未だわたしを生かしていることに気がついた
とんだ思い上がりだと笑ってほしい
お前は誰の脳にも残っていない
透明な根無し草なんだと
そのほうがずっとずっと
自由でいられる
けれど
あの温度に気が付かぬほど
莫迦ではなかったもんだから
こうして今も
あなたの安寧を切に願って
惨めったらしく泣き寝入る
愛しています
無垢な人
だからあなたに
冷たい報せを送ってたまるか
せめてあなたが
雲海の向こうに
笑って往くまで
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 1120.1
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2021-11-11
コメント日時 2021-11-15
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1120.1
2024/11/21 23時39分20秒現在
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私は、フィクションめいた詩群が苦手でして、だから生活と云おうか、生命活動と云おうか、書き手のエゴの発露している詩が読みたいんですね。そういう意味でこの作品は私の欲求を満足させてくれましたし、それこそ「地に足つけて」丁寧書かれていて、「嘘」がないと思える。私にはそう読まれた。結構なことです。ありがとう。
1自死を選ぼうとするとどうしてもどこかしらに迷惑がかかってしまうと思い私は実行できませんでした。 特に母親に、一緒に死ぬと言われて無理でした。 寿命を待つにしろ自死するにしろ、とりあえず止めてくれる人がいるうちは死ねませんよね。と、勝手に共感してしまいました。
1透明の根無し草、な人はいないけど、そういう風に感じてしまう寂しさはよくわかります。語られる記憶の人への愛が純情で良いです。純粋や純情であることのピュアリティの密度ゆえの幸福、熱狂することの快楽、というものは、人を孤独からふわっと抱きとり、人生を愛の吐息で揺さぶるでしょう。そんな風に思っています。
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