君ってお月様みたいだ
遠くで光ってきれいだ
優しく歌うようだ
君の存在は僕を勇気づける
君を抱きしめたい
兎さん兎さんこっちを向いてよ
僕は漁師になって君を掴まえる遠大な計画を立てた
投網の網を編んでいる所なんだ
まず投網の材料を買うために働き
働いてできたお金で
お化粧し、髪を整え、爪を塗り、
自分を綺麗にした後で
君に御縄をかける
君との距離は384,400 km
だから僕は384,400 km分の網の材料を買うんだ
そして384,400 km分の網を頑張って投網に網み、
空の君に向かって凄い腕力で投げる予定だ
挫けて挫けて何度もへこむけど
僕は頑張るよ
君は滅びない月だもの
兎さん
待っていてとは言わないよ
愛を証明するって言うのは大変なことなんだね
失墜
語られない言葉が胸に充満し、艶が出たりするといい
語られぬ言葉のせいで体に弾丸が通り抜けて穴だらけ、とか、痩せ細る、とか、喪失が木霊する、とか、真実から乖離する、とか、悦びから見放される、とか、ね
わらわはせつのうございます
言葉を持たない猫になって、可愛らしく、小首をかしげて、あなたの気を引いて見たかった
私は自分を愛し切らず、自己撞着、毒舌、天に唾を吐き、時折、汚言を吐いてしまう
豚、とか、糞、とか、死ね、とか、脊髄反射のように。そして自分にうんざりする
いい歳をして、全面的に愛されたことも無いし、理解や愛に抱きとられたことも無いからだろう
それは35年前のことだ
遠い昨日よ
どうしても、自分では自分を救えないことがある
サウンドオブサイレンスを聴いている
佐野洋子や泉谷しげるや両津勘吉や色川武大や太宰治やジャニスジョプリンを思うと涙が出る
死んでしまった愛よ
捕まえられない愛の前で慟哭し私はせせら笑い、言葉を失墜する
だぶついた、あぶらぎった、無駄よ
唇に突っ込む肉、酒、溢れよ、吐しゃ物、
馬鹿だね、馬鹿だね、馬鹿だね
すべては愛の代わりだと悪魔に情けをかけて、
ナイフを振り回す誰かを抱きしめる妄想よ、
この餓えよ、
愚かであるという救いと惨め
孤高に憧れた惨めな湖底、水を透けて太陽が呼ぶ、浮上しろと
私は酒をかっ喰らいながら書きなぐる
手の甲にキスしてくれた死んだ友達を思い出して
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1103.0
お気に入り数: 1
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ポイント数 : 0
作成日時 2021-11-01
コメント日時 2021-11-03
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 23時19分50秒現在
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なんとも素敵な童話仕立てのファンタジックな作品!と思いきや、背後に控えてた、作者の真っ向正直な独白散文に言葉を失いました! かぎりなく熱く、激しい魂のひと! 自由奔放に文体をチェンジする大胆さが、湖湖さんなんだな!
0YUMENOKENZIさん、おはようございます。もとは別々で書いたものだったんですが、この相反するふたつをつなげることに意味があるんじゃないかな、と思ってつなげてみました。 かぎりなく熱く、激しい魂、なんていわれたのは初めてです。照れ照れ。。。。 今日を楽しくしてくださいね。いい日になりますように。
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