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枯れた向日葵
腫瘍が赤く爛れて 心の澱に落ちる 窓の外では向日葵 コーヒーは苦く 味覚さえ麻痺しそうだ 望みはいらない 最早必要ともしない部屋で 流れるのは政見放送 母国の未来を憂えるのも飽きてきた 僕はひたすら残り短い命を堪能するつもりだ 秋が来て 冬が来て 一年が終わる そんな当たり前のことを 感傷深く口にした友人が懐かしい 些細な情報さえシャットアウトされた個室で 僕はただ向日葵が少しずつ枯れていくのを見ている 寿命を換算して平穏に暮らせると思っていた「あの頃」を思い出しながら 僕は枯れた向日葵を見ている
枯れた向日葵 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 853.2
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投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-10-13
コメント日時 2017-10-20
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
政見放送という、今、現在進行形のモチーフと、病で入院していて、窓の外の向日葵のように、命が尽きていくのを予感している語り手・・・未来へ希望を託す時間は、もはや残されていない、という設定でしょうか。 その状況で、選挙という手段しか持たない私たちに、いったい何ができるのか・・・一人一人の命を生き切ること、しかないのかもしれませんが。それでもやはり、自分が居なくなった後の未来を信じて、一票を投じたいですね。
0まりもさん。 コメントありがとうございます。「腫瘍」という単語が出てきたので、身体的病をやはりイメージさせてしまいましたが、この詩の主人公が病み、荒廃しているのは、むしろ「心」の方です。冒頭の一節は直接的な表現ではなく、心が病んでいることの比喩としてとらえていただくとありがたいです。枯れていく向日葵、個室、といったものも全てその男の内面、心証を表したものです。ですがまりもさんの感想は、病んでいるのが心だろうが身体だろうが、通じるものが多く、自分がいなくなったあとの未来に一票を投じる、という行為の大切さを感じます。この男もやがて希望を見い出すでしょう。その過渡期の描写と言えば、それもまた面白いかもしれません。
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