ねぇ、あんたが思うより朝の空気はずっと綺麗だったよ
あんたは、「きれいだ」とそのまんまの言葉を連ねたようだったけれど、あたしのそれとは違うんだろうな
あたしは深海魚
だからあんたのことを見ようとすれば体が潰れちまうんだ
破片ひとつひとつが神様になればいいのに
あんただけを守ってやる
神様ってのはそういうもんなんだろ、結局
…おかしい、おかしいなぁ
あんたの顔、そんなにぐにゃぐにゃだったっけ
プールの白線みたいだ
あー、あー、そうか、七月に来ちまったのか
再々、目を焼かれなくちゃいけないのか
虹彩、々が、バチッと鳴るよ
あんたの吐いた息を吸った
喉を引っ掻いたみたいに赤色を散らした
悪いよ、あたし、あたし、
もう聞くことしかできなくなっちゃったから
今がこの世の限り
空飛ぶことなんて望んじゃいなかった
作品データ
コメント数 : 3
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作成日時 2021-10-18
コメント日時 2021-10-19
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 23時11分27秒現在
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あたしは深海魚、水から上がれば水圧がかからなくて、逆に潰れてしまうの、面白い表現だなと思いました。 だから、結果相容れないのでしょつか。
0すこし卑近な話しかけが親密で、味があります。美しい言葉を使う価値と汚言が発動すること、その価値などを考えるのですが、やさぐれ感の時もありますよね。深海から神を思う心、飛ぶことを夢想する心、生きるという事の現実と理想の乖離、そこの亀裂に私は友情を、詩を注ぎ込むことができると思っています。
0お名前が読めないのにコメントしています。すみません。 はすっぱな語りと、自己犠牲とが相まって、不思議な印象を覚えます。 体が強いというより、弱く脆くでもあなたと生きていきたかった、 というある種の熱情の強さを感じたのかもしれません。
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